COLUMNコラム

【心理コラム】才能は生まれつきのものなのか?① 〜天才は子どもの頃から天才?〜

みなさまこんにちは。
所属メンタルトレーナーの森下です。

前回、前々回の記事では「保護者のためのメンタルトレーニング」と題して、
子どもを成長に導いていくために、
・保護者がしていいこと
・保護者がしてはいけないこと
を具体的にご紹介させていただきました。

前回、前々回の記事はこちらからご覧ください
「子どもを成長に導く『保護者のためのメンタルトレーニング』①」
「子どもを成長に導く『保護者のためのメンタルトレーニング』②」

保護者の行動や声かけによって、子どもの考え方や行動が変わっていきます。
その結果、子どもが成長に対してどう捉えていくかが決まります。

今回の記事では、全2回に分けて
子どもの「能力」を最大限に伸ばしていくアプローチ方法についてメンタルトレーニングを通してご紹介したいと思います。

第1回目は
「生まれた時から才能がなければ、天才にはなれないのか」
ということについて考えていきたいと思います。

<才能は生まれつきのもの?>

どの分野にも
「この人は凄い!天才だ!」
「この人には敵わない!」
「この人ならなんでもできちゃうんだろうな」
そんな風に思われている人っていますよね。

野球で言えばイチロー選手だったり、サッカーで言えばメッシ選手だったり、
その他にもアインシュタイン、エジソン、ピカソ…
そうした人たちを見ていると、「神様から与えられた才能」があって
生まれながらに、そうなるべくしてそうなったように思ってしまいます。

逆に、幼少の頃から目立った才能がなければ
イチロー選手やメッシ選手のように世界で活躍するのはもう無理なのでしょうか?

結論から言えば、全然そんなことはありません。
誰にでも「才能」は伸ばすことができるし、「天才」になれる可能性はあります。

自分には才能がないから…
我が子は他の子と比べて能力が低いから…
そんなことを思って諦めてしまうのはとてももったいことなんです!

<天才達の幼少期>

実際に天才と呼ばれている人たちの幼少期はどんな感じだったか知っていますか?

僕が天才と言われて真っ先に浮かぶのが「マイケル・ジョーダン」(森下の大好きなアスリートです)
言わずと知れたバスケットの神様です。

全盛期の活躍している姿からすれば、子どもの頃からずっとその才能を大いに奮って、
大活躍し続けていたんじゃないかと思うかもしれません。

ですが、学生時代のジョーダンは学生選抜にも選ばれることはなく、
NBAのドラフトにおいても1位ではなく3位で指名されています。

神様と呼ばれていたジョーダンを知っている僕らからしてみたら、
なぜ選抜しないんだ、1位で選ばないんだと思ってしまいますが
当時のジョーダンは元々の能力が高かったとはいえ、そこまでずば抜けてはいなかったようです。

他にも、サッカーの長友佑都選手も学生時代を苦労していた選手の一人です。

中学時代にはゲームセンターに入り浸り練習もろくに参加しない時期が続いたり、
大学時代は腰を痛め、ベンチメンバーにも入ることができずに、
応援団として観客席にいたというのは有名な話です。

そこから努力の末、Jリーグで活躍し、日本代表にも選ばれ、ワールドカップで活躍し
世界のビッククラブでもプレーをするまでに成長します。
大学時代の姿からビッグクラブで活躍している姿を想像できた人は少ないのではないでしょうか?

彼らのように子供の頃から天才じゃなくても、今は落ち込んでいたとしても、
ジョーダンや長友選手のようになれる可能性を持っています。

皆さん自身や、お子様たちはどうでしょうか?
自分の可能性を信じることができずに、夢ややりたいことを諦めていませんか?

よく、子どもの将来の夢について
「現実を見なさい」「そんなの一部の才能がある人しか無理」
といったことを子どもに言ってしまう親御さんがいらっしゃいます。

親が信じてあげないで、誰が信じてあげるのでしょうか?
今がどうこうではなく、これからどうしていくのかが大事なのです!

<天才になるかどうかは「考え方」次第>

スタンフォード大学の心理学者のキャロル・ドゥエック氏は、天才とそうでない人の差は
「マインドセット(ものごとの考え方、捉え方)」によって変わるという研究を発表しています。

その中でドゥエック氏はマインドセットを2つのタイプに分類しています。

・固定思考(fixed mindset)
・成長思考(grows mindset)

固定思考のタイプは才能は生まれ付きのもので変えることはできないと考えます。
一方、成長思考のタイプは才能は努力によって伸ばすことができると考えています。

考え方が違うというだけで、その後の能力の向上が変わってくるということです。

どちらの方のタイプが天才と呼ばれる人に多いかというと、
お察しの通り成長思考のタイプの方に多く見られます。

成長思考のタイプは才能は伸ばせると信じているので、多少の困難があっても
諦めずにコツコツと努力し続けることができます。

固定思考の人は一度ミスをしたり、超えられない壁をぶつかると
自分には能力がないからもう無理だと考えてしまいます。

僕の競泳選手時代は完全に固定思考のタイプでした。
結果こそが全てだと思い込んでいて、
自分より遅い選手を見ると「勝てないのになんで続けているんだろう」と思うこともありました。

逆に自分より速い選手がいると萎縮してしまい、自分の力を発揮できません。
負けると落ち込みますが、「腰が痛かった」だの「スタート失敗したから」だの言い訳の嵐。

自分に才能がないと思われるのがイヤで
「負けたのは才能がないからじゃなくて、たまたまミスしてしまったから」
とダメな自分を隠すのに一生懸命でした。

常に周りの評価を気にして、負けることが「恥ずかしい」「ダメだと思われる」と感じ、
レース前は必要以上に「タイムが出なかったらたらどうしよう」と緊張してしまう。

固定思考のタイプに現れる特徴の典型です。

今では、多少は改善されてきたものの要所、要所で固定思考が出てきてしまいます。
(メンタルトレーニングはおまじないではないので急に心は変わらないのです…)

少しずつトレーニングをして成長思考で考えられるように意識をしているところです。

天才と呼ばれている人たちを見て、
「あの人は天才だから」「あんなこと天才にしかできないよ」
と思ってしまうのは、能力は生まれつき変わらないと思ってしまっている証拠です。

天才は生まれつきその才能を天から与えられているから出来るわけであって、
自分はその才能がないから、努力をしてもどうすることはできないと、
努力をしない「言い訳」を作りあげてしまいます。

天才と呼ばれる人たちが、陰でどれだけの努力をしてるかも知らずに、
天才だからできると思い込んでしまうのは失礼ですよね。

皆さんは失敗をしてしまった時、壁にぶつかった時、
自分には能力がないと思ってしまいますか?
それとも、準備や努力が足りなかったと思いますか?

こうした考え方一つで、能力が伸びるかどうかの差が現れてしまうということです。

さて、第2回は

・固定思考と成長思考の具体的な違い
・なぜ固定思考になってしまうのか(固定思考にしてしまう保護者のアプローチ)
・成長思考に変えていくためには(子どもを成長思考に育てるには)

というテーマでご紹介したいと思います。核心に迫っていきますのでお楽しみにお待ちください!

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●森下のプロフィールページ
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