COLUMNコラム

【遊びをもちいて子どもとの関係を育む方法】②アテンディングのためのガイドライン

こんにちは、所属カウンセラーの古宇田です。

私が個人的に気になっているトピックに、こども家庭庁が行う「こども若者★いけんぷらす」というものがあります。これはこどもや若者が様々な方法で自分の意見を表明し、社会に参加することができる、新しい取組みとして紹介されています。この取組に参加して、こども・若者にかかわる様々なテーマについて広く意見を伝えてくれる「ぷらすメンバー」を募集していて、小学1年生から20代の方であれば、だれでも、いつでも登録できます。気になる方は、ご自身のお子さんや身近にいるお若い方に伝えてみてはいかがでしょうか。
詳しい内容については“「こども若者★いけんぷらす」について”というサイトがありますので、ご確認ください。

前回のコラムでは、フォスタリングチェンジ・プログラムについて、そして肯定的な注目である「アテンディング(子どもが適切な行動をしているときにそれに注目する方法)」についてお伝えしました。詳しくは前回コラムをご覧ください。
【遊びをもちいて子どもとの関係を育む方法】①肯定的な注目による子どもへの関わり

さて今回は、前回に引き続き「遊びをもちいて子どもとの関係を育む方法」から、子どもとの関わりや子育てのヒントになるトピックについてご紹介したいと思います。大人が遊びを通して子どもと関わる際の「アテンディングのためのガイドライン」について見ていきたいと思います。

【遊びを通して子どもと関係を育むためのスキル】

おそらく、子どもへ肯定的な注目を与える方法には、誰もが思い浮かぶ方法として「遊び」があるのではないでしょうか。遊びを通して子どもは、自分自身を取り巻く世界について学習すると言われています。

遊びは、単に楽しい時間を過ごすことに限らず、創造性・言語学習・認知的スキル・身体の運動機能などあらゆる子どものスキルが発達するための機会を与えてくれます。また、多くの社会的な状況についての学習の機会も提供してくれます。例えば、遊びの中で順番を守ること、協力したり、相手に共感したりと対人関係におけるコミュニケーションを発達させてくれます。

遊びの重要性を認識して、遊びの中で子どもと関係を結ぶ機会を作ることで、子どもに肯定的で、支持的な注目を与えることができます。このような肯定的な遊びの経験は、子どもの心に喜び、温もり、親密さの感覚をもたらします。

【アテンディングのためのガイドライン】

前回もお伝えしましたが、取り組みやすいアテンディングの方法として、子どもが遊んでいるときに一緒に時間を過ごすこととされています。理想的には、アテンディングのために1日10分間ほど子どもとの大切で特別な時間として空けておくとよいでしょう。アテンディングは意識して子どもと関わるスキルであるため、慣れてきたら、1日を通して単発的に何度も使うこともできます。

そのためには、子どもが遊んでいるときに大人がサポートする側として接することが必要です。10分間という短い時間に子どもへの注目を最大限にすること、そして以下の項目は大人が子どもへ取ってはならない行動、姿勢なので、まずは心に留めてください。

【アテンディングのための大人がとってはいけないNG行動・姿勢】

・子どもへ質問をすること。
・子どもの遊びの主導権を握ること。
・大人から子どもへ指示を与えること。
・子どもに対して批判的なことを言うこと。

これら基本的な大人側の姿勢を前提として、次に子どもと遊ぶ際にどのように大人が関わることでアテンディングを最大限活かせるのかを見ていきましょう。

【アテンディングのためのガイドライン】

・子どものリードに従う。
子どもが遊びに夢中になるためには、うまく遊びができるように子どもを導くことはせず、子どものリードに従う必要があります。これは子どもが自立して考え遊ぶ力を成長させることにもつながります。ついつい大人の多くは、子どもに対して、教えること、指示を与えること、修正し改善することに慣れがちです。そのような姿勢では大人がすべきと思っていることへと子どもを誘導することになり、子どもの考えや創造性に寄り添うことを難しくさせてしまいます。

・子どものすることを真似る。
主導権を握ることなしに、子どもの行動を真似てみましょう。例えば、子どもが砂場に人形を埋めてみたら、一緒に人形を埋めてみましょう。そして子どもから「こうしてもらいたい」と頼まれたら、理由を聞いたりしないで、子どものリードに従ってみましょう。

・子どものペースで進む。
子どものペースで遊びを進めていくには、子どもが十分にその遊びの意味を汲み取るまで、何度も繰り返される遊びに付き添ってみましょう。なぜなら子どもは何度も繰り返す遊びを通して、そのことを完全に「マスターした」と感じたいからです。その気持ちを充足させてあげることが大切です。大人にとっては延々と続く遊びに、つい口を出してしまいたい気持ちがこみ上げることでしょうが、別の遊びへ誘導しないように気をつけましょう。

・子どもが出す合図に敏感になる。
子どもが遊びにあまり興味を示さない時には、子どもがしてみたいことへ促してみてください。また遊びは目的指向である必要はないので、うまくやれること、人を楽しませることを期待されていると子どもに感じさせないことも大切なことです。そうしたことを考えながら、子どもが出す言動に注意深く耳を澄ませてください。

・主導権争いは避ける。
遊びは子どもに自身のコントロール感を満足させる機会を与えてくれます。こうした体験を通じて、自己効力感や独立心を育むとされています。子どもの遊びを邪魔して、やる気を削ぐような行動は控えましょう。子どもが遊ぶことよりも大人が遊ぶ内容が目立たないようにすることが必要です。そのためボードゲームのような競争や勝ち負けのある遊びはあまりアテンディングには適していないとされています。仮に勝ち負けのある遊びであったとしたら、大人はルールを教えたり強制せずに、むしろ子どもが勝つためにルールを破ったとしても、それを問題にすることはしないようにすることがアテンディングでは大切とされています。

・創造性を促す。
アテンディングにおいて、大人は決して子どもを評価したり、修正したり、言い合いをしてはいけません。大切なのは遊びのプロセスや探索であって、立派な作品を作り上げることではありません。仮に遊びが大人にとって意味のないものに思えたとしても、子どもの遊びの創造性を信じて、温かい気持ちで見守ることが大切です。

・想像的な遊びを促進する。
空想やごっこ遊びは象徴的な思考を発達させると言われており、子どもはそれを通じて少しずつ、現実とファンタジーの区別をつけることができるようになっていきます。遊びの中でさまざまな役割を演じることで、自分以外の人間の認識や感情に触れる試みから、社会的スキルを練習するとも考えられています。

・注意深い観客になる。
子どもと一緒に遊ぶ際には、子どもに焦点を合わせることに集中し、大人自身の遊びに集中し過ぎないようにしましょう。子どもが遊びを通して表現することは、自分自身を表出していることでもあり、子どものすることを楽しみ、褒めてみましょう。子どもはこれまでにない特別な感情を経験し、注意深く見守ってくれている大人からの眼差しに喜ぶことでしょう。

以上のようなアテンディングをする上での大人の姿勢は、子どもが楽しく豊かな時間を過ごすことができる遊びを提供してくれることでしょう。またほとんどの子どもが、大人が子ども自身と子どもがしていることに興味を持ってくれているとき、励まされ、自信を持ちます。大人からの肯定的な注目という経験は、子どもが価値あるものであり、認められている、そして愛されているという思いを子どもの心に根付かせてくれるものなのです。

【最後に】

今回は、アテンディングのためのガイドラインについてお伝えしました。アテンディングの核心は、今そこにいるあるがままの子どもに注目することです。遊びを通して子どもと関わる際に、このアテンディングの取り組み方を意識してみることで、子どもの違った側面を見ることもできるかもしれません。子ども自身も、いつもと違った大人の関わり方にびっくりすることでしょう。

私がプレイセラピーをする時に、また一般的なプレイセラピーでも、このアテンディングの姿勢は多少なりとも取り入れられています。アテンディングにより、子どもが伸び伸びと自分らしい表現を面接の中でするようになり、言葉では語れない気持ちを整理してみたり、徐々に気持ちを言語化していけるようになるきっかけを与えてくれます。安心した中で、大人から注目されるという体験は子どもにとっては必要な経験なのだと感じています。

ただいつもこのアテンディングをするパワーはなかなかありませんし、こればかりでは子どもと大人の立場が逆転してしまうこともありえます。次回は、アテンディングを意識して取り組む際に、困った場面やアテンディングすることを躊躇う時に、どのように気をつけることが必要かをお伝えしていきたいと思います。次回のコラムも楽しみにお待ちください。

【参考資料:『フォスタリングチェンジ』著:カレン・バックマンら・2017】

【遊びをもちいて子どもとの関係を育む方法】シリーズはこちらからご覧になれます。
【遊びをもちいて子どもとの関係を育む方法】①肯定的な注目による子どもへの関わり

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Writing by古宇田エステバン英記

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