みなさんこんにちは。メンタルトレーナーの森下です。
GWはいかがでしたか。僕はというと特にGWらしいことはしておらず
普段と変わらずに仕事をしつつ、少しのんびりとAmazonプライムで映画を観ました。
僕の場合はあまり長いことダラダラしてしまったり、旅行など非現実的な空間にいたりすると、
心も体も元の状態に戻すのが大変なので、年末年始や大型連休の際にもあまりリズムを変えないことを意識して過ごしています。
また、5月病になってしまうひとつの要因としては、環境やリズムの変化に心身が追いついていかないということが考えられますが、
そうならないように日々、生活リズムをコントロールしていくことは大切だと感じています。
さて、前回までは新年度、新学期で新しい環境になった時にチームとして意識して取り組みたいことについてお伝えさせていただきました。
前回までの記事はこちらから
【新しい環境で意識すること】新年度・新学期にチームで取り組むメンタルトレーニング①
【良いチームになるために】新年度・新学期にチームで取り組むメンタルトレーニング②
今回はさらにそこから組織として発展・成長をしていくために必要な考え方や取り組みをご紹介していきます!
どうぞご覧ください。
避けて通れない道
前回、前々回とお伝えしましたが、組織が最高のパフォーマンスを発揮していく過程ではいくつかのステップを経験すると言われています。
そして前回までのコラムでは主に「形成期」で意識することや取り組むべきことをお伝えしました。
「形成期」が終わったら次は「混乱期」です。
混乱という文字の通り、この時期はメンバー同士の意見や考えにすれ違いが起きて組織内でゴタゴタが起きる時期です。
それだけ聞くと混乱期は無い方が良いのでは、避けた方が良いのでは思うかもしれませんが、この混乱期は「必ず」やってくるんです…
何事もそうだと思いますが、最初から最後まで順風満帆に進むことはなくて、必ずうまくいかないタイミングは訪れるものです。組織がひとつにまとまっていく段階でも「混乱期」という名の大波がきます。
ですが、見方を変えれば「失敗は成功の元」と言われるくらい、失敗から学んで成長をしていくのと同じで、組織の中でも混乱期のゴタゴタを経験して通過することで組織が強くなるということが考えられます。
なので、僕らがサポートする際には「必ず混乱期は来る」ということと、「混乱期が来たらチャンス」ということを事前に伝えておきます。
そうすることで、事前にゴタゴタが起きる心構えを作っておくことができるし、実際にゴタゴタが起きた時にその問題に向き合うことができるようになる。
一見、混乱期というとネガティブなところばかりに目が行きやすくなるけれども、混乱期をポジティブな側面で見ることが重要なのです。
それは平和ではない
中には「うちの組織には特に揉め事がないから平和なんです」という組織もあることでしょう。
ですが「揉め事がない」から平和だと解釈してしまうのは少し危険なんです。
揉め事がない≠平和
何度も言いますが「混乱期」は避けては通れず、ゴタゴタは必ず起こるものです。
必ず起こることは必ず起こるので、ゴタゴタが起こらないという状況は
▼ゴタゴタが起きていることに気づいてない
▼ゴタゴタを意識的に避けている
ということが考えられます。
ゴタゴタに気付けていない、ゴタゴタを意識的に避けてしまうということは、自分のことしか見れておらず、組織の発展・成長よりも自分の利益を優先しているからです。
そうなると、組織のために意見を言った方が良い場面でも、自分の保身のために意見を言わずに我慢をしていたり、見て見ぬふりをしたりするようになってしまいます。
本当に組織の発展や成長のためを思うのであれば、言わなくてはいけないこと(意見をぶつけ合うこと)も出てきます。
見て見ぬふりをしたり、衝突を避けようとするという思考や行動は、組織がパフォーマンスを発揮するための思考と行動とは大きく離れてしまっているんです。
そうならずに衝突を怖がらずに意見を出し合い混乱期を乗り越えていく環境を作るためには、
▼組織の目標を自分の目標とする
▼組織のために頑張ろうと思える関係づくり
この2点がとても大切だと考えます。
組織の目標=自分の目標
形成期においては組織の目標(目指すべき場所)を共有することが大事だとお伝えしました。
そもそも組織がどこに向かっているのかがわからなければ、それぞれがまとまりようがないからです。
【新しい環境で意識すること】新年度・新学期にチームで取り組むメンタルトレーニング①
【良いチームになるために】新年度・新学期にチームで取り組むメンタルトレーニング②
まとまっていない組織にありがちなのが、それぞれ個人としての目標は持っているものの、
組織の目標が明確になっておらずに方向性がバラバラということがあります。
もしくは「組織の目標が達成できなくても自分の目標が達成できていればいいや」と思っている、
つまり「組織の目標」よりも「自分の目標」を優先してしまっている状態です。
例えるならば、みんな同じ船に乗っているにも関わらず、
「おれは北の方に行きたい」
「いや、おれは南に行くわ」
「いやいや、僕は東の方に…」
みたいに目指す方向がバラバラでは意見や方向性が一緒になるわけがありません。
組織がどこに向かっているのかを共有したら、組織がそこに向かうためには自分は何をすれば良いのか、何ができるのかを考えていくことが大切です。
「組織の目標<個人の目標」から「組織の目標>個人の目標」に変えていく必要があります。
組織の発展・成長のために自分の利益は後回しにする精神のことを「チームスピリット」と呼びます。
組織に属している以上、その組織が良い方向に向かうためにはどうしていくかを考えていく役割があります。
もちろん人それぞれ能力や長所も違うので、「自分なりのリーダーシップ」を持って組織のために考え、行動していくことが大切です。
本当に良い組織というのは、組織の目指している場所と自分の目指している場所が一致している組織だと感じます。
組織の発展・成長が自分の成長に繋がっていることを感じ取ることができれば、良い循環が生まれ組織のパフォーマンスも個人のパフォーマンスも高まっていくのです。
僕がサポートしているスポーツチームでは、
「自分以外のメンバーの長所を紙に書いて渡す」というワークを行っています。
すると、自分の手元にはたくさんの自分の長所が書かれた紙が集まり、自分の長所が何かを客観的に見ることができる上に、仲間が自分のことを見ていてくれるという居場所感も高まります。その上で自分の長所を活かしてチームにどのような貢献ができるのかを考えます。
自分の長所を活かして何をすべきかが明確になれば「自分なりのリーダーシップ」を発揮しやすくなります!
安全性を意識した組織づくり
何度も言いますが、組織の発展・成長のためなら言いづらいことも言い合える環境がなければなりません。
そのために欠かせないのが「心理的安全性」です。
心理的安全性はハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン博士が1999年に概念を提唱したもので、
「組織において、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態」
と定義されています。つまりはお互いが意見を尊重し合いリスペクトし合っている状態です。
その環境ができていれば、衝突を恐れずに自分が思って意見や案を言い合ったり出し合ったりできるので、組織はより良い方向へ進んでいくことができるようになります。
そうして衝突し合いながらも納得していくことができたのなら、組織のために頑張ろうと思えるチームスピリットが高まっていきます。
心理的安全性を作るためには「インシビリティ」と呼ばれる「非礼な態度」を取ることを徹底的に排除することが大切です。
インシビリティには、
▼人格や発言をけなしたり、見下す
▼発言を真剣に聞かない、関心を示さない
▼不快になる話し方をする
▼無視をしたり、孤立をさせる
▼判断を信用しない
などがあげられます。
これらのインシビリティが蔓延していると、自分の意見を言いづらくなったり、組織のために行動をしようというモチベーションが下がってしまいます。
さらに、実際に非礼なこと言われたり、されたりした人だけでなく、それを見ていた周りのメンバーのモチベーションやパフォーマンスが低下してしまうこともわかっています。
心理的安全性を高めていくためには、シンプルにこれと真逆のことをすればいいわけです。
相手に関心を持ち、リスペクトし感謝をする。意見を受け入れ尊重して任せる。そうした態度や発言をしていくことが心理的安全性を高めて、チームスピリットを高めていくことができます。
特に上司や先輩など立場的に上の方は特にこのことを強く意識して、組織の中でディスカッションがしやすい雰囲気を作ることを心がけていってください。
いかがでしたでしょうか?
混乱期を「組織の成長に必要なもの」ということが組織の中で共通認識を持てていれば、衝突を恐れることなく乗り越えていくことができるようになります!
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