COLUMNコラム

【学齢期の子どもの心理】「記憶」について呟いてみる

🔶はじめに🔶

みなさん、こんにちは。カウンセラーの安澤です。

先月はコラムを掲載することが出来ず、申し訳ありませんでした。ご一読されていた方には、大変お待たせいたしましたm(__)m

特に何かあった訳ではなく、単に私自身の日々の作業の要領が悪く、間に合わなかった次第ですm(__)m

前回から早2ヶ月。年の瀬を迎えてしまいました。
2023年ももう終わりなのですね…。
早いですね…。

最後にもご挨拶いたしますが、本当に一年間、皆々様、日々の勉強やテスト、お仕事やご活動、家事や育児、人間関係などなど、大変大変お疲れ様でしたm(__)m

そして、年の瀬のひとこと。

様々なニュースが飛び交ったこの1年、主義思想にまつわるウクライナ情勢、宗教にまつわるイスラエルとガザ地区を始めとする様々な紛争、数多くの著名人の逝去など、悲しく、そして口惜しいニュースがある中、ロサンゼルス・ドジャースに大谷選手が入団したというニュースが世間にポジティブな雰囲気をもたらしました。

この方は、スーパースターなんだなと改めて感じました。

これまでは、アナハイム・エンゼルスにて、こちらもスーパースターのマイク・トラウト選手とタッグで「トラウタニ」と表現されていましたが、この度、ロサンゼルス・ドジャースに移籍し、既にスーパースターの地位を確立しているムーキー・ベッツ選手、フレディ・フリーマン選手と三者が打順で並ぶという期待が高まっています。今度は何と呼ばれるのでしょうか。

現状で最も多く予想されているのは、①ムーキー・ベッツ、②大谷翔平、③フレディ・フリーマンの打順ですが、その打順から予想すると、「ベッショウマン」か「ベッタニマン」なんだろうなと、勝手に思い巡らしています。

普段の空き時間や移動時間で最も考えている最近の私の頭の中のご紹介でした。
どうでもよい内容で、大変申し訳ありませんm(__)m

さて、みなさんにとっては、今年はどのような1年になりましたか?

幸せな、楽しい、面白い、嬉しい、気楽な、ホッとした、心地よい、温かい、ワクワクした、愉快な、微笑ましい、満足した、感動した、印象的な、興味深い、感慨深い、すっきりした、衝撃的な、充実した、新鮮な、

不幸な、悲しい、辛い、寂しい、空しい、忙しい、難しい、切ない、凹んだ、失望した、情けない、残念な、苦悶した、困った、イライラした、退屈な、我慢の、後悔した、傷ついた、恥ずかしい

それ以外の言葉になりますでしょうか。

私は、「よくわからない」1年でした(笑)
「道半ば」という表現でも良いかもしれません。

この1年、みなさんもたくさんの想い出に残ることがあるかと思います。
思い出せるもの、思い出せずに奥底に眠っているもの、多くのエピソードや思いがあったのではないでしょうか。

決して、「対象喪失」という意味合いではありませんが、本年も終わりを迎えます。
この終わりの時期に、今一度、この1年を振り返ってどうだったか、どう感じたか、思い返してみると、充足できるかもしれませんし、そうではなくとも、課題や反省を見出せて、新年へと気持ちが繋がっていくのだろうと感じています。

その意味では、1年を振り返る行事と言えばいいでしょうか。有名な京都の清水寺での1年を「今年の漢字」で例える儀式は素晴らしいなと思います。
また、ユーキャンの流行語大賞も1年を総括し、「そんなこともあったなあ」と振り返られる良い機会でしょう。

みなさんにとっての今年1年の「漢字」1字はなんでしょうか?
みなさんにとっての今年の流行語は何だったでしょうか?

私にとっての今年1年の漢字は、「労」かもしれません。
「疲労」、「労働」、「労く」、「労い」、「労災」のような、1年でした。
心労はほとんど無いのですが、身体的な疲労が増したこと、お腹が空いてたくさん食べたことから、お腹が肥えまして、足腰の痛みに「苦労」しました(笑)
夏には仕事中に腰を痛め、約30年ぶりに椎間板ヘルニアを患いました。
「労災」は手続きが面倒臭く、止めましたが(笑)

また、私にとっての今年の流行語は、特に造語というものは無かったのですが、
「刺激が足りない」
おそらく、この言葉をずっと言っていたと思います。
昔からですが、とにかく色々な意味で「刺激が足りない」ので、
刺激が得られるように努めていこうと思う次第です。

私事はさておき、皆さんの心の中にも留められていることは多数あるかと思います。
それは、インパクトが強いもの、注意・集中しているもの、自分自身と関連づけられるもの、自身の得意な分野のものほど、頭の中に痕跡(マーキングと言えばいいでしょうか)として残ると思います。
そして、自分にとって良くないもの、悪いもの、嫌なものも、ある意味インパクトが強く、心に鮮明に残ってしまうものです。
他方、インパクトが薄いもの、自分自身とはあまり関係のないもの、あまり関心のないものほど、すぐに忘れてしまうことになるでしょう。

そういう意味では、漢字1字で表したり、流行語として表現したりして、「意味づけ」することで、しっかりと自身の中に刻まれるのだろうと思います。

ということで、今回のテーマは『「記憶」について呟いてみる』です。

この時期、受験生のみなさんも追い込みに入っているのではないでしょうか。
むしろ受験生のみなさんの方が、様々なことを覚える工夫をたくさん知っているのではないかと思います。
とはいえ、覚えることが苦手な方、覚えることが難しい方、覚えるのが面倒くさい方など、子どもから大人まで、多数いらっしゃるかと思います。

また、受験勉強の追い込みの時期にある人たちのほか、その他の資格試験に向けて勉強されている方、はたまた何かの発表をされる予定にある人たちも、覚えることはたくさんあることでしょうし、既に色々な方法で記憶されているとは思います。

こちらのコラムでも、私たちの記憶のメカニズムはどのようなものなのか、そして少しでも覚えられるようにする方法にはどのような手立てがあるのかについて、簡単に呟いてみます。

そして、少しでも覚える方法の選択肢を提供出来たら、そしてストレスの軽減やメンタルヘルスの維持に繋がれればと思っております。

ちなみに、前回のコラムまでは、「ストレス」について述べていました。下記から御覧いただけます。

【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる① 「ストレス」について

【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる② 「認知的ストレス理論」

【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる③ 「筋弛緩法」

【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる④ 「10秒呼吸法」

【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる⑤ 「リラックス法のいろいろ」

【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる⑥ 「ぬいぐるみ」

記憶

「記憶」は、人間の脳の活動の中でも、最も基本的なものとして考えられています。
そして、「記憶」については、古くから多くの研究がなされており、「記憶」の考え方も様々です。
ここでは、より実践的なことについて呟きたいため、理論的なことをごく簡単に触れていきたいと思います。

🔷記憶の考え方🔷

まず、「覚えている時間」で記憶の種類を分ける考え方です。
アトキンソン(Atkinson,R.C)とシフリン(Shiffrin,R.M)の二重貯蔵モデルと言うと、「え?何?」となるかもしれませんが、以下のような考え方です(図-1)。

図-1 記憶の二重貯蔵モデル

この考え方を見て、全く知らない方は初めての記憶となります。

この考え方を見る方の中で、例えば心理学や教育学、脳科学系の授業に出ていて、ほとんど見たり聞いたりしておらず、気にしなかった、意にも留めなかった方は、きっと感覚記憶として、既に消えている内容でしょう。

この考え方を、授業などで学び、「あ~、見たことあるな」、「何だったっけ?」と思った方は、きっと短期記憶のレベルで、この内容が留まっているかもしれません。

この考え方を見て、「これね」、「知ってるよ」、「~でしょ」と説明出来る方は、長期記憶として定着しておられる方でしょう。

この「感覚記憶」➡「短期記憶」➡「長期記憶」というプロセスを辿るためには、すなわち、しっかりと頭の中に記憶した内容を定着させるためには、「リハーサル」という行為を行う必要があります。

「リハーサル」とは心理学用語であり、「頭の中にあることを繰り返し覚えるようにすること」と言えます。長期記憶にしていくためには、この心の作業を何度も何度もひたすら行うことが求められます(精緻化リハーサルと言います)。

しっかりと勉強してテストで出来る限り良い点を取るために。
日々のスケジュールでブッキングしないようにするために。
作業や仕事の効率を良くしていくために。
人の発言を確実に覚え、信頼を勝ち取るために。
友達や大切な人の誕生日を忘れて怒られないようにするために。
などなど…。

もちろん、リハーサルをしなくとも、ツールを使って確認する方法もあるので、リハーサルが全てではありませんが、ただ大切なことを「長期記憶化」させるためには必要な心の作業ではないかと思います。

次に、「記憶内容」で分ける記憶の考え方です。

言葉やイメージによって表現出来る「宣言的記憶」と、そうではない「非宣言的記憶」で分けられます。
そして、タルヴィング(Tulving,E)によって、「宣言的記憶」は、5W1Hのような個人的な経験や出来事を説明する「エピソード記憶」と、辞書や参考書で調べる知識や用語の意味を使うために必要な「意味記憶」に分類されています。
また、思い出そうとして思い出せる記憶を「顕在記憶」と呼び、過去の体験が、私たちの現在の様々な行動に影響を与えている記憶を「潜在記憶」と呼ぶくくり方もあります。

上記を図にすると以下のようになります(図-2)。おそらくこの図も、見たことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 

図-2 記憶内容による分類

「エピソード記憶」の例としては、例えば「私は、8月に、しゃがんだら、腰に激痛が生じて、一時的に歩けなくなった」という、自身のエピソード話です(私の椎間板ヘルニアのお話です)。

この記憶は、私自身が思い出そうとすれば、嫌な記憶として思い出すことが出来ます(笑)つまり、「顕在記憶」となります。

そして、「意味記憶」は、「椎間板ヘルニア」の意味についてです。つまり、辞書に書いてあるような内容となります(診断名です)。

「手続き記憶」は、運転の方法が最も有名ですが、この流れで説明すると、「腰に負担を掛けないゆっくりそっと歩く方法」と言えますでしょうか。

これらの記憶は、意識しなくても、過去の経験から現在の行動に影響を与える記憶であり「潜在記憶」と呼びます。
すなわち、一度経験した過去の腰の痛みから自然と思い出される「椎間板ヘルニア」とそれに応じた対処法としての歩き方なのです。

例えがどうしようもなくて、申し訳ございませんm(__)m

🔷記憶と脳🔷

さて、その「記憶」を司る脳の部位は「海馬」と言われていますが、この海馬は、脳の中にある「体性感覚野」「味覚野」、「聴覚野」、「一時視覚野」といった(広義での)感覚野(図-3)や前頭連合野と結びついて、連携していると言われています。
非常に複雑な連携であり、詳細が不明なことも多いとされていますが、記憶に関わる脳の主な部位は以下が挙げられています(図-4)。

図-3 感覚野と感覚(器)

図-4 記憶にかかわる脳の部位

この中にある「前頭連合野」が、「ワーキングメモリー」の機能として、大きな役割を果たしていると考えられています。

🔷ワーキングメモリー🔷

「短期記憶」という考え方は、どちらかというと「一時的に入力した情報を保持して利用すること」に留まりますが、ワーキングメモリーは「作業記憶」と訳され、「一時的に入力した情報を保持し、整理し、統合し、そしてその実行をしていくこと」という、「全体的な記憶内容の処理」に当たるでしょう。この機能を司るのが「前頭連合野」と推定されています。

「ワーキングメモリー」については、バッドレー(1986)によるワーキングメモリーのシステム(2000年にエピソードバッファが追加)を、坂井・久光(2011)が分かりやすく図示しています(図-5)。

図-5 ワーキングメモリーのシステム

上掲の通り、ワーキングメモリーのシステムは、前頭連合野が司る中央実行系を頂点として、視覚や位置関係の情報を司る「視空間スクラッチパッド」と、聴覚や言語理解、推論を行う「音韻ループ」、そして近年では、様々なエピソード記憶を統合するところである「エピソードバッファ」によって構成されている説が提唱されています。

そして、これらの下層部には長期記憶の貯蔵庫があると考えられています。

すなわち、「視空間スクラッチパッド」から目から入る情報や空間情報が、「エピソードバッファ」からエピソード情報が、「音韻ループ」から耳から入る情報や言語情報が、それぞれ長期記憶の貯蔵庫へ送られつつ、そして思い起こされつつ、それぞれが絡み合って、私たちは記憶されたものを使いこなしています。

以上、結局、複雑な説明が続いてしまいましたが、記憶の方法にも様々あるものの、簡単に言えば、「目」と「耳」、そして「体験」的な記憶が主要な記憶方法として用いられるのだろうと思います。

記憶する方法

ごく簡単にですが、記憶について説明しました。では、どのようにしたら覚えやすくなるのでしょうか???

やはり「リハーサルすること」がしっかりと覚えるための方法にはなります。
とは言っても、「そんなこと言っても、覚えられないものは覚えられません」だと思います。だから困るんですよね。

そこで、効率的に覚える(リハーサルする)方法を幾つかご紹介してみます。
前述しているものも含め、すでに使っている方法かもしれませんが、次のことを意識して覚えると効果的と言われています(図-6)。

図-6 「記憶」の工夫策

🔷五感を使うこと🔷

他にも様々な記憶のコツがあると言われていますが、例えば単語を覚えなければいけない場合には、目で見て(視覚)、言葉に出して(聴覚)、鉛筆でノートに書く(触覚)ことをとにかくひたすら繰り返すと確実に覚えやすくなるでしょう。

何かの匂いと物事を結びつけたり(嗅覚)、晩ご飯で何かを食べている時に単語を思い出して、味と単語を結びつけたり(味覚)するのも感覚を活かしていることになります。
例えば、ケーキ屋さんの前を歩いている時に甘い匂いがしたら、「Sweet!(甘い!)」とつぶやくと嗅覚が使われていますし、カレーを食べてる時に「Hot!(辛い!)」と叫ぶと、味覚が活かされることになります。

図-3でも掲示した「五感」を用いることは、記憶する工夫として大いに役立つと思われます。

🔷知能検査から考えられる覚え方の工夫🔷

私は、子どもや大人の知能検査を取ることが度々あります。知能検査と言っても、それで病気や障害が分かるということではありません。
ご自身の発達面の特徴、すなわち長所として伸ばしていきたい特徴と、課題として何か工夫を凝らして改善していきたい特徴を、幾つかの項目に分けて数値化することで理解していこうというものです。

その検査でも、発達面の特徴の1つとして挙げられているのが、「ワーキングメモリー」となります。
「ワーキングメモリー」は、前述した通り、様々な機能・役割を有しています。個人的には、裾野が広く、多くの能力に影響があるなあと感じています。
短期記憶力もそうですが、注意・集中力、計画すること(プランニング)、意思決定、社会性など様々な能力と関連していますし、影響を及ぼしています。
その「ワーキングメモリー」の程度によって、ご自身の能力についての理解はさらに深まると思います。
同時に、「ワーキングメモリー」以外の発達面の特徴とのコラボレーションによって、記憶する工夫にも幅が広がっていくでしょう。

検査内容については触れられませんが、検査を通じて、記憶についても、こういった工夫が出来るということを、ここでは軽く呟こうと思います。

🔷一度に取り入れる情報を少なくすること(2~3個にすること)

多くの情報や複雑な情報を一度にたくさん覚えようとしても、よほど記憶に優れた方でないと、情報全てを覚えることは難しいと思います。
たくさんの情報があったら、それぞれを箇条書きにするなど分けてみる工夫を行うことが一案です。
また、複雑な情報だとしても、情報を分けて1つ1つのまとまりに分けて、覚えようとすることが大切となります。

🔷ノートやメモ帳、付箋などに書き留めること

耳から入る情報を覚えにくい人は、ノートやメモ帳、付箋と言ったものに、簡単に書き留めておくことが一案です。当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、なかなか出来ない方も多いと思います。
書くことそのものの習慣が無い方もいますでしょうし、書いたものをどこに置いたか忘れてしまうパターンもあるかと思います。
それも含めて、書き留めるものとして、大きく見出しをつけて、すぐに目に留まるところにノートやメモ帳、ホワイトボードなどを用意しておく習慣をつけておくことも大切でしょう。
その際、やはり置いておくとどこにやってしまったか分からなくなるなどがあれば、最近ではリマインダー機能のついたアプリ(PCでもスマートフォンでも)やウェアラブルメモ(腕時計やネックレスのように身に付けるメモ)といった便利なツールが有用されています。

🔷耳と目の両方から情報を取り入れていくこと

例えば、耳から、あるいは目からの情報だけでは覚えにくいという場合には、両方の感覚を用いる意識を持つことが大切です。
例えば、耳で覚える方法(読み上げ機能付のアプリや特別支援ツール、自身の記憶用としてのレコーダー、言葉や音で伝える工夫など)と、目で覚える方法(ノートなど、フローチャートや図、イメージ、ロールプレイなど)の併用を行うなどです。

🔷他者からの指示や依頼は、聞くことに集中出来る静かな環境で行われること

耳からの情報が入りにくい人にとっては、周囲に雑音や騒音、異音や声などがあると適切に情報が入りにくいです。そのため、出来る限り刺激の少ない個別な環境で、情報の聴き取りをすることが大切となります。
その際は、情報を得る相手にも、自分の特徴について伝えて、静かな場所で話してもらうことの協力を得ると良いでしょう。

🔷暗記する時には、目を瞑り、目からの情報をシャットアウトして、唱えて覚えること

前述の静かな環境とリンクする話ですが、目からの情報がたくさん入りやすい方にとっては、周りの雑多な情報によって、記憶が遮られる可能性があります。何も掲示されていない、誰もいない場所で、極力目から入る情報を抑えて、記憶したいところですが、もしそういう環境が無ければ、覚える際に目を瞑ることも大切なことでしょう。

蛇足ですが、私は、競馬を良く観ています。馬がレースで集中して走れるようにするために、ブリンカーやシャドーロール、そしてチークピーシーズといった器具があります。
人が装着するものではないですが、しかしながら、例えば、人が勉強する時、集団場面で集中したい時とかに同じようなものがあるならば、集中力の向上に繋がるのではないかと想像しています。それらの器具には、かなり有効なエッセンスが盛り込まれていると思っています。

確かにイヤーマフ(聴覚補助ですが)とか集中を促す眼鏡など既に使われているものもありますが、いつの日か、人が馬と同様なものを自然と身に付けてもおかしくないような状況が生まれるといいなと勝手に思っています。

🔷適切に聴き取りが出来ているかどうか、周囲とご本人で確認する時間を設定すること

1人で記憶出来ているかどうかが判断つかない時には、やはり周囲の協力が必須です。記憶をする際には、一緒に誰かにいてもらい、後でどの程度覚えているか、この内容で間違いないかなどを確認し合うことも大切なことです。

🔷時間を掛けてゆっくり覚えること、再確認の時間を設けること

一度では覚えられなかったり、覚えるのに時間が掛かったりする場合があると思います。そのためには、覚える人にとって、覚えやすいペースやリズムが大切になります。まずはそのことについて周囲と話し合い、覚える時間や再確認の時間の確保をしっかりと行うことが重要でしょう。

🔷ご自身の中で、「入れる」、「しまう」、「置く」場所などを1ヶ所にルールとして決めておくこと

普段から使う物用や提出物用、あるいはタスクとなっている物用などをバラバラに置いておくだけで記憶しにくくなります。そのため、色分けやBOX別といった一目瞭然で分かるような「まとまり」を作り、必要な物事に配置・収納するなどの工夫をすることで、記憶の向上に繋がると思います。

🔶さいごに🔶

他にもいろいろな方法で記憶することが出来ると思いますが、大切なことは自分にとって一番分かりやすい方法で覚えることです。

自分たちで、物を覚えやすい方法について、グループで集まって1時間くらい授業でも会議でも話し合っていくと、多くの気づきが得られると思います。

そして、色々なことを試して、覚えようと意識づけをする習慣を身につければ、確実に覚える工夫策が増えるのではないかと感じています。

ちなみに、睡眠をしっかり取ることも覚えるためにはとても大切なことです。大谷選手は記憶の観点で主張している訳ではないですが、やはり睡眠をしっかりと取ることが、何事にも効率を上げることに繋がる大きな金言なのだと、大谷選手の発言から連想しています。
この年末年始、皆さまが僅かながらでもゆっくり休められる時間があることを祈念しております。

そして、今年も最後までコラムをお読みいただき、本当にありがとうございましたm(__)m
来年もみなさまのご一読する時間が無駄なものとならいなように、少しでも有用なコラムを作成していけたらと思う所存でございます。

来年がどのような1年となるのか、少なからず今年のような争いが各地で起きないことを、続かないことを祈るばかりです。

それでは、みなさま、良いお年をお迎えください。

🔶参考文献🔶
●坂井建雄・久光正 2011 ぜんぶわかる 脳の事典 成美堂出版

●土田, 幸男; 室橋, 春光 2017 ワーキングメモリと学習方法の関連性 子ども発達臨床研究 2017 第9号

●Baddeley, A. D., Allen, R. J., & Hitch, G. J. (2011).Binding in visual working memory:The role of the
episodic buffer.Neuropsychologia, 49 , 1393-1400

🔶お知らせ🔶
親子関係の問題、お子様とのかかわり方、育児、DVのほか、発達段階(幼児期、児童期、思春期、青年期、壮年期)、発達面の課題、非行、ひきこもり、ストレス・不安・躁うつ・強迫・依存など様々な精神症状に関すること、自己理解、対人スキルといった個人や関係性に関わる内容、不登校、いじめ、特別支援、高校への進路支援など学校と関連する内容など、様々なご相談に対応させていただきます。

昨今、ポスト・コロナの時期において、閉鎖的な風潮が今だ続いている中、お1人に悩まれ続け、辛い思いをされている方も多くおられると思いますが、1人で抱え込まず、誰かに吐きだして、少し軽くなったり、気持ちに余裕が生まれたりしていくことも時には必要かもしれません。

人それぞれ必ずご自身で考える力は備えられています。しかし、精神的に余裕がない時には、その力を発揮することが難しくなります。ちょっとだけ、ゆっくり、じっくり、のんびりと、呟いたり、ご自身と見つめ合ったり、共有したりすると、ほっこりと、リラックス出来て、ご自身の感じる力や考える力が身についてくれれば何よりです。

何か思うところがありましたら、いつでもご相談をお受け致します。

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Writing by 安澤 好秀

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