COLUMNコラム

【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる②

みなさん、こんにちは。所属カウンセラーのY.Yです。

新年度が始まり、間もなく1カ月になります。コロナ不安によって気持ちはまだ晴れやかになりにくいですが、新たな生活は始まっています。

学校社会では、徐々に元の生活に戻す動きも見られます。昨年の今頃は休校中であり、始業式や入学式も中止や制限付きの実施でしたが、今年度は工夫された型式で開催されているところも多く、通学での授業や50分間の授業に戻す学校も多々みられています。コロナ対策とコロナストレスケアを行いつつ、普段通りの学校生活が続くことを願うばかりです。

さて、第6回のテーマも「『不登校』という現象について考えてみる」です。

前回のコラムの終わりで申し上げた通り、その続きを述べていきます。具体的には「子どもが求める居場所」と、色々な立場での「不登校」への向き合い方(子ども・保護者編)についてです。理由がどのようなものであれ、「不登校」というトンネルをくぐる間、子どもには「居場所」が必要です。そして、子ども自身や彼らに近しい大人たちが最低限留めておいて欲しい「向き合い方」を記します。

#前回コラム:「『不登校』という現象について考えてみる①」
➡http://odakachie.com/info/news/9811/

 

子どもが求める居場所

「不登校」については、短く浅いトンネルもあれば、長く深いトンネルもあります。
いつのタイミングでトンネルの出口を見つけられるかは正直分かりません。

しかし、一つだけ分かっていることがあります。トンネルの出口は必ずあるということです。
その出口に向かっていくにあたり、子どもに「居場所」があるかどうかはとても大きなポイントになります。

「居場所」とは、単なる「場所」ではなく、居心地の良い「場」であり、「人とのつながり」です。つまり、その場にいて「楽しいな」とか「ホッとするな」と思える時間であり空間でありつながり(仲間)があるかどうかです(図-1)。

この居場所作りは、すぐに実行するのではなく、無理強いするものでもありません。子ども本人のペースで、徐々に築いていくのが望ましいです。そして、子ども本人や周囲の大人が、この居場所作りを意識しておくことで、どんよりとした、イライラする日々を少しでも減らしたり和らげだりすることに繋がっていくことでしょう。

図-1 こどもが求める「居場所」の要素

色々な立場での『不登校』への向き合い方

色々な立場と書きましたが、ここではまず子ども自身と保護者について述べます。彼らがどのように向き合うことがあるのか、そして、どのような向き合い方の工夫があるのか、これまでの経験も踏まえて取り上げてみます。

●子ども自身

不登校を経験すると、「勉強が遅れる…」「親に怒られる…」「朝が来て欲しくない」「自分はダメだ…」「辛い…」とゆううつで不安な気持ちが何度も浮かびます。これをずっと感じているだけでも、本当に辛いことですし、逃げたくなることもあると思います。

一方、不登校を経験したとしても、必ず心と身体は成長していきます。紆余曲折を経て、不登校経験のない子どもたちが抱かない、様々な感情や考え方を学ぶことにもなります。だから、子ども自身は「不登校」というトンネルの最中にある人もいるかもしれませんが、前回述べたように、「今は充電中なんだ」「後で必ず役に立つ経験だし、役に立たせるんだ」と思うことが一つの工夫となるでしょう。

また、学校や学習とは関係ないところで構わないので、何か一つ、自分が集中出来る体験、そして何かつながりを感じられる体験を得て、「所属」している感覚、すなわち「所属感」や「一緒感」が体感出来ると良いでしょう。感覚の所在は、リアルな世界にせよ、ゲームやSNSの世界にせよ、安心感のある居場所をもたらします。ただし、ネット依存やゲーム依存にだけは気を付けてくださいね。この「依存」についても、先々のコラムで取り上げていく予定です。

しんどい時は、一人で我慢する必要はなく、疲れたら焦らずにゆっくり休んだり、その気持ちを周囲の話せる人に話したりして欲しいです。自分の気持ちと向き合うのは大変なことですが、その自分自身の気持ちを整理することも大切です。その気持ちを客観的に「こういうもんなんだなあ」と理解する方法についても、今後のコラムで取り上げていきます。

●保護者

保護者は、子どもが成長する姿を信じることがとても大切なことになります。

最初の頃は、「学校に行かせなきゃ」「勉強がついていけなくなる」「ずっと家で何もしていないじゃないの」「本当にこのままでいいの?」などと不安も強くなっていきます。その後、保護者自身どうしたら良いのか途方に暮れてしまいます。

また、父親と母親でどうしても子どもへの気持ちにズレや温度差が生じやすくなります。子どもが不登校になった時、たいていの場合、母親が学校との連絡を取ることが多く、その都度子どもの様子を伝える立場になる一方、父親は学校との連絡を母親に任せる場合が多いのが実状です。
なお、保護者の就労形態や家族構成、家庭の方針などによって、父母の向き合い方には違いがあることを付け加えておきますが、このズレや温度差が開けば開くほど、子ども自身も家庭全体の雰囲気も穏やかではなくなっていきます。

とはいえ、保護者は急いだり焦ったりするとは思いますが、子どもたちの気持ちとペースを尊重して、その歩みを支えていくことが、むしろ近道になることは申し上げておきたいです。
斎藤(2016)も「親は子どものよき理解者、冷静で中庸な伴走者の役割を果たす」重要性を述べています(※1)。

保護者の様々な不安や戸惑いは、親族や第三者の大人に呟くことが大切です。そして、時に非常に細やかな対応が求められますが、保護者の次に子どものことを分かってもらえそうな大人と「次の一手は何か」について話し合っていくことが重要です。
子どもの心の状態に応じて段階的に対応していくことで、後先功を奏していきます。

上述した子ども自身や保護者の向き合い方に関するエッセンスについては、私もスクールカウンセリングで意識しています。時には、子ども本人に、そして保護者に率直に伝えていくこともあります。そのようなことを意識するだけで、気分的に少しでも楽になることがあるからです。全てのエッセンスをお伝えしきれませんが、何かの参考になれば幸いです。

【まとめ】

〇「不登校」というトンネルからいつ出られるかは分からないが、必ずそのトンネルには出口がある。そして、そのトンネルをくぐり抜けていくためには「居場所」の存在が大きなポイントとなる。
〇子どもにとっての「居場所」とは、その場にいて「楽しいな」とか「ホッとするな」と思える時間であり、空間であり、つながり(仲間)を意味する。
〇【子ども本人の「不登校」への向き合い方】:辛く逃げたくなる時もあるだろうが、不登校の間にも、心と身体は成長し続けていることを踏まえる。疲れたら焦らずゆっくり休んだり、その気持ちを周囲の話せる人に話していったりすることが大切である。学校とかに限らず、何かに「所属」している感覚を持つことも有意義である。
〇【保護者の「不登校」への向き合い方】:子どもが成長する姿を信じることがとても大切である。子どもの気持ちとペースを尊重して、その歩みを支えていくことが近道となる。保護者の様々な不安や戸惑いは、親族や第三者の大人に呟くことが大切である。

もうすぐゴールデンウィークがやってきます。
「5月病」という言葉もありますし、ゴールデンウィークの後は学校に行くことへの抵抗感や気の重みがどっと出てくる時期です。さらには、コロナ禍でなおさら外出もままならない連休です。連休明けの学校再開時には、子どもの身体も気分も、学校モードになりきれておらず、コロナによるストレスも相俟って、重たくどんよりしたものがのしかかっているかもしれません。
目の前の一つ一つの出来事に丁寧に向き合っていく中で、上記の内容を知っておくことは有意義だろうと感じています。

次回は、「不登校」への向き合い方(きょうだい、親族以外の大人編)について触れていきたいと考えております。

【引用資料】
※1 齊藤万比古(2016) 増補 不登校の児童・思春期精神医学 金剛出版

 


 

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Writing byY.Y

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