皆様、こんにちは
公認心理師の小高千枝です。
3月を迎えましたね。
2月は、冬季オリンピック(ミラノ・コルティナ)が開催され、世界中が熱気と感動に包まれました。
そして今月はミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会(2026年3月6日~3月15日)が開催されます。
今回のオリンピックではメダルの数、順位、記録更新。それらは確かに素晴らしい成果です。
しかし、私が心を動かされたのは「結果」そのものよりも、そこに至るまでの過程でした。
支えてくれた仲間への言葉。敗戦後の振る舞い。仲間を讃え合う姿勢。
個人競技であっても、「個」だけでは成立しない。
日本選手の姿からは、支え合いの文化と、日本人ならではの誇りが伝わってきました。
■競技として走る人生と、味わう人生
実は私自身、若い頃にスキー競技へ出場していた経験があります。
記録を縮めること。順位を上げること。評価を得ること。
競技の世界は、「外側の基準」によって価値が決まることの多い世界です。
だからこそ鍛えられ、強くなれる面もありますが、しかし同時に、常に比較の中に身を置くことでもあります。
・・・今回の大会を観ながら、私はふと感じました。
私自身これからは、スピードを競うのではなく、景色を楽しむスキーをしてみたい。
例えばクロスカントリースキーのように、呼吸とリズムを整えながら雪の上を進む時間。ゆったり楽しみながらのスキー
人生も同じです。
若い頃は「競技モード」で良い。むしろその方がエネルギーがあって楽しかったです。ただ、50歳を目前にして思うのは、これからは「味わうモード」も選択していいんだよと自分にOKを出したいと願っていること。
外側の評価ではなく、自分の感覚や呼吸で進む生き方を選択していきたいと思いました。
■壁をどう意味づけるか ― レジリエンスという力
2月は、心理テスト番組を通して、私よりずっと若い世代の方々とご一緒する機会が多々ございました。
ゲスト出演してくださった、海外で活躍されているあるアーティストの方が、こんな言葉を口にされました。
「壁はチャンスだと思っている」
「出会いはご縁だから、全部意味がある」
この言葉は私もよくつかわせていただく言葉でありますが、今回は特に深くうなずけるものがありました。
心理学では、困難から立ち直る力を【レジリエンス(resilience)】と呼びます。レジリエンスとは、単に「元に戻る力」ではありません。
近年では、困難を通して人がより成長する現象ポスト・トラウマティック・グロース(PTG:心的外傷後成長)と呼びます。
つまり、壁は、壊すものではなく、人を深くする装置でもあることを意味していると感じるのです。辛い経験を「被害」として抱え続けるのか、「意味づけ」をして糧にするのか。
そこに介在するのが、視点です。
SNS社会では、他者からどう見られているかが可視化され、比較や承認欲求が加速しやすい時代です。そういった時代の中で、外側の評価に振り回され続ける限り、人生は常に「競技」の中で戦い続けなくてはいけません。
そこで本当に問われるのは「私は、どう在りたいのか?」という内側の基準。
それを持てた人から、人生はゆっくり望むべき方向に安定していくのだと感じます。

(毎年恒例・オフィスのお雛様)
■20周年という重みと、新たな覚悟
2月11日に当オフィスは20歳を迎えました。
20年。。。
決して短くはありません。笑
順風満帆な時間ばかりではなく、迷い、葛藤し、壁にぶつかり続けた年月でもありました。こういった時間の方が長かったかもしれないですし、今も悩みの質が高まった中で向き合い続けています。
ただ振り返ると、あの時「終わり」に思えた出来事が、今の礎になっていることばかりです。レジリエンスは、理論ではなく、日々の積み重ねの中で育まれるもの。
20年間、臨床の現場で、クライエントの皆さまと向き合い続けてきた時間は、まさにその実践の連続でした。
そして(私事で恐縮ですが)今月に私は50歳を迎えます。
50年の人生と、20年の経営。
節目というタイミングは良い意味で「問い直す日」だと感じています。
これからの10年・20年を、どのリズムで歩むのか。どんな景色を見たいのか。

■春へ向けて ― 自分らしさと深みを楽しむ生き方
壁はなくならない。けれど、壁の見え方は変えられます。
戦い続けた時期も、景色を味わう時期も、どちらも人生の大切な局面です。深みを持った人は、人生を急がない。こういいながら、急いでしまう自分と対峙しています。
20年という時間に支えられ、50年という経験に背中を押され、これからもゆっくり誠実に着実に歩んでいきたいと思います。
今月もどうぞ豊かなお時間をご一緒させてください!宜しくお願いいたします。
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