こんにちは、所属カウンセラーの古宇田です。
冬のような厳しい寒さは少なくなったものの寒くなったり、春の陽気になったり、三寒四温とはまさにこのことだなと感じる日々です。4月まではあと少しとなり、出会いや別れの季節とともに、新年度を向かえて新たな気持ちで臨んでいこうとする区切りの時期でもあります。次年度も気持ち新たにいろいろなことへ挑戦していきたいものです。
さて2月のコラムでは、こども家庭庁が取り組む子ども政策や大切にする3つの姿勢についてお伝えしました。
前回のコラムについて詳しくはこちらからご覧になれます。
【こどもまんなか社会を目指す】①こども家庭庁の成り立ちと役割
【こどもまんなか社会を目指す】②こども政策とこども家庭庁が大切にする3つの姿勢
こどもまんなか社会を目指す中で、子どもの少子化問題は、もっとも懸念される課題のひとつではないでしょうか。日本における2022年の合計特殊出生率は7年連続で前年度を下回る見込みであり、また出生数も初の80万人を下回りました。こうした社会情勢の中で、こどもまんなか社会の舵取りをするこども家庭庁、今回はそのこども家庭庁の体制についてお伝えしたいと思います。
【こども家庭庁の3つの部門からなる体制とは・・・】
こども家庭庁の体制としては、まず内閣総理大臣、こども政策担当大臣がいて、こども家庭庁のこども家庭庁長官がいます。こども家庭庁で働く職員は300人相当が配属されることになっています。こうした組織の中で以下の3つの部門で子ども政策の取り組みをしていくことになります。
①全体のとりまとめである「企画立案・総合調整部門」
・子どもや若者の意見を聴いたうえでのこども政策全体の企画立案。
・地方自治体や民間の団体との協力。
これまで子ども政策は色々な省庁で別々に行われてきました。それを一つにまとめたうえで、子どもや若者からさまざまな意見を聴くなどして、子どもの政策に関係する骨組みである大綱を作ったり、デジタル庁とも協力して、子どもやその家庭の状況、そして支援の内容などの情報を集約するデータベースを整備することになっています。
支援の切れ目が起きないように子どもの育ちを継続して見守るしっかりとした体制ができていくことが望まれます。
②子どもの育ちをサポートする「成育部門」
・妊娠、出産の支援や母親と小さな子どもの健康の支援。
・保育所や幼稚園など小学校に入学する前の子どもの育ちのサポート。
・小中高生の居場所づくりや放課後児童クラブなどの整備。
・子どもの安全のサポート(性的被害や事故の防止など)。
子どもたちの安全・安心な成長をサポートするために政策立案を担う部門といってもよいでしょう。文部科学省と協議して、未就学児(幼稚園や保育所、認定こども園に通う児童)の教育や保育の内容の基準を作ります。また子どもたちを性犯罪から守るため、子どもに関わる業務に従事する者に性犯罪の前歴がないという証明を求める制度として日本版DBS(※DBSとは、ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービスの略で、日本では無犯罪証明書制度と言われます)の導入に向けての検討もします。さらに子どもが事故などで亡くなるなどした際に、その経緯を検証し、再発防止に活かすためのCDR(チャイルド・デス・レビュー=予防のための子どもの死亡検証)の検討も進めています。
※DBSはイギリスの制度で、個人の犯罪履歴などのデータベースを管理、さまざまな職業に就く際に必要な証明書を発行するというものです。
③特に支援が必要な子どもをサポートする「支援部門」
・子どもの虐待防止やヤングケアラーなどの支援。
・血のつながった家族以外と暮らしている子どもの生活の充実や大人になって社会に出ていくための支援。
・子どもの貧困やひとり親家庭の支援。
・障がいのある子どもの支援。
子どもの最善の利益のため、そして子どもの福祉に関連したあらゆる支援にあたる部門と言っても良いかもしれません。虐待やいじめ、ひとり親家庭など、困難を抱える子どもが社会によって守られるためにさまざまな支援を担っていくことでしょう。
【最後に・・・】
こうした3つの部門からなる体制のもとで、こども家庭庁は子どもへの支援を充実させていこうとしています。加えて5年をめどに組織や体制のあり方を再検討して、必要に応じて見直すという約束もされています。常に子どもの視点に立ったサポートをしていけるための土台作りが今始まろうとしています。今後もこども家庭庁については、引き続きコラムで取り上げていきたいと考えています。4月から本格的に始動するこども家庭庁に注目していきたいと思います。
【参考資料:「こども家庭庁について」内閣官房こども家庭庁設立準備室・2022】
【こどもまんなか社会を目指す】コラムシリーズはこちらからご覧になれます。
【こどもまんなか社会を目指す】①こども家庭庁の成り立ちと役割
【こどもまんなか社会を目指す】②こども政策とこども家庭庁が大切にする3つの姿勢
【こどもまんなか社会を目指す】④子ども基本法とは・・・
コロナ禍に限らず、さまざまな社会生活の変革という過渡期での不安やストレスは、さまざまな形で表出されることがあります。ポジティブな考えを持つきっかけとして、そして安心・安全な人との関わりを通して生きる力を養うサポートもカウンセリングの一側面とも考えています。子育てや子どもの抱える不安やストレスに関してのご相談もお受けしております。
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