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【ライフスタイル・メンタルヘルス】 心の地図 〜ミッドライフクライシスと更年期の交差点で|立ち止まる勇気と、新たな出発のために①

皆様、こんにちは
メンタルヘルスケア&マネジメントサロン代表・公認心理師の小高千枝です。

40代前半から気力・体力の低下とともに、それまでの人生以上に自分との向き合いをしてきました。
そして約10年の年月が経過し、「ミッドライフクライシス×更年期」という非常にリアルなテーマにぶつかり、人生の分岐点に立っている今だからこそ、現実を受け入れながら豊かな気持ちで乗り越えていこうと思っています。

これから5回にわたり、「ミッドライフクライシス×更年期」についてリアルでありながらも、心身共に健康に…そして、これからの人生を楽しむ前向きに取り組めるような記事を連載して参りたいと思っております。

「なんとなく心がザワつく」「これまでの生き方が、しっくりこない」
そんな気持ちを抱えている40代・50代のの皆様へ

実はそれ、“あなたがおかしい”わけではありません
心理学的にも、この時期に訪れる“揺らぎ”には、名前があります

第1回:ミッドライフクライシスとは?
「今のままでいいの?」と立ち止まるあなたへ

はじめに:ふと湧き上がる「このままでいいのかな」の感覚

最近、こんな気持ちになることはありませんか?

■「なぜか気持ちが晴れない」
■「頑張っているのに満たされない」
■「自分は何をしたかったんだっけ?」

このような漠然とした不安や焦燥感は、決してあなたひとりのものではありません。
40代後半から50代にかけて、私たちはこれまでの人生をふと振り返り、「このままでいいのか」と問い直すタイミングに差しかかります。
このような心の揺らぎは、ミッドライフクライシス(中年の危機)と呼ばれ、誰にでも起こりうる“人生の折り返し地点”での自然なプロセスなのです。

私自身も人生の折り返しの地点どまんなかにおりますので、浮き沈みの感情に揺れ動く日々の中で、客観的に自分を向き合える日もあれば、全くコントロールができない日もありました。
ただ、あくまでもこれから先の人生を楽しむための経験、通過点に過ぎないものとして捉えられるようになると、ふっと楽になりました。
これから、そういった心のプロセスを心理学の視点と経験をもとにお伝えして参りたいと思います。

ミッドライフクライシスとは?

心理学では、ミッドライフクライシスとは、人生の中間期(40〜60代頃)に訪れる心理的な動揺や葛藤を指します。
アメリカの心理学者ダニエル・レビンソンは、「人生の構造を見直す時期」として中年期を捉えました。

この時期に人は次のような内的変化を経験することがあります。

■若さや体力の衰えへの戸惑い
■子育てや家庭での役割の変化・喪失
■キャリアの頂点と限界の自覚
■親の老いや死への直面

「自分の人生、本当にこれでよかったのか?」という内省。外から見れば安定しているように見えても、心の内側では葛藤や空虚感が渦巻いていることも少なくありません。

更年期との関係:体と心、ダブルで揺れる時期

ちょうどこのミッドライフクライシスと重なるように、女性には更年期という身体的変化の時期も訪れます。
ホルモンバランスの変化は、以下のような心身の不調を引き起こしやすくします。

■不安感やイライラ
■睡眠の質の低下
■意欲の低下や無気力
■孤独感、涙もろさ
■肩こり、頭痛、動悸などの身体症状

こうした変化に戸惑いながらも、周囲には「いつも通り」に振る舞おうとして、ますます疲弊してしまう……。この心身のズレもまた、ミッドライフのしんどさを強める要因となっています。

更年期のことにつきましては、以前にも記事へあげさせていただきましたので併せてご覧くださいませ。

【メンタルヘルス|雨音とともに心を見つめる】 梅雨と更年期、ふたつの揺らぎに向き合うセルフケア
https://odakachie.com/chie_blog/22948/

「それでも、私なんて」と感じるあなたへ
〜インポスター症候群と中年期の自己否定〜

ミッドライフクライシスに差しかかった女性が、よく口にする言葉があります。

「ここまで頑張ってきたのに、私には何もない気がする」
「周りはもっとちゃんと生きてるのに、私は中途半端だったかも」

これは、インポスター症候群にも通じる感覚です。
——自分のこれまでの成果や努力を「まぐれ」「運が良かっただけ」と感じてしまう。
——人から評価されても「本当の私はたいしたことない」と否定してしまう。

実際、責任ある立場や豊かな経験を持ちながらも、自分を認めることができないまま生きてきた女性たちが、ミッドライフで心のバランスを崩すケースはとても多いのです。

この症状は決して“弱さ”ではなく、むしろこれまで「頑張ってきた人」ほど陥りやすいもの。
だからこそ、いまの自分を否定ではなく「再定義」していく視点が必要になります。

インポスター症候群に関しましても、小高著書をはじめ様々な媒体へ記事としてあげさせていただいております。
併せてこちらもご覧いただけますと、より深くご自身を知り向き合う方法を見出すことができるかと思います。

【ライフスタイル|心のメンテナンス】少し立ち止まって自分自身の心に耳を傾ける時間を|自分の本質をみつめる『インポスター症候群』
https://odakachie.com/chie_blog/23098/

事例で見る「ミッドライフクライシス」

🔸事例1:キャリア女性の“燃え尽き感”
50代手前で管理職に就いたAさん。
会社では頼られ、家庭でも母としての役割を果たしてきました。ワーママとして、理想的な自分を築き上げてきていました。
しかしある日、ふと「これ以上、何を目指せばいいの?」と無力感に襲われました。やる気が出ず、ひとりになると涙が出てしまう——そんな日々が続いたといいます。
周囲から見られるイメージと自分自身の中で感じている不安定さのギャップに振り回されていました。

🔸事例2:子育てが終わったあとの空白
大学生の子どもを送り出したBさん。
長年「母」としての役割に全力を注いできました。夫婦の会話は少なく、仕事はパートのみ。自分の居場所とは?なんて考える暇がないくらい忙しい日々であったものの、ふと、「私って何者なんだろう」と自分の輪郭を見失い、不安で眠れない日々に。

簡単セルフチェック:あなたの「中年の揺らぎ」度は?

▼以下の項目に、いくつ当てはまりますか?

☐ なんとなくイライラしやすくなった
☐ 以前楽しめていたことが楽しく感じられない
☐ 「今後どう生きるか」に焦りを感じる
☐ 体調不良が続き、気分も晴れない
☐ 家族や友人との距離感に悩んでいる
☐ 過去の選択について後悔や疑問を感じる
☐ ひとりの時間が寂しいと感じることが増えた
☐ この先、何を目標にすればよいかわからない

4つ以上当てはまった方は、心がミッドライフの揺らぎの中にあるサインかもしれません。
「気づくこと」が、すでに第一歩なのです。

おわりに:それは“終わり”ではなく、“再スタート”の合図

ミッドライフクライシスは、決して「人生が行き止まりになった」「もう遅い」のではなく、「ここからどう生きるか」を問い直すための転機。これからの人生を、自分らしく歩むための問い直しの時期です。
そして、インポスター症候群に揺れるあなたは、誰よりも真剣に生きてきた人です。

だからこそ、ここからの人生をもっと「私らしく」歩んでいくチャンスでもあります。
焦らず、比べず、いまの心の声に少しずつ耳を澄ませてみてください。
それが、この時期を“通過”していくための大切な心構えになります。

どうか、焦らず、あなたのペースで読み進めてくださいね。


📖次回予告
第2回:「なぜ今つらくなるのか?——人生の“折り返し”で起きること」


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