🔶はじめに🔶
こんにちは。所属カウンセラーの安澤です。
夏の終わりから1ヶ月。
子どもたちは、学校生活を含む日々の暮らしとそのリズムに戻そうと努めてきたことと思います。
生活リズムは慣れてきましたか?むしろ疲れてきた頃でしょうか?
大人は、長期休暇の無い方が多いでしょうが、やはり季節の変わり目で、気温の変化や夜の時間が長くなるこの時期、体調管理が難しいかと思います。
とはいえ、気候変動によって、天候が目まぐるしく変わり、高温化している実状の中で、これまでの、残暑の、涼し気な、「秋」を感じられなくなってきたと思うのは私だけでしょうか。
とある報道番組で、異常気象についての研究者が「季節が2季化していく」ことを話していました。夏か冬ということでしょうが、正に季節の移ろいがなくなり、「秋」というプロセスを感じられなくなっていくことは、大きな心配ですね…。
季節の移ろいによって、心の移ろいも“徐々に”、“ゆっくりと”“ゆったりと”変化していくのでしょうが、
この“徐々に”“ゆっくりと”“ゆったりと”というペースがなくなり、心の変容も二極化していくとなると、かなり私たちの心にも負荷を掛けるプロセスになるのだろうと感じます。
季節の二極化は、心の二極化をも促すことでしょう。
そう考えると、色々と思うこともあるのですが、、、
ここではひとまず懸念を表明する程度としておきます。
むしろ「秋」の風情を感じられるものは他にもあるわけです。昨年も申し上げましたが、
「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」というように、様々な方法で「秋」を感じることが出来るわけです。
私は、「食欲の秋」と「歌唱欲の秋」と昨年主張しましたが、今年も変わりません。
特に、「歌唱欲」はさらに上昇中で、最近は一人カラオケの頻度が高まっており、あの一人カラオケの空間と時間は、かなり私を満たしてくれています。
みなさんは、何でこのストレスと疲労が溜まっていく時期にご自身を満たしていますでしょうか?
ちなみに、昨年の9月のコラムでは、私自身のしょうもないその「歌唱欲」から派生させた「音楽を聴くこと」、「歌を歌うこと」から得られるリラックス法をテーマとして扱いました。
➡【学齢期の子どもの心理】『「聴くこと」と「歌うこと」』について空想してみる
そして、今回は、『「ストレス」について触れてみる』第5弾として、その他の「リラックス法のいろいろ」について述べます。
9月というストレスと疲労のたまる時期には、昨年同様、私のしょうもないエピソードを添えた内容を扱っても良いではないかと思い込みまして、勝手にそうすることにしました(笑)
ちなみに、前回までの『「ストレス」について触れてみる』のコラムは下記からも御覧いただけます。
【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる① 「ストレス」について
【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる② 「認知的ストレス理論」
【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる③ 「筋弛緩法」
【学齢期の子どもの心理】「ストレス」について触れてみる④ 「10秒呼吸法」
リラックス法のいろいろ
『「ストレスについて触れてみる」』を通じて、①ストレスについて、②認知的ストレス理論について、③ストレスコーピングとしての「筋弛緩法」、④ストレスコーピングとしての「10秒呼吸法」を取り上げてきました。
ストレスコーピング、すなわちストレスを軽減、緩和させるための対処法やリラックス法となるものは、他にも多数存在します(図-1)。
色々と想像してみると、上記のようなものがすぐに思い浮かびます。
本当にリラックス法は多数存在しますし、もっと言うと、人それぞれリラックス出来るものは無数に存在するのだろうと思います。
上記に取り上げたものの中には、著作権に関わるものもありますので、名前のみで留め、詳細は各自で調べていただくのが良いかと思いますが、誰かにとって、どれかが必ず効果的に作用するものだろうと感じます。
未然予防でも良いですし、緊張と不安が高い時、ストレスが蓄積され出している時の軽減策にも良いでしょう。
私自身も上記に挙げたものを度々用います。
前回までに取り上げた「筋弛緩法」や「10秒呼吸法」は適宜行います。また、「タッピングタッチ」も子どもたちや職場の同僚と、そして、セルフケアとして1人で、指先の平らなところで身体をトントン、ポンポンして、心にリラックス効果を与えたりすることもありました。
内観法
「内観法」も心を鎮める一つの方法です。
内観法は、もともと浄土真宗の信者の中で行われていた「身調べ」という求道法をベースにして、吉本伊信が発展させた心理療法です。
過去から現在までの人間関係、重要な他者との関係での自分自身の態度やあり方について内省して、自分の中にあるこだわりや他者への認知を再構成する方法と言えます。
具体的には、重要な他者に、①「してもらったこと」、②「して返したこと」、③「迷惑をかけたこと」について、振り返り、内省していくプロセスを体験します。
日常から隔離された場所で最低1週間程度誰と交流しない場面で行う「集中内観」と、日常生活で1~2時間ほど内観を行う「日常内観」があります。
私自身、中学校3年生の時に、担任がある時から「日常内観」的なものを取り入れたことを覚えています。朝の会で半分に切り取られたノートを渡され、クラス全体で1年間やり続けました。親に対して、①~③について毎日書いていました。嫌々な気持ちもありましたが…。
10年後に「内観法」を知り、「あの時のか」と気づきましたが、今でも何となくその内容は覚えていて、自分自身の重要な他者への態度を自覚するきっかけになったことは間違いありません。
今では、産業領域や学校、病院臨床でも導入されていますし、自身の気持ちを整理して、癒し効果をもたらす方法となっています。私もまた機会があればやってみようと思っています。
座禅
少し蛇足な話になり、大変失礼な内容になってしまいますが…以前、座禅を経験したことがあります。
お寺で40分程度、目を瞑り、正しい姿勢で、静かに座り続けたことを覚えています。
座禅の体験そのものは、適切な場で、適切な時間、住職による喝、即ち「文殊菩薩の励まし」もありました。立派な座禅の経験が出来ました。
ただですね…
これは今から10年前に遡りますが、当時「街コン」というコンパが流行していました。私自身、「街コン」での出逢いというよりは、企画ものの「街コン」に参加して、その企画を楽しむという目的が強くありました。
ある意味「知性化」、ある意味「否認」の防衛機制が働いていると思われるのですが(笑) その「街コン」の1つに「座禅コン」というものがあり、友人と参加しました。
その街コンの企画は、「座禅を通じて出逢いを作る」というもので、まさかのお寺で合同コンパが行われました。
まず、お寺の一室で、座布団が一列に並べられて、男女が対面式に座り、1分程度の自己紹介を行い、隣の座布団に移っていく回転式の自己紹介スタイルを40分程度行いました。
続いて、住職が部屋に訪れて、「それでは本堂に参ります」と、全員を本堂へ案内します。そして、皆がお釈迦様を前に、静座して、精神修養を行います。
精神修養中に、私自身が終始感じていたことは、「僕はいったい今何をしているのか」、「この後どうなるのか」、「様々なことが浮かぶ今の自分は精神修養が出来ていないのではないか」でした。ずっと考え続けていたのを覚えています。
もはや心は静まりません。
座禅終了後、また一室に戻り、6つのテーブルに座布団が6枚程度用意され、テーブルの上には和菓子が置かれているわけです。
交流会です。
私は2つのことを思いました。
1つは、「煩悩だらけじゃないか」と。
2つ目は、「何を話せばいいんだ」と。
そこにある和菓子を、つまみながら、静かな雰囲気に対して、最後にもう1つだけ思いました。
「法要…」
この企画は強烈でした。
決して、座禅を否定するものではなく、当時この企画を受けていたお寺の住職様は、むしろ座禅を広げる意味でも非常に歓迎されていて、融合された企画に喜ばしい印象を抱かれていました。
私も全く否定する感覚や意識は無く、むしろ趣のある内容に感じました。
他方、独特な企画で強いインパクトが残りました。
そもそも「煩悩だらけ」になる前提の「煩悩を捨てよ」という取組みが、非常に精神修養を行う者に、ヘビーさをもたらすものだと痛感させられる刺激的な企画でした。
それはそうと、座禅そのものは、自身の気持ちを鎮めるための大切な機会となりえます。その機会は、心の癒しに繋がる方法として、非常に有意気な時間であり空間となることでしょう。
🔶さいごに🔶
今回は、「リラックス法のいろいろ」をご紹介し、私のしょうもないエピソードも添えて、「内観」と「座禅」について述べてみました。
内観は、「日常内観」であれば、比較的生活場面で実施しやすいので、気持ちを整理する意味でも試してみると良いかと思います。
座禅は、実際にお寺で行う場合には、なかなかすぐに出来るものではないので、利便性には欠けるものかもしれませんが、内観の「集中内観」同様に、異空間で行えるものであり、本格的に気持ちを鎮めるには有意義な方法だろうと思います。
機会があれば、ぜひやってみてくださいね。
本当は、もう1つエピソードを絡めながら、リラックス法といいますか、リラックス出来るものとして間違いなく重宝されているものについて、しょうもないエピソードを交えながら述べていこうと思ったのですが、何気に文章量が多くなりまして、「まとめ」と共に、次回に回したいとおもいます。
とういうことで、しょうもないもので良ければ、ぜひご一読ください。
また次回まで!!
🔶お知らせ🔶
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昨今、コロナ禍で閉鎖的な風潮が加速化する中、お一人に悩まれ続け、辛い思いをされている方も多くおられると思いますが、一人で抱え込まず、誰かに吐きだして、少し軽くなったり、気持ちに余裕が生まれたりしていくことも時には必要かもしれません。
人それぞれ必ずご自身で考える力は備えられています。しかし、精神的に余裕がない時には、その力を発揮することが難しくなります。ちょっとだけ、ゆっくり、じっくり、のんびりと、呟いたり、ご自身と見つめ合ったり、共有したりすると、ほっこりと、リラックス出来て、ご自身の感じる力や考える力が身についてくれれば何よりです。
何か思うところがありましたら、いつでもご相談をお受け致します。
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