COLUMNコラム

【学齢期の子どもの心理】「不登校」という現象について考えてみる⑥

みなさん、こんにちは。所属カウンセラーのY.Yです。

新型コロナウイルスの感染者数の増加は勢いが止まらず、この状況下での学校再開は非常に危険だと感じている自分がいます。コロナ不安です。他方、オリンピック終了後も、パラリンピックや夏の風物詩である高校野球で感動をもらう自分がいます。そして、毎年ながら「夏休みがもうすぐ終わる」と憂う自分がいます。「そのどれも自分なんだな」と受け止めようとする夏の終わりです。

ストレスですね。

不安ですね。

憂うつですね。

辛いですね。

何もかも嫌だって思いますよね。

しかし、こうやって、そのような気持ちを、つぶやいて、書き留めて、外に出して、向き合っている。それだけでもだいぶ違う。
これが大事だなと思いながら、つづっています。

すぐに、直接に、誰かに相談出来なくても、話さなくても、とにかく吐き出すこと。

心にマグマをため込み続け、行く末に、ストレスの爆発が震度7にならないように。震度2の小出しにしていけるように。
震度7は自他共に救えません。震度2なら自他ともに救えます。それを肝に銘じて、メンタルヘルスを大切に、秋以降もマイペースに過ごしていきましょう。

私たち自身の生活です。他の誰のものでもありません。
焦らず、ゆっくり、じっくりと・・・それで大丈夫です。

今回は、「今の心情」をつづりコラムをスタートしました。読者の方に、余計な心のエネルギーを使わせてしまいましたが、まさに今、夏休みの終了寸前の時期で、子どもたちにとっては、心のエネルギーが消耗する時期です。

私も子ども時代、夏休み終了直前は本当に嫌でした。表現が不適切かもしれませんが、「学校に行きたくない」以前に、「地球無くなればいいのに」と毎年思っていました^^;

不登校の子どもたちも、登校することに憂うつで、不安で、怖くて、逃げ出したくて、申し訳なくて、何もかもが嫌で、自分が嫌で・・・気分がどん底に落ちて、「死にたい」と思ったり、つぶやいたり、訴えたりする時期です。

こういう気持ちをどこかで誰かにつぶやけるといいなと思います。

さて、『「不登校」という現象について考えてみる』も第6弾になります。
今回のテーマは、「不登校の子どもたちの心のエネルギー」です。

絶対的なことは言えませんし、個人差がありますが、子ども自身であれ、保護者であれ、周囲の大人であれ、最低限の心づもりをしておきたいことに触れてみます。

また、この時期ですので、「夏休み前後の心構え」について述べてみます。

 

 

不登校の子どもたちの心のエネルギー

不登校の子どもたちは、「学校に行かないといけない」、「学校に行きたくない」、「行かないと色々と言われる」といった思いが心の中にあります。そして、この悩み、辛み、苦しみがずっと頭の中をグルグル駆け巡ります。このグルグルだけで、心の疲労はかなりのものです。子ども自身も気付かぬうちに、心のエネルギーが奪われていきます。当然、このエネルギーは見えないため、保護者も周囲の大人も分からないことがほとんどです。

すると、周囲の声掛け、すなわち「登校刺激*1」は以下のようになっていきます。
*1「登校刺激」とは、子どもの登校を促すことを目的に、学校と関連するあらゆる言動によって、働きかけを行うことです。

<保護者ならば・・・>

「何ダラダラしてるの!学校遅刻するわよ」
「ったく、勉強も何もしないで、ゲームばかりやって!」
「いつまで寝てるの!サボリ?」
「何でもいいから、早く行きなさい、連れて行くわよ!」
「いい加減にしなさい!」

<先生ならば・・・>

「取り敢えず、早く来いよ!」
「いいから、大丈夫だから、学校に来て!」
「休んでばかりいると、勉強が遅れていくぞ」
「また遅刻だな~、お母さん、連れてきてください」

といった感覚になりやすいでしょう。

最初は、何の気なしの気持ちで声掛けを行い、それが効かずに周囲が焦り始め、次第に感情的になり、きつめの言葉になっていきます。こうやって、「登校刺激」は激しさを増していきます。

これらの言葉たちは、学校に休むことなく登校する子どもたちでも、毎日言われたら、段々と嫌になってきます。しかし、当然ながら、不登校の子どもたちの方が、言われることが多いですし、その悪循環となります。比例して、心のダメージも増していきます。

これは、私の1回目のコラム「子どもの心を三角形で考えてみる」で取り上げた「心の逆三角形」の時に「登校や勉強」にアプローチをし続ける状態と言い換えられます。

登校している子どもと、不登校傾向の子どもでは、心のエネルギーが異なります。不登校傾向の場合、どうしても何らかの原因で、既に心に疲労があります。そのため、登校への声掛けには注意が必要です。

だからこそ、子どもたちの心のエネルギーについて、視覚的に理解しておくことが、気づきにも繋がり、重要なことと言えます。そこで、 「子どもの心のエネルギー(子どもの努力量)」(図-1)でシンプルに考えてみます。

図-1 子どもの心のエネルギー(子どもの努力量)

 

「登校」と「不登校」で境界線を設けて考てみると、子どもの中でも、登校する子はエネルギーがあるので、「学校に行きなさい」という言葉掛けがあっても無くても、登校出来ます。そして、「勉強しなさい」と伝えても、仕方ないと思いながらも渋々勉強にも向かうエネルギーは持っています。

しかし、不登校傾向にある子は、何らかが原因で、登校する子よりエネルギーはないことが前提となります。しかし、それに気づかず、登校する子と同じように声掛けをした場合、「登校」に対しては少なからず倍以上のエネルギーを求めることになります。

「不登校」の段階から「登校」の段階に気持ち的に辿りつくのに相当のエネルギーを必要としますが、勉強や人間関係などの複雑な問題について求めた場合には、更なるエネルギーを要します。もちろん対応出来るほどのエネルギーはありません。

そのため、「頑張りなさい」、「行きなさい」、「勉強しなさい」という言葉は、不登校の子どもにとっては、重くのしかかる言葉(圧力)となりえます。シンプルですが、この前提のイメージを踏まえた上で、登校刺激(声掛け)をすることは大切でしょう。

声掛けの仕方は様々です。子どもの心身の状態に応じた、その子への言葉掛けとなりますので、パターンが異なります。どういう伝え方でも構わないのですが、大切なことは、子どもが今どの状態にあるかを把握し、子どもが、必ず出来る事、出来そうなこと、ちょっと難しいことなどの選択肢を並べ、子ども自身に決定権を持たせることです。誰だって、出来ないことを「やりなさい」と言われたら、どう思うでしょうか。想像の通りです。やれそうなことを選べるだけでも、子どもは少し安心します。そのかかわり方が大切です。

子どもが勉強を効果的に行うようになる一案を、当社メンタルトレーナーの森下が紹介しています。ぜひご参考にしてみてください。

【勉強しなさいは逆効果?】子どもが進んで勉強をするようになるアプローチ方法

 

夏休み終わりから2学期始まりまでの心構え

夏休み突入時には、不登校の子どもたちの多くは、気持ちの高ぶりが生れます。「みんなも休みだから、気にしなくていい」「不登校ではなくなる」「登校時間帯に外に出ても大丈夫」「放課後に誰かに見つけられても、そんなに関係ない」といった気持ちです。その開放的な気持ちが、夏休み後半になると、次第に低下していきます。

最近は、学校によって2学期の開始日に違いがあり、8月下旬から始まるところもあれば、9月1日から始まるところもあります。そのため、子ども一人ひとりで気持ちの持ち様に違いはあるかもしれませんが、いずれにせよ、不登校の子どもたちからすると、「また始まる…」「またみんなと差が出来てしまう」「自分だけが孤独だ」「行きたくない」「行けない」「死にたい…」などといったネガティブな気持ちに転換されていきます。

子ども自身は、不安で仕方ないと思います。それを無くすことは出来ないですし、「初日に絶対に行かないといけない」、「朝起きられない」、「勉強が遅れる」や「宿題が終わっていない」、「会話に入れない」などと思ってしまうことでしょう。

<どうしたらいい?>

■子ども側
本当に登校出来ない気持ちであるならば、初日の朝に無理してでも行く必要はないです。「学校に行く」という感覚よりも、「通知表を渡さないと」とか「少しだけ担任と会うなり電話なりで話せばいい」位の気持ちでOKです。そして、保護者や先生などと話して、今出来ることを伝えれば良いです。
話すことにものすごい抵抗感があるかもしれません。それだけですごくエネルギーを使います。その時は、何かの紙に書いて、テーブルとかに置いておきましょう。

まずは自分の気持ちを一番に考えてOKです。

■周囲の大人(主に保護者)側
まず学校再開日の前日か当日位に声掛けするのが良いでしょう。あまり前から話しても、親子共々色々と不安になってしまいますから。

また、「登校すること」には焦点付けず、本児にとって必要なことを確認する程度で良いです。例えば、「通知表をどのように渡そうか?」、とか「宿題やったならば、どう渡す?」のような、現実的に必要なことを取り上げて、子どもと考えると良いでしょう。

子どもが学校再開初日に行けない場合でも気にすることなく、子どもの気持ちや健康状態などにアンテナを張りつつ、学校との繋がりが持てるタイミングを探り、その間は担任や養護教諭らと連絡を取り続けていくことが大切です。

このコラムを書き終えた後に、当社心理師の古宇田も似たようなテーマを取り上げていたことに気づきました(笑) それだけこの時期に重要なテーマであることを意味しますが、内容は異なりますので、ぜひ古宇田のコラムもご覧ください!

【子どもからのサイン】夏休み明けに向けての心構え

 

【まとめ】
●子どもたちにとって、夏休みの終了寸前は、心のエネルギーが消耗する時期。特に、不登校の子どもたちは、気分がどん底に落ち、「死にたい」と思ったり、つぶやいたり、訴えたりしたくなる時期です。このような気持ちをどこかで誰かにつぶやくことが重要である。

子どもたちの心のエネルギーについて、視覚的に理解しておくことが、気づきにも繋がり、重要なことである(「子どもの心のエネルギー(子どもの努力量)」(図-1参照))。

●不登校傾向の子どもは、何らかが原因で「登校する子」よりエネルギーはないことが前提である。しかし、それに気づかず、「登校する子」と同じように声掛けをした場合、登校に対しては少なからず倍以上のエネルギーを求めてしまうことになる。

●子どもが今どの状態にあるかを把握し、子どもが、必ず出来ること、出来そうなこと、ちょっと難しいことなどの選択肢を並べ、子ども自身に決定権を持たせる

●夏休み明け、子どもは、どうしても登校出来ない場合には無理して行かなくて良く、周囲の大人と話して、今出来ることをすればOKである。周囲の大人は、「登校」を意識するよりも、学校再開にあたり、現実的に必要なことを話し合う方が、子どもと話しやすい

 

今回は、不登校の子どもたちは、もともとエネルギーが少ない状態のため、登校している子どもたちに比べると、何かを求めるにしても、倍以上の努力が必要となることを念頭に置いて欲しいことに触れました。

この文章なのですが、実は「登校刺激」についても当初具体的に取り上げていたのですが、余りの文章量のため、分割することにしました。一読するにも読者にエネルギーを要するのに、ここで書いてあることと本末転倒だと最後に気づき、文量を減らしまして、次回に取り上げることとしました(笑)
なので、次回は、「登校刺激」についてです。

 


【おまけ】

私自身、諸事情でY.Yと名乗らせていただいおり、「誰?」と思われることもしばしばなのですが、架空ではなく、一応実在している人物です(笑)

名前は公に出来ないのですが、心理コラムも10本書かせていただきまして、そろそろ似顔絵を公開したいと思いました(笑)

私自身の情報の足しになるのか分かりませんが…(笑)

昔々、私がかかわっていたある生徒が数秒で描いた私の似顔絵で、いまだかつてこれ以上似ている似顔絵はありません。あれから10年以上が経過して、私の顔も老けたため、変形していることは否めませんが、みんなが似ていると言ってくれる似顔絵です。

ちなみに、かかわっていた生徒には使用OKと承諾を得ています。

 


 

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Writing byY.Y

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