COLUMNコラム

【こどもまんなか社会を目指す】④子ども基本法とは・・・

こんにちは、所属カウンセラーの古宇田です。

前回は、こども家庭庁の体制についてお伝えしました。3つの部門からなる体制のもとで、こども家庭庁は子どもへの支援を充実させていこうとしています。加えて5年をめどに組織や体制のあり方を再検討して、必要に応じて見直すことなどについてお伝えしました。詳しくはこちらをご覧ください。
【こどもまんなか社会を目指す】③こども家庭庁の体制

そして、いよいよこども家庭庁が2023年4月から始まります。3月には子ども関連のさまざまな支援についてのニュースを目にすることが多かったのではないでしょうか。日本の社会の中でこどもまんなか社会を目指す動きが加速していると感じました。さて今回は「こども基本法」について考えてみたいと思います。

【こども基本法の成立と概要】

2023年の4月から本格的に始動するこども家庭庁ですが、その肝となる法律の一つに「こども基本法」があります。2023年の6月成立を目指し、施行は2024年の4月に予定されています。

「こども基本法」の目的は、【日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、こどもの心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、こども施策を総合的に推進する】とされています。

子ども権利条約を批准している日本ですが、その権利が今まで充分に考えられてこなかった側面もあったと思います。しかし今回のこども基本法においては、子どもの最善の利益をまず第一に考えて、これからの社会の中で、本当の意味で子どもが中心となり、将来に渡って健やかに成長することが当たり前である世の中を作っていくことが宣言されたとも考えて良いのではないでしょうか?

もちろんこの法律が出来たことで全てが解決はしませんが、まずは第一歩、そしてこれから我々が子どもたちが幸福な生活を送ることができる社会の実現を一緒に取り組んでいこうという意識を持って、いろいろなことに挑戦していくことが求められているのではないでしょうか。

この法律の責務として、国や地方公共団体がその義務を果たすべき責任を持つとされています。同時に、国民もその責務を守る努力が必要とされています。子どもと関わる人、そしてそうでない人も子どもが安心して安全に成長していく支えについて関心と理解を深めていくことが必要になってくるのだと考えています。

【こども基本法の基本理念】

子どもに関する施策については、子どもの権利条約の4原則である、「差別の禁止」、「生命、生存及び発達に対する権利」、「児童の意見の尊重」、「児童の最善の利益」の趣旨を踏まえた上で行われなければならないとしています。詳しくは以前のコラム【児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)】ひとりの人間としての権利を考える、でご確認いただけるとより理解しやすいかと思います。

こども基本法では、基本理念として以下の6つが挙げられています。

【こども基本法の基本理念】
① 全てのこどもについて、個人として尊重されること・基本的人権が保障されること・差別的取扱いを受けることがないようにすること

② 全てのこどもについて、適切に養育されること・生活を保障されること・愛され保護されること等の福祉に係る権利が等しく保障されるとともに、教育基本法の精神にのっとり教育を受ける機会が等しく与えられること

③ 全てのこどもについて、年齢及び発達の程度に応じ、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会・多様な社会的活動に参画する機会が確保されること

④ 全てのこどもについて、年齢及び発達の程度に応じ、意見の尊重、最善の利益が優先して考慮されること

⑤ こどもの養育は家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一義的責任を有するとの認識の下、十分な養育の支援・家庭での養育が困難なこどもの養育環境の確保

⑥ 家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境の整備

理念は根底にある根本的な考え方です。現実的にどうしていくのかが今後、国に求められますが、我々もその一員として考え、行動していけるようになっていきたいものです。

【最後に・・・】

これからの日本においては、子どもの人権をまず考えるということが当たり前になってくるかもしれません。今まで考えていなかった訳ではなく、より考えていこう、そしてそれを実現していこうという意味として私は捉えています。

まず子どもの声をしっかりと聴き、それを受け止めることから始まるのではないかと考えています。これは子どもに限らず、大人の人権を考える際にも言えることだと思います。こういった世の中だからこそ、今まで以上に人権に思いを馳せる、そして声を聴く、そんなことを「こども家庭庁」の創設と同時にしていけると良いですね。私も今まで以上に意識していきたいと思います。

【参考資料:「こども基本法説明資料」内閣官房こども家庭庁設立準備室・2022】

【こどもまんなか社会を目指す】コラムシリーズはこちらからご覧になれます。
【こどもまんなか社会を目指す】①こども家庭庁の成り立ちと役割
【こどもまんなか社会を目指す】②こども政策とこども家庭庁が大切にする3つの姿勢
【こどもまんなか社会を目指す】③こども家庭庁の体制

コロナ禍に限らず、さまざまな社会生活の変革という過渡期での不安やストレスは、さまざまな形で表出されることがあります。ポジティブな考えを持つきっかけとして、そして安心・安全な人との関わりを通して生きる力を養うサポートもカウンセリングの一側面とも考えています。子育てや子どもの抱える不安やストレスに関してのご相談もお受けしております。

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Writing by古宇田エステバン英記

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