COLUMNコラム

【学齢期の子どもの心理】子どものストレスのあらわれ方

《はじめに》
所属カウンセラーのY.Yと申します(実名非公開)。
前回のコラムをお読みいただき、ありがとうございました。
こちらからお読みいただけます)
今回も、子どもたちとのかかわりから学んだ内容を取り上げます。

第2回は、「子どものストレスのあらわれ方」です。
子どもが何らかの出来事を通じて、心に葛藤(モヤモヤしたもの)を抱えることがあります。
そのモヤモヤしたものはその後どうなってしまうでしょうか?

子どもは、大人と比べて知っている言葉の数が絶対的に少ないです。
また、「親に迷惑をかけてはいけない」とか「先生に言ったら怒られる」とか、「話したら友達にいじめられる」といった気持ちから、思っていることを我慢して言わないことがあります。
さらには、ひとりひとりの子どもの特性によっては、気持ちを言葉に変えて表現することが苦手な場合もあります。

これらの事情から、子どもは自分の気持ちを言葉以外の方法で、意識的にも無意識的にもあらわすことがあります。
「子どもの心の問題のあらわれ方」については、様々な視点やカテゴリで述べられています。
例えば、児童精神科医の傳田健三(2016) は、6種類の視点(情緒的な症状・行動上の問題・身体症状・精神病症状・発達の偏り・神経性習癖)であらわしています。

私も、子どもたちと関わってきた中で、ストレスのあらわれ方を、簡単に理解出来るよう、4パターンに分類して共有してきました。
たくさんあり過ぎても、複雑過ぎても分かりにくいので、簡単にまとめると理解が深まります。

【ストレスをあらわす4パターン】

●内側にため込み続けるパターン
もともと物静か、引っ込み思案な場合には、何か嫌なことがあっても、周りの人たちに言わず、我慢をし続けます。
あるいは、無意識に心の奥底にしまって、忘れようとします。
このタイプは、ため込み続けた結果、以下の状態になりえます。

①我慢し続ける。
②別のことに意識を向ける。
③気分が落ち込んでいく。
④ストレスの少ない世界(ネット・ゲーム・SNSなど)に逃避する。

①と②は、子どもも自分で何とかしようと頑張っています。
これは、どのパターンであれ、最初に行うことでしょう。
③になると、だんだんと心も身体も疲れてきています。
この状況が続くと、気分が優れず、日々楽しくなくなったり、何でも面倒くさくなったりします。
周りから見ると、何となくいつもよりも元気がない様子、穏やかではない様子に見受けられます。
最近多いのが④の状態です。
ストレスに対して、受け止める余裕がない時や向き合いたくない時に、自分の思い通りになる世界に逃げたり、楽しいことしかやらなかったりします。
これは、ネットやゲーム、SNSへの依存度が増していくことに繋がります。

総じて、この内側にため込み続けるパターンは、どんな形であれ、自分自身をストレスから殻で覆う方法と言えます。
この状況が続いていくと、不登校、ひきこもり、うつ、対物(ゲーム、ネット、SNS)依存の方向に向かっていく可能性があります。

図2

●外側に出していくパターン(自分以外の対象に向かう)
自己主張が強い、すぐに怒る、人に当たりやすい、そして感情を抑えることが出来ない人は、ストレスに感じた時にその気持ちを外側にぶつけてしまうことがあります。
ぶつける形には、以下の3つが挙げられます。

①暴言(バカ、死ね、うざい、きもいなど傷つく発言)
②暴力(殴る、蹴る、叩く、押すなど直接人が怪我するような行為)
③物に当たる(人には当たらないが物を壊したり投げたりする行為)

①と②は相手の心に大きな傷を与えます。
さらに②は相手の身体に直接攻撃して傷つけます。
③は直接的な人への被害は少ないですが、周囲への威圧が大きく恐怖心を与えます。

このパターンは、一時的に気持ちがすっきりしますが、自他共に嫌な気分がその後も残ります。
感情のコントロールが難しく、気持ちの整理、そして内省することが難しいため、「行動化」して外側にエネルギーを発散して、自分の身を守ろうとします。
この状況は、子どもの喧嘩、いじめ、非行、そして傷害といった行為に及ぶリスクがあります。

図3

●自分自身に向かっていくパターン(自分に向かう)
自分を強く責めたり、嫌悪感を抱いたりするなど自己評価の低い場合、その気持ちが膨らんでいき、何もかもが嫌になった場合、「死にたい」気持ちになった場合などに、以下の方法などで自分自身を攻撃しようとします。

①自分を責める
②自分が全て悪いと結論づける
③自分を傷つける

①や②はとにかく「自分がいけない」「自分が悪い」と自身に言い聞かせている状態です。
感情的にも思考的にも自身に否定的な原因を結びつけます。
③は、①と②がエスカレートして自傷行為となります。
リストカットや頭部の打ちつけなどがあてはまります。

このパターンは、否定的感情を抱くことについては、前述した「外側にエネルギーが向かうパターン」と類似していますが、エネルギーが自分自身に向かうことについて決定的に異なります。
また、「行動化」ではあるものの、様々な感情について自責的、被害的になりやすいです。
自分自身を傷つけることでストレスな状態を忘れ去ろうと試みたり、瞬間的に苦から開放されようとしたりします。
この状態の行く末は、希死念慮(「死にたい…」といった気持ち)や被害念慮(「私が全部いけない」「私が全部悪いんだ、みんなそう思っているに違いない」といった気持ちなど)、何度も繰り返すような自傷行為に発展するリスクがあります。

図4

●身体症状と化していくパターン(身体に出る)
緊張や不安が強い、もともと身体症状が出やすい、疲れやすい、我慢しやすい傾向の人などは、ストレスをため込み続けた後で、頭痛や腹痛といった様々な身体症状にあらわれることがあります。
他のあらわれ方に比べると、意図しない形で生じえます。

①不定愁訴(頭痛、腹痛、めまい、吐き気など)
②神経症状(チックなど)

①も②も、子ども本人がコントロールできないレベルでのストレスのあらわれ方です。
このパターンは、気づかぬうちにストレスをため込んでいく中で、上手く心身のバランスが取れない場合があります。この状態が続くと、心身症に展開していく可能性があります。

図5

以上、ざっくり表現すれば、不登校(内側へのエネルギー)、非行(外側へのエネルギー)、自傷行為(自分に向かうエネルギー)、身体症状化(エネルギーが身体の部位に出てしまう)の視点で説明しました。
最後に、今回のまとめと共に、子どものストレス4パターンを振り返り、ストレスがあらわれた時の心構えについて載せます。
ご参考にしてみてください。

【まとめ】
●子どものストレスは、言葉で表現されにくい。
●子どもは、言葉の代わりに4つのパターンでストレスをあらわす。
●大人は、4つのパターンを子どものSOSのサインとして見逃さないようにする。

図6

図7

子どもがストレスをあらわした時の具体的な手立てについては、これからのコラムで説明していきます。

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傳田健三・氏家武・齋藤卓弥 編著(2016)子どもの精神医学入門セミナー 岩崎学術出版社

 



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Writing by Y.Y

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