🔶はじめに🔶
こんにちは。所属カウンセラーの安澤です。
今年の夏、ご自身で何回「あつい」と言いましたでしょうか?
私は、7月から途中まで数えていたのですが、挫折しました。
それくらい「あつい」と言う回数が多かったこの1ヶ月でした。
「そもそも数えて意味あるのか」という声が上がるかもしれませんが…。
強迫傾向にある私からすると、「あつい」に限らず、時々数えるのはよくやります。
なんかこの流れだと、今回のテーマは「とうとう強迫か」という流れですが、
そんなことはありません。
もう少ししたためます。
閑話休題。
間もなく夏休みも終わりになりますね。
みなさんにとって、どのような夏休みでしたか?
子どもたちも、大人たちも、ご自身の休息のお時間を有意義に使えましたでしょうか?
これからお休みを取られる方もいらっしゃるとも思います。
酷暑による熱中症、台風や線状降水帯による豪雨や洪水、土砂崩れなど、気候変動に伴い、「自然災害」が相次いでいますし、コロナ禍を挟み、休日の過ごし方も多様化する中で、様々な心身への配慮も重視されてきています。
コロナ対策はもとより、こまめな水分補給や冷感対策、未然の防災準備、日々の体調管理など、意識的にも、気づかないうちにも神経を遣っていますよね。
そして、間もなく、子どもたちはまた生活リズムを戻しつつ、学校生活が始まります。楽しみな人も、緊張や不安がMAXになる人も、様々でしょう。考えてしまうと、自然と色々と考え込み続けてしまい、心身の疲労に繋がっていきます。
今回のテーマは『「ストレス」について触れてみる』の第4弾として、「10秒呼吸法」を取り上げます。前回は「筋弛緩法」でしたが、もっと簡単な「10秒呼吸法」です。
正直、いたるところで掲載されている内容ですので、新鮮味はありませんし、非常に簡単な内容です。しかしながら、精神的に余裕のない方にとっては、そのような常あるものでも頭に浮かびにくいのも事実ですし、簡単だからこそ習慣化して欲しいという思いも込めて、お伝え出来たらと思います。
『ストレス」の理解と対応について触れてみる」コラム①〰③は以下のURLから御覧下さい。
【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる① ストレスについて
【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる② 認知的ストレス理論
【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる③ 筋弛緩法
本題に入る前に、毎年この時期に呟きたいひとことを綴ります。
夏の終わりのひとこと
夏休みももう終わり。
ストレスの溜まる頃。
子どもたちの心に、色々なことが思い浮かぶでしょう。良いものも悪いものも。
特に悪いものはだんだんとふくれあがっていく。
たとえば・・・
「あ~、学校が始まる、嫌だなあ」
「まじ行くの面倒だし、暑いし」
「家でゲームしてたい」
「起きれないし、無理だし」
「宿題終わってないし…先生に言われるし」
「いきなりテストあるから、意味わかんね」
「普通に、勉強ついていけないから」
「夏休みが終わって、受検…」
「クラスでどう過ごしたらいいんだろう」
「あの時のトラブルのこと、大丈夫かな…」
「LINEで無視されたけど、会ったら話せるかな…」
「行ったらまた嫌なことをされるのかな…」
「みんなは行くけど、どうせ、自分は行けないし」
「また親に毎日『学校行かないの』と言われる…」
「学校行かないと、親がまたイライラする…」
「朝の辛さを親が分かってくれない…」
「またあの憂鬱な毎日が始まる…」
「何もかも嫌だ…」
「死にたい…」
「誰も分かってくれない…」
「何のために学校行くの」
「推し以外いらないから」
「気まず」
「学校?知らんけど」
「学校?何それ、おいしいの」
「だるぅ」
などなど…
様々なことが思い浮かぶでしょう。
必ず、同じことを思っている人はいます。
それは確かです。
だから、「自分だけがこんな目に…」とは思ってしまうかもしれませんが、
「自分だけがこんな目に…」と思っている人がたくさんいます。
これらのネガティブな気持ちを無くす必要はないですし、無くせないです。
そして、思うのは自由です。いけないことではありません。
だから、それは思っておきましょう。
僕も毎年いつもこう思います。今でも思います。
「地球なんかなくなってしまえばいいのに」
今、こうやって書いてみましたが、昔から度々思うことでもあるので、
呟く、書くだけで、やっぱりすっきりします。
最低な発言だと思われるかもしれませんが、
やっぱりネガティブな時には、いつもこう思ってきた経緯があり、
ホッとすらします。
最近はリアルに、「地球沸騰化」と言われ出したので、本当になくなってしまうリスクは無きにしもあらずですが…
それはそれとして、
何でも良いので、溜め込まず、自分の思い、考えは外に出していきましょう。
また、もしネガティブ感情や思考が思い募ってきたら、
そのガスで風船が充満していかないように、
マグマが溜まっていき噴火寸前にならないように、
ご自身の中に溜め込むことだけは避けること。
そして、自分のネガティブな気持ちに気づくこと。
ネガティブな気持ちを地震に例えると、
震度7のレベルになってしまっては、自他共に救えません。
震度2なら自他共に救えます。
震度2の時に、ネガティブな気持ちは持ってて良いので、
それとは別に、何か目先の出来ることをしましょう。
「は?何を?」という話ですが、
例えば、、、
その場を離れる。
叫ぶ。
氷をかじる。
水を飲む。
チョコを1つ食べる。
安心する人に電話する。
手紙を書く。スマホに書き込む。
ゲームする。
誰かに話す。
などなど…。
絶対的に良くなること、すぐに解決することなぞ、存在しません。
そして、人は余裕のない時には、大したことは出来ません。
原始的なことに限られるでしょう。
溜め込まないこと。
発散すること。
ご自身を大事にして下さいね。
これまでに掲載したコラムの中にも、その他お伝えしたい内容を込めていますので、
宜しかったら、ぜひご覧くださいm(__)m
<『不登校』についてのコラム URL>
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる① 《不登校とは?/不登校の考え方》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる② 《子どもが求める居場所/不登校への向き合い方①》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる③ 《不登校への向き合い方②》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる④ 《不登校への向き合い方③》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑤ 《子どもが成長する段階的な歩み》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑥ 《不登校の子どもたちの心のエネルギー/2学期の心構え》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑦ 《登校刺激》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑧ 《子どもが抱く不安・不安対象の移行プロセス》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑨ 《不登校生徒の進路選択》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑩ 《不登校についてふと思うこと/2冊の本》
ということで、全然ひとことではありませんでしたm(__)m
呼吸法
最も簡易にリラックスする健康法の1つとして呼吸法があります。
呼吸法といっても、結構な数の種類があります。10秒呼吸法やマインドフルネス呼吸法、丹田呼吸法、片鼻呼吸やウジャイ呼吸(胸骨呼吸)といったヨガの呼吸法など、様々な種類があります。
実際に、呼吸法による生理的変化や気分の変化に関する研究が報告されています。
例えば、井澤(2002)の研究では、呼吸法の実施前後で、血圧が下がり、怒りの感情も低下して、爽快感の気分を増大させる結果が出ています。
また、松浦と山崎(2021)は、健康な成人を対象として腹式呼吸の実施後に精神性ストレスを受けた場合の気分や脳血流への影響の研究を行っており、腹式呼吸後だと不安や混乱が低下していること、前頭葉の血流量も低い傾向にあることを示唆しています。
このように、様々な呼吸法が挙げられる中ででも、腹式呼吸を取り入れた呼吸法を行うことで、緊張や不安を和らげる効果、怒りを抑止する効果、副交感神経の活動の増加といった、ストレス緩和に繋がることが報告されています。
やや堅い説明が続きましたが、、、
最近では、漫画の「鬼滅の刃」で、鬼を倒すために、「呼吸法」と言いますか、「呼吸術」として、「水の呼吸」、「炎の呼吸」、「雷の呼吸」、「霞の呼吸」などなど、大きく息を吸って、肺に空気を送り込み、全集中して人外な力を発揮するというシーンがありますね。
その影響もあってか、普段はあまり意識をしない呼吸にも意識を傾け、実際に「全集中!」と言いながら、同じように空気を吸って集中しようとする方々も多いのではないでしょうか。
とても良い流れを社会に送り込んだ漫画だと改めて感じています。
その「全集中!」をする際の呼吸も、「腹式呼吸」とされています。
それでは、腹式呼吸を行う呼吸法の中でも、本当にいつでもどこでも気楽に簡単に出来る「10秒呼吸法」について説明していきます。
10秒呼吸法
それでは、今回は簡単な10秒呼吸法を取り上げます。
筋弛緩法もそうでしたが、10秒呼吸法も、細かい部分では、若干ご紹介する人によって、
伝え方も異なることがありますが、基本的にシンプルイズベストでお伝えいたします。
まず、大前提として、以下のことを頭に入れておきましょう。
🔷前提🔷
●静座しましょう(心を落ち着けて静かに座りましょう)。ゆったりとした姿勢でOKです。
●目を静かに閉じましょう。
●お腹にたまっている空気を吐き出すように、全部「ぷぅ~」と出しきっちゃいましょう。
🔷方法🔷
実際にやってみましょう。
① 鼻から、1,2,3…と息を吸い込み、お腹をふくらませる。
② 4で一度、息を止める。
③ 5,6,7,8,9,10と、吸い込んだ空気を、口から吐き出していき、お腹をへこませていく。その際、吐き出している息に意識を傾けて、ゆっくりと、やわらかく、優しい感じで吐き出す。
④ ①~③を3~4回くらい繰り返す。
⑤ リラックスしたことを確認したら、手をグー、パー、グー、パーと何回か行い、リラックス状態から通常の少し力の入ったくらいの感覚に戻すようにする。
これだけです。
最初は、つまんないとか面倒臭いという感覚で、やらなかったり、続かなかったりするとは思います。もちろん、やりたい時にやればOKですし、無理にやるものでもありません。
ただ、ストレスを軽減させる1つの方法として、ご自身の選択肢に入れておき、
「取り敢えず、やってみるか」程度でOKですので、頭の片隅に入れておいていただければと思います。
🔶さいごに🔶
今回は、本題として、「筋弛緩法」に続き、ストレスコーピングの具体的な方法の1つである「10秒呼吸法」を取り上げました。
また、前座的に、夏休み終わり直前ということで、「ひとこと」を記載いたしました。
今後は、段々と秋を感じる時期に差し掛かっていきます。
毎年ですが、気分が移ろいやすい時期です。
気候変動に伴い、どのような秋になるのか、見えない部分も多いですが、
だからこそ、ご自身で心身のケアが出来る方法を1つでも持っておき、メンタルヘルスの予防を行うことは欠かせないでしょう。
また次回、何かお役に立てることをお伝えしていけたらと思います。
それでは、皆さん、暑さもまだ続きますが、気候変動や生活リズムといった変化の生まれる時期、情緒面の揺れも生じやすいので、くれぐれも、ためこまず、ゆったり、ゆっくり、のんびりと、リラックス出来る時間を確保しながら、お過ごしくださいね。
また次回まで!!
🔶参考文献🔶
●井澤修平・依田麻子・兒玉昌久 2002 誘発された怒りに対する呼吸法の効果 健康心理学研究15;21-28
●松浦 和文・山崎 文夫 2021 緩徐な腹式呼吸はストレス反応を軽減するか ─気分状態と脳酸素動態からの検討─ 理学療法研究36(2):175–180
🔶お知らせ🔶
親子関係の問題、お子様とのかかわり方、育児、DVのほか、発達段階(幼児期、児童期、思春期、青年期、壮年期)、発達面の課題、非行、ひきこもり、ストレス・不安・躁うつ・強迫・依存など様々な精神症状に関すること、自己理解、対人スキルといった個人や関係性に関わる内容、不登校、いじめ、特別支援、高校への進路支援など学校と関連する内容など、様々なご相談に対応させていただきます。
昨今、コロナ禍で閉鎖的な風潮が加速化する中、お一人に悩まれ続け、辛い思いをされている方も多くおられると思いますが、一人で抱え込まず、誰かに吐きだして、少し軽くなったり、気持ちに余裕が生まれたりしていくことも時には必要かもしれません。
人それぞれ必ずご自身で考える力は備えられています。しかし、精神的に余裕がない時には、その力を発揮することが難しくなります。ちょっとだけ、ゆっくり、じっくり、のんびりと、呟いたり、ご自身と見つめ合ったり、共有したりすると、ほっこりと、リラックス出来て、ご自身の感じる力や考える力が身についてくれれば何よりです。
何か思うところがありましたら、いつでもご相談をお受け致します。
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