COLUMNコラム

【心の居場所を作る】やる気のない部下のやる気を引き出す方法③

皆様こんにちは。所属メンタルトレーナーの森下です。

夏の終わりを少しずつ感じる季節になりましたね。
なぜだかこの季節はセンチメンタルになってしまうのは僕だけでしょうか。

夏は終わりますが、まだまだ新型コロナウイルスの猛威は終わりそうもないですね…
こんな時こそ出来ないことよりも、その中でできることにフォーカスをして来るべき「秋」を楽しみたいと思います。

楽しむと言えば、前回は部下のやる気を引き出すポイントのひとつとして
「仕事を楽しむためのアプローチ方法」についてご紹介をさせていただきました。

前回までの記事はこちらをご覧ください。
「【上司の方必見!】やる気のない部下のやる気を引き出す方法①」
「【仕事に楽しさを見出す】やる気のない部下のやる気を引き出す方法②」

今回は「仕事に楽しさを見出す」と同じくらい重要な「職場に居場所を感じる」についてお話ししていきたいと思います。
必要とされること、誰かのために頑張ろうと思える気持ちはモチベーションの質を高めるキッカケになります!

それでは今回のコラムもどうぞご覧ください。

 


感謝を見える化する

大抵の人は、人から必要とされたり、ありがとうと言ってもらえることは嬉しいと感じますよね。

僕自身、そういうところを気にするタイプなので、
必要とされていると感じることができると自然とモチベーションが上がります。
(だからこそ僕も周りに感謝を伝えなければですね)

誰かから感謝されたり、必要とされていると感じると、この人(組織)のために頑張りたいと思うようになります。
そうした「誰かのために」という気持ちはモチベーションの質を高めることに繋がるのです。

仕方なく仕事をやっていたり、給料のためだけに仕事をしている(外発的なモチベーションでやらされている)の人が、
自ら進んでやる気を出すキッカケになるのがこの「誰かのために」という動機になると言われています。

皆さんもご存知の一流ホテル「リッツ・カールトン」ではスタッフ同士で
”ファーストクラスカード”というもの送りあう習慣があります。

素晴らしい仕事をしたスタッフに対して「あなたの仕事は素晴らしい!」という敬意を込めて
カードをスタッフ同士で送り合うのだそうです。

送られた方は、そうした姿をみてくれて評価してくれているという喜びが高まり、
送った方もそれを見てポジティブ感情が高まる。
とても良い仕組みだと思います。

こうして感謝の言葉を形に表して伝えることや、自分の仕事を認め、必要としてくれる人がいると思えると
「よし!また頑張ろう」と思えることができるのではないでしょうか?

やる気がなかなか見えない部下に対してはこのように感謝の言葉や、
「あなたの仕事を見ているよ」「助かっているよ役に立っているよ」
というメッセージをわかりやすく伝えてあげることはとても大切なことだと思います。

以前、とある企業の安全衛生課の方から
「営業チームはモチベーション高く活動しているけど、
オペレーターチームのモチベーションが上がらずただの作業になってしまっている。
なんとかオペレーターチームのモチベーションも高めていきたい」
といった相談がありました。

組織の役割の中には裏方の目立たない(けど重要な)役割をしている方もいます。
営業チームのように自身の活躍がそのまま組織の売り上げになるなど、わかりやすく結果が見える部署であれば
貢献感も感じやすくモチベーションも保ちやすいとは思いますが、全てがそうした部署なわけではありません。

そこで、営業チームに協力をしてもらいアンケートを配りオペレーションチームに対しての感謝の言葉を募集しました。
オペレーションチームがいるからこそ営業活動に集中できていることや、
イレギュラーな事態にサポートしてもらって助かったことなど、さまざまな感謝の気持ちが集まりました。

オペレーションチームにもその結果を共有すると、自身の仕事に対するやりがいが高まり、
そこから定期的にポジティブなコミュニケーションを取るようになったそうです。
お互いがお互いを必要とし合う良い関係性が構築されるようになったと報告をいただきました。

これはあくまでも一例ではありますが、
このような形で感謝やリスペクトをわかりやすく伝え合う仕組みづくりをすることはとても大切です。

やり甲斐を感じさせる

イソップ寓話の中に有名なレンガ職人の話があります。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
旅人がある町を歩いていると、汗だくになりながら重たいレンガを運んでは積み、
運んでは積みを繰り返している3人のレンガ職人に出会いました。

そこでそれを見ていた旅人はレンガ職人に「何をしているのですか?」と尋ねると、
その3人のレンガ職人は次のように答えました。

1人目は、
「そんなこと見ればわかるだろう。親方の命令で“レンガ”を積んでいるんだよ。
暑くて大変だからもういい加減こりごりだよ」
と答えました。

2人目は、
「レンガを積んで“壁”を作っているんだ。この仕事は大変だけど、金(カネ)が良いからやっているのさ」
と答えました。

3人目は、
「レンガを積んで、後世に残る“大聖堂”を造っているんだ。こんな仕事に就けてとても光栄だよ」
と答えました。
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この3人のレンガ職人がやっていることは同じで、みんなレンガを運んで積んでいるわけですが、
同じ作業をしているのにも関わらずモチベーションの質に差があるのは明らかです。

この話から学べることは、
広い視野で自分の取り組んでいることを捉えられているかどうかがいかに大切かということです。

1人目のレンガ職人は目の前のことをこなすのが精一杯で自分の取り組んでいることの先に目が向いていません。
2人目のレンガ職人は自分のことだけを考えて仕事に取り組んでいるため、
自分のしていることが何の役に立っているかがイメージできていません。

ですが、3人目のレンガ職人は自分の取り組んでいることが「何の役に立っているか」が明確に見えており、
情熱を持って仕事に取り組むことができています。

「やり甲斐」を感じるためにも先をイメージできるかどうかということは、
モチベーションを引き出す上でとても重要になってきます。

前々回の記事(やる気のない部下のやる気を引き出す方法①)の中でもお伝えさせていただきましたが、
ここでも大切になってくるのがやはり「目的」の部分です。

ところが実際は企業理念やビジョンは頭でわかっていても、
なかなか理解して主体的に行動できている人は少ないかと思います。

結局、人は思考ではなく感情が行動に移すスイッチにつながりやすいので、
例えば、お客様の感謝の声などを集めて共有することで、
自分の仕事がどのように役に立っているのかを感じさせるといった工夫をしてみましょう。

自分のやっていることは誰かの役に立っているんだ、社会に貢献しているんだと思えることができれば
自分だけのためではなくて誰かのために動くためのキッカケになるのです。

期待をする

人は期待をされるとそれに応えるように、無意識のうちに行動を選択するようになっています。(ピグマリオン効果)

これも当たり前の話ではありますが、期待されているのと全く期待されていないのでは
どちらが「やってやろう!」という気持ちになるのかは言うまでもありませんよね。
(過度な期待はプレッシャーを増やすので注意です)

期待をされていると感じることができれば、
単純に嬉しいですし、自分は必要とされているんだと「心の居場所」を感じれるようになります。
逆に何も期待されないとしたら皆さんはどう感じるでしょうか?

かといってただ単に「期待してるよ!」と言っても嘘っぽくなってしまいますので、
ただ適当に期待をしたり、結果や周りとの比較に対して期待をするのではなく、
具体的なチャレンジや努力に期待をすることです。

具体的であればあるほど「この人は自分のことをちゃんと見てくれているんだ」と実感できますし、
本人もやるべきことが明確になりやすくなり、期待に応えようという気持ちも強くなります。

結果というのは基本的に相手のいることですからコントロールできません。
なるべくミスしないように準備をすることはできますが、それでもどうなるかはやってみなければわかりません。
なので部下自身がコントロールできることに対して期待をしてあげることが重要なのです。

結果がどうであろうとも、しっかりとチャレンジと努力が出来ていたのであればそれを認めて、
次のチャレンジに期待してあげてください。

具体的なチャレンジと努力について期待してあげると、その期待は実現しやすくなり、
そこから内発的なモチベーションが高まっていくという良い循環が生まれていくのです。

3回にわたって部下のやる気を引き出す方法をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

コロナ禍の影響もあり、オンラインで会話することなどが当たり前の社会になってきました。
また、組織に守られてばかりではなく、今まで以上に自分で主体的に行動していく必要性も明るみになってきたように感じます。

そうした中で、よりチームとして一体化して生産性を高めていく上でも
上記のポイントを抑えて信頼関係を構築していくことが大切になります!

上司の皆さんは部下に対して
・興味関心を持つこと(何に対してモチベーションを見出しているのか)
・仕事に楽しみを感じてもらうこと→「出来そうだ」という気持ちを引き出す
・職場に自分が必要とされていることを感じられる「心の居場所」を作ること→感謝の見える化と役割の明確化
といったポイントを意識すると良いかと思います。

ただし、これらのポイントは全ての人に当てはまるかといえばそうではありません。
心の状態や価値観、考え方は一人ひとり違いますから、その人にあったアプローチ方法を見極める必要があります。

その人に興味関心を持ち、相手の考えや立場に寄り添っていく中で、
今回の内容が当てはまりそうであればぜひ実践してみてくださいね。

そして何よりも、上司のみなさんが誰よりも仕事を楽しんで取り組んでいる姿を見せ、
周りのメンバーに対して感謝の気持ちを忘れないことです!
僕自身も楽しむこと、感謝をすることを定期的に振り返って忘れずにいたいと思います。

それではまた次回のコラムでお会いしましょう!

 


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Writing by 森下

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