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【メンタルヘルス|8月のはじまりに】「不安」を抱える私たちへできること|災害ストレス|安心の土台

皆様、こんにちは。
メンタルヘルスケア&マネジメントサロン代表・公認心理師の小高千枝です。

今日から8月が始まりました。
例年なら、夏の空やセミの声に季節の巡りを感じる頃ですが、今年はどこか、心が落ち着かないまま8月を迎えた方も多いかもしれません。

地球全体が不安定さを増しているように感じる近年。
猛暑や豪雨、突風、火山の噴火や地震──そして7月30日のカムチャツカ半島付近で発生した地震に伴い、日本の広範囲で津波警報・注意報が発令されました。1日中流れてくる緊急の警報音や、突然のニュース速報に不安や緊張を感じた方も多かったのではないでしょうか。

私たち人間は、「いま・ここ」の出来事だけでなく、未来の不確実性にも強く反応する生きものです。
とくに近年のように、異常気象や自然災害が“日常の一部”のようになっている時期には、「目に見えないストレス」が知らず知らずのうちに積み重なっていきます。

 心の中に起こっている「災害ストレス」

公認心理師としての立場からお伝えしたいのは、こうした「災害そのものではなく、それに関する情報や予測」が心に与える影響についてです。

たとえば。。。

・繰り返される警報や速報に敏感になり、落ち着かない
・自分や家族の安全が急に不安になる
・一日中テレビやSNSの情報を追ってしまい、疲れてしまう
・何もしていないのに心がざわざわする

こうした反応はすべて、ごく自然な「正常なストレス反応」です。
心がちゃんと「身を守ろう」として働いている証拠でもあります。無理に抑え込もうとせず、「今、私の心は緊張しているな」「怖かったんだな」と、まずは気づき、受けとめてあげることが何よりのセルフケアになります。

「備える」ことは、「安心の土台」をつくること

私はふだん、愛犬のさくらと一緒に暮らしています。
この子の命を守ることが、私の暮らしの中心でもあり、私自身の心の安定にもなっています。
そして、さくらの命を守ることのひとつとして、以下のことを常に意識して生活をしています。

災害時の避難を考えるとき、よく出てくる言葉に「同行避難」「同伴避難」があります。

・同行避難:ペットと一緒に避難所まで“行く”こと
・同伴避難:避難所の中まで“ともに過ごせる”こと

日本では、同行避難は推奨されていても、同伴避難が必ずしも整っているとは限りません。
そのため、自宅避難や車中避難を想定して、ペット用品の備蓄や環境の確認をしておく必要があります。

私は、さくらが最低1か月は困らないように、水・フード・ケージ・トイレ用品などを常にストックしていますし、連れて逃げる時用のハウス(ゲージ)に入ることに抵抗感を抱かないように(むしろ大好きになるように)、遊びの中で避難訓練をしています。
でもそれ以上に大切なのは、「私自身が健康で冷静であること」。私が倒れてしまったら、どんなに備えがあっても、さくらを守ることはできません。

だからこそ、自分を大切にすること、整えることも“防災の一部”だと日々実感しています。

特別なことはできませんがさくらが
安心して生活を送ることができることそれが生きがいのひとつにもなっています

「不安」を感じる今だからこそ、大切にしたいこと

災害や気象情報を目にする機会が増えると、つい「もっと準備しなきゃ」「心配しすぎかな」と、自分に厳しくなってしまう方もいらっしゃいます。
また、完璧に準備をしている方が称えられるような時代でもありますので、焦ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

「備えあれば患いなし」ではありますが、どんなに備えていても、不安になるのは自然なことです。
不安があるからこそ、「命を守る行動」ができるのです。だからこそ、不安そのものを否定せず、「不安とうまく付き合っていく」ことを意識してみてください。

・ニュースから少し距離をとる時間をつくる
・深呼吸して、五感を感じられることをしてみる
・自分が安心できる“ルーティン”を取り戻す
・「今ある備えで、まずは十分」と声をかけてあげる

これらはすべて、心の回復力=レジリエンスを育てる力になります。

ハワイのホテルにて。。。
ハワイにも津波の影響が出ていましたね。世界中の異常気象や自然災害としっかり向き合っていかなくてはいけないですね

自分と大切な存在を「守る」意識の再確認を。。。

7月末は酷暑と戦いながらの避難となり、心身共に疲弊をされた方が多かったことと思います。
そして、何が正解かわからない不安感にも苛まれましたよね。。。そういった中で、私たちは日々「生きる」ことを学んでいると感じます。

不確実な時代に生きる私たちが、安心して暮らしていくためには「整えながら生きること」「備えながら、楽しむこと」このバランスがとても大切です。
すべてを完璧にしようとせず、“できる備え”と“休む時間”の両方を、大切にしてください。

そして、大切な存在──人も、ペットも、そして自分自身も。
それぞれの命を守るための小さな行動が、未来への安心につながっていきますように。。。


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