COLUMNコラム

【こどもまんなか社会を目指す】①こども家庭庁の成り立ちと役割

こんにちは、所属カウンセラーの古宇田です。

早速ですが、「人新世」という言葉を聞いたことがありますか?私は最近知ったのですが、読み方すら分からず、某アニメの新作なのかと思ったくらいです。調べてみると・・・今を生きる我々にとても関係している言葉でした。

21世紀以降を「人新世(じんしんせい、ひとしんせい)」という時代区分として捉えようと提唱されています。この「人新世」という言葉は、人類が地球の生物圏や環境を大きく変え、地球規模の変動に大きな影響を与えている「ヒト中心の時代」を指す言葉として使われています。そのため、古代の農民が穀物を育てるために森林を伐採した8000年前からだとする説もあり、その始まりは研究者によって今も議論されています。

コロナによるパンデミック、気候変動、生物多様性の喪失、デジタル技術の進歩、近年これらが顕著になる背景には人が関係しています。さらに人々やモノ、情報の流れを通じて、社会がお互いのつながりを深める中で、「人新世」は持続可能な開発目標(SDGs)が提起する人類社会の将来展望とも深く関わっています。

話が大きくなり、子どものこころと向き合うコラムなのに大丈夫かと思われるかもしれませんが、こうした話は、決して子どものこころとかけ離れたものではありません。

SDGsには、地球にさまざまな影響を与えた人類の動きを今一度見直し、これからも人が安心して安全に暮らしていける地球にしていこうという思いがあります。さまざまなSDGsの掲げる達成目標から、子どもの人権を改めて考え、これからの日本における「こどもまんなか社会」という目標につながったのではないかと考えています。

今回から、その「こどもまんなか社会」を目指すために設置された、こども家庭庁やこども基本法についてお伝えしていきます。

 

【こども家庭庁を作る理由】

こどもや若者が自分らしく成長できる社会を目指すために2023年の4月1日にこども家庭庁ができます。こどもや若者が、自分らしく健康的に、そして幸せに成長できる社会にしていくために、社会全体で支えていくことが目指されます。

今までは大人が中心となっていたかもしれません。そうした世の中を「こどもまんなか社会」へと変えていく司令塔、国の新しい組織としてこども家庭庁は作られることになったのです。

こども家庭庁を作るための話し合いには、こどもの視点に立って、何を大事にするのか、政府は何をする必要があるのか、こどもの問題を考えてきた大人、そしてこどもや若者の支援をしている人などが集まる有識者会議で話し合われました。こども家庭庁の基本方針を総理とすべての大臣がメンバーの閣議で決めましたが、そこにはこどもの意見も反映されているのです。

 

【こども家庭庁の役割】

こども家庭庁は、いつどんな時でも、こどもにとって何が大切かを、こどもの目線で考えて、政府の仕事をリードしていく役割を担います。これまで、こどもに関係する仕事は、政府のいろいろな省や庁が別々に行ってきました。これからは、こども家庭庁が政府の中のこども政策全体のリーダーとなるのです。

こども家庭庁には、こども政策を担当する大臣がおかれます。その大臣は、他の大臣が担当する仕事、例えば文部科学省が担当する学校の仕事などに対して、十分ではないとき、もっと良くするように言うことができます。

また新しい課題などに対応もしていきます。社会の変化によって、次々に新しい課題が出てきています。こども家庭庁ができたとしても、沢山の課題がでてくることでしょう。これまでなかった課題、どの省庁が担当するかはっきりしなかった課題や対応が十分ではなかった課題に取り組みます。

こども家庭庁自身が、まずはこどもが健やかに成長するための取り組みや困っているこどもへのサポートをしていきます。

「こどもまんなか社会」の主役は、こども若者です。そのため社会を作る一員として、沢山の声を大人へ届ける必要があります。そうした声を受け止める場所の代表として、まずはこども家庭庁がその役割を引き受けていくのではないかと考えます。

またこどもたちの意見を聴くために、こどもや若者が参加し、意見を伝える仕組み作りに、さまざまな工夫をしていくことでしょう。実際、こどもや若者からの意見を聴き、たくさんのアイデアをもらい、有識者会議の報告書や基本方針にも反映されています。

これからのこどもに関する政策を決める際には、こどもが政府に分かりやすく情報を伝え、政府に意見を送れるようにする仕組みも作られ、いわゆるパブリック・コメントを活用して、広くこどもの意見を集めることにも力を入れていきます。

今後、こどもに関わる仕事や大人には、今以上にこどもの意見を聴き、その声にどのように応えていくかということが当たり前になる世の中になっていくのだと思います。

 

【終わりに・・・】

今回はこども家庭庁についての成り立ちをご紹介しました。

こどもの声や意見を今まで以上にしっかりと聴くこと、そうしたこどもの声を大人へ届けるためにまずはこども家庭庁が仕組み作り、これからの「こどもまんなか社会」を目指すための動きが具体的になされていくことでしょう。我々もその一員となって、こどもと向き合っていきたいものです。

次回コラムでは、さらにこども家庭庁がどのような政策をしていくのかなどをお伝えしながら、一緒にこどものこころと向き合うということについて考えていきたいと思っています。次回も楽しみにしていてください。

【参考資料:「こども家庭庁について」内閣官房こども家庭庁設立準備室・2022】

【こどもまんなか社会を目指す】コラムシリーズはこちらからご覧になれます。
【こどもまんなか社会を目指す】②こども政策とこども家庭庁が大切にする3つの姿勢
【こどもまんなか社会を目指す】③こども家庭庁の体制
【こどもまんなか社会を目指す】④子ども基本法とは・・・

コロナ禍に限らず、さまざまな社会生活の変革という過渡期での不安やストレスは、さまざまな形で表出されることがあります。ポジティブな考えを持つきっかけとして、そして安心・安全な人との関わりを通して生きる力を養うサポートもカウンセリングの一側面とも考えています。子育てや子どもの抱える不安やストレスに関してのご相談もお受けしております。

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Writing by古宇田エステバン英記

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