こんにちは!所属精神科医のT.Sです。
このコラムでは、
私が精神科医として患者さんと接する中で手に入れ、磨き上げてきた様々な武器
つまりは「幸せになるコツ」
を紹介しています。
さて、現在「目標達成や習慣化のために」シリーズを連載しておりますが、本日からは実践編です。
(本シリーズの記事は↓こちらから読めます!)
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<①まずは自分を知る>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<②目標設定とメンタルヘルスの関係性>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<③実践編〜目標設定〜>←今読んでいる記事
これまでの記事では、以下のポイントが重要であることを述べました。
1. 目標や計画を立てるときには、自分を決して偽らず、まず自分がどんな人間なのかを見極めるのが最重要である
2. ひとまず実現可能なレベルの目標を設定し、駄目だった場合、適宜目標を修正する
3. なるべく完璧主義にならず、気持ちにゆとりを持つよう心がける
上記の点を念頭に置いたうえで、私が実際どのように目標を設定し日々実践しているのか、ご紹介していきます。
なお、コラム掲載の時差があるのですが、これから述べる内容はすべて、2023年1月3日の段階で計画し、開始したものになります。
この記事を書いている今は2月の最終週ですので、計画が始動してから約2ヶ月経った段階での報告ということになります。
その旨をご理解いただき、時間経過も意識しながら読み進めていただけると幸いです。
重要なのは、目標そのものではなく「スモールステップの習慣化」
さて、今年最初の記事で宣言したとおり、私の今年の目標は
◯資格試験に合格する
◯運動習慣を身につける
◯早起き出来るようになる
◯英会話をちゃんと勉強する
です。もちろんこれ以外にもやりたいことはありますが、自分の中で絶対に達成したい目標はこの4つになります。
しかし、まずこのままでは目標が漠然としすぎており、何をどうすれば達成できるのか分かりにくいので、もう少し掘り下げる必要があります。
具体的には、以下の手順を踏むことになります。
①目標を設定したら、
②目標までのプロセスを細かく(スモールステップ化)して、
③そのスモールステップを習慣化し、継続する
たとえば「資格試験に合格する」という目標を達成するためには、当然勉強が必要です。
とはいえ、一日勉強すれば受かるわけではないので、毎日勉強をしなければいけません。
つまり、「毎日勉強する」という習慣化を身につけた先に、「資格試験の合格」という目標達成が待っているわけです。
その観点で見てみると、現時点で目指すべきは「資格試験に合格すること」ではなく、「毎日勉強するという習慣を身につけること」です。
それさえ達成できれば、あとは自動的にゴールに行き着くことになります。
まとめると、まず行うべきは
「◯◯を続けさえすれば目標を達成できる」というレベルまで、目標をスモールステップ化する
ということになります。
スモールステップ化の例
私も実際にこの作業をやってみましたので、ご紹介いたします。
まず、これまでの記事でもお伝えしたとおり、まずは「自分がどんな人間かを知る」ところから始めました。
これは「いかに自分がダメ人間か」を突きつけられる最初のポイントであり、この時点で膝から崩れ落ちそうになること請け合いです。
しかし、今後のためにも嘘偽りなく自分と向き合うことが必要なので、泣きべそをかきながらでも頑張りましょう…!
最初の記事でも書いておりますが、ここでもう一度、私がどんな人間なのか、冷や汗をかきながら偽りなく書いておきます。
・漠然とした目標だと頑張れない
・目標の数が多すぎると頑張れない
・かと言って目標が1つしかなくてもやらなくなる
・監視の目が無いと頑張れない
・なにか定期的にご褒美が欲しい
・言い訳するのが得意
・記録すること自体は好き
・これまでに何度も、何らかの習慣化を目指しては挫折している
改めて見返すと、飼っているチワワのほうが私よりも高位の存在に思えてきました。
自分がどんな人間なのかを把握できたら、自分の人間性を踏まえながら、前述の目標をそれぞれスモールステップ化してみます。
◯資格試験に合格する
→「試験の過去問を毎日最低3問解く」「レポートを毎日最低1行は書く」
◯運動習慣を身につける
→「1日7000歩以上歩く」「駅まで徒歩で通勤する」「極力階段を使う(エレベーター・エスカレーターは避ける)」「毎日体重を測る」「毎日腕立て・腹筋・背筋を最低15回ずつする」「ドライヤー中にワイドスクワットをする」「姿勢良く過ごす」「1日最低3回、腹筋に力を入れてしばらく過ごす」
◯英会話をちゃんと勉強する
→「“英語のハノン”を毎日最低1レッスン進める」
※早起きについては後述します。
スモールステップの重要性
これを読んで、「問題3問解くとか、筋トレ15回ずつとか…どう考えても少なすぎませんか?自分に甘すぎなんじゃないですか?」と思った人がいるかもしれません。
しかし、本当にスイマセン、私ってそういう人間なんです!
無理なんです!一気にそんなにたくさんやるのは!
ここで自分に嘘をついてカッコつけてもどうせ続かないので、現実的に可能そうなものに設定しました。
できそうなら、今後修正すればいいですからね。
さて、言い訳みたいに聞こえるかもしれませんが、スモールステップ化にあたっては、私のように「現実的に可能そうなもの」に設定することが、実はとっっっっても大事な視点なんです!
解説します。
先程お伝えしたとおり、
①目標を設定したら、
②目標までのプロセスを細かく(スモールステップ化)して、
③そのスモールステップを習慣化し、継続する
という手順を踏むことになります。
なので、目標をスモールステップ化できたら次に考えるのは、「そのスモールステップを習慣にするためには、一体どうすればいいのか?」です。
例をあげるなら、「試験に合格するために”毎日勉強する”という習慣を身につけたいが、そのためにはどうすればいいのか?」ということになります。
…が、実はこれ、めちゃくちゃシンプルなんです。
この世のいかなる習慣も、身につけるために必要なのは、たったの2ステップだけなのです。
その2ステップとは、ズバリ…
①始める
②続ける
です!(おちょくってません、大真面目です!)
ハードルは極力下げておくことが大切
習慣を辞書で調べると、「経験によって後天的に獲得され,反復によって固定された個人の行動様式のこと」と書いてあります。
つまり、「まずやってみて経験し、それを繰り返し継続する」ことで習慣が形成されます。
逆に言うと、取り掛かることも出来ず、続けることも出来なければ、絶対に習慣にはならない、ということです。
現に皆さんも、これまでに色々な習慣を身につけようとし、何度も敗れてきたことと思いますが、その全てが「①始める」か「②続ける」のどちらかが出来なかったから、で説明がつきます。
ですので、
何か新しい習慣を始めるときには、少しでも取り掛かるハードルを下げておくことが重要
ということを意識しておきましょう。
さて、目標設定の極意に触れながら、私の場合を例にあげてご紹介しました。
もしよろしければこのコラムを参考にしながら、あなたも目標設定、そしてそのスモールステップ化を行ってみてください。
次回はいよいよ、私が実際に数ヶ月実践してみてどうであったのか、良かった点や反省点を交えながらお話していきます。
楽しみにしていてくださいね!
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