COLUMNコラム

【自分の実力を出し切る】受験生のためのメンタルトレーニング③ 後編

みなさま、こんにちは。
所属メンタルトレーナーの森下です。

年も明けていよいよ、受験も本番に近づいてまいりました。
大学共通試験は明日からですね。受験される方は今からドキドキされていることと思います。

3回目のテーマは「実力発揮」です。
その中でも後編は試験当日、直前の心のコントロールについてご紹介いたします。

前回までの記事はこちらからご覧いただけます。

受験生のためのメンタルトレーニング① 勉強の質を高める 前編
受験生のためのメンタルトレーニング① 勉強の質を高める 後編
受験生のためのメンタルトレーニング② 本番で緊張しないために 前編
受験生のためのメンタルトレーニング② 本番で緊張しないために 後編
「受験生のためのメンタルトレーニング③ 自分の実力を出し切る 前編」

緊急事態宣言の影響で感染予防対策など通常の受験とは違った形になる部分もあるかと思います。
そうした状況でも焦ることなく自分の力を発揮出来るようにしっかりと準備していきましょう!

それではどうぞご覧ください。


不安とプレッシャーとの向き合い方

試験会場に到着したら不安やプレッシャーはピークに達してくることと思います。
今後の人生を左右する(と思っている)分岐点ですからそう思うのも仕方ありません。

僕自身も競泳選手時代に初めて全国大会、いわゆる大一番のレースに出場した時は
緊張しすぎて前日は寝れなかった思い出があります…

そのような場面で大切になるのが「不安」や「プレッシャー」の受け止め方です。

「緊張してる、ヤバイ、どうしよう…」
「合格できなかったらどうしよう」

不安やプレッシャーといった感情が出てきた時に、見て見ないフリをしたり、
「なんとか緊張を抑えなきゃ!」と感情と無理やり戦ったりしがちですがそれはむしろ逆効果。

不安を抑えようとしてもすぐにはおさまらないので、
「不安がおさまらない…ヤバイ…どうしよう」
というマイナスのスパイラルに陥ってしまいます。

感情を抑えようとしたり、見てみないフリをするよりも、「感情を受け止める」ということが大切です。
しかし、言うは易し行うは難しで、頭ではわかっていても実際にはどうしたら良いかがわからないかと思います。
まずは感情を受け止める方法をお伝えしていきますね。

そもそも不安とプレッシャーってなに

そもそもですが、みなさんは不安とプレッシャーの違いはわかりますか?
なぜ不安やプレッシャーを感じるかわかりますでしょうか?

まず、不安というのは自分の「内側」からから出てくるネガティブな感情です。
「合格できなかったらどうしよう…」
「点数悪かったらダメなやつだと思われてしまう…」
といったようなことです。
基本的にはまだ起きていない先のことに対してネガティブに考えてしまっています。

一方でプレッシャーというのは自分の「外側」の情報に対して感じるネガティブな感情です。
「絶対に合格しなければならない(という状況)」
「周りの人がみんな頭良さそうに見える」
「親の期待に応えられなかったら…」
といった感情で、不安が大きくなることでプレッシャーも大きくなっていきます。

すると防衛本能が働き、呼吸が浅く速く、心拍数が上がり、身体に必要以上の力みが生まれたり、
頭が真っ白になったりとパニック状態(過緊張)になってしまうのです。

僕は人前で話す時は結構緊張しがちでして。
学生の頃は目立ちたがりではあったのですが、いざ人前に立って注目されると緊張していました…

「ちゃんとしたこと話さないと」とか「あわよくば面白いこと言いたいな」とか
人からどう見られているか(外からの刺激なのでプレッシャーですね)
というところを気にしすぎて緊張していたように思います。

不安やプレッシャーを感じてしまう感情自体はコントロールすることはできませんが、
思考(どう考え、どう行動していくか)はコントロールできます。

感情をコントロールしようとすると、コントロールできないので余計に焦ったり緊張したりしてしまいます。
ですが、緊張しているけどそれをおさえるためにはどうすればいいのかということは考えることができます。

現在の僕は緊張していると感じたらその感情を受け入れ、セルフコントロールできるようになってきました。
緊張した時は自分の呼吸や心拍数に意識を向けるようにしています。
呼吸と心拍が速くなっていることを感じたら、
ゆっくり深呼吸をして心拍を数えるようにすると余計なことを考えずに済み少し落ち着いてきます。

みなさんも緊張した時にはぜひ試してみてくださいね。

感情ではなく、思考をコントロールしていくことによって、
不安とプレッシャーとうまく付き合っていくことが出来ます。

それが「感情を受け止める」ということなのです!

不安とプレッシャーと向き合う方法

試験当日、緊張してしまった時にセルフコントロールをできるように
どんな自分で臨みたいのかという「理想の心理状態の自分」を事前にイメージしておきましょう。

理想の自分と現在の自分のギャップを客観的に分析をして、
緊張してしまった時(理想ではない状態)に理想の自分に近づいていくためのプランを考えて準備していきます。
流れとしてはこのような形(例として)です。

①理想の自分の行動と思考をイメージする
・ワクワクした気持ちで受験に向かっている
・冷静で落ち着いた状態で試験に臨んでいる
・両親や先生に感謝の気持ちを持てている

②緊張している自分の感情はどうなっているかをイメージする(感情を受け入れる準備)
・合格できなかったらどうしようと不安になっている
・周りが気になって集中できない
・あれもこれも覚えようとしてしまって焦っている

③それによってどのような行動や思考になるかを予測する
・不安になってネガティブなことばかり考えてしまう
・焦ってしまって何から手をつけていいかわからなくなる
・集中できずにじっくり考えることができない

④自分の理想の行動や思考になるためにはどうすればいいかを決める(やるべきことを明確にしておく)
・深呼吸をしてリラックスをしよう
・アイ・コントロール法(目を使った集中)で、集中を切り替えよう
・今までしてきた準備を振り返ろう

という流れで、理想の自分の心理状態へ近づいていくための道筋を考えておきましょう。

実際に試験直前などは、緊張した時の対策方法を考えている余裕はないと思いますので、
事前に「自分は緊張するとどうなってしまうのか」「その時はどんな対策をするのか」
準備しておくことがとても大切です。

実際に緊張しているなと感じたら、それによって自分の考えや行動がどうなっているのか
客観的に観察してみることです。

僕自身が緊張したりイライラしたりした時に、冷静に客観的に自分を見つめるために
・呼吸や心拍に意識を向けること
・壁のそばに立って壁だけを見たり、目を閉じたりして周りの情報を遮断すること
・自分の心の中で感情を実況すること(おーっと、森下選手がイライラしているぞ!)
といったようなことをやったりします。

あくまでもこれは僕の場合ではありますが、何かの参考にしてみてください。

客観的に見れている時点で少しは緊張や不安も収まっているはずです。
跳ね除けずに受け入れることができたら、
事前に準備しておいた理想に近づくためのプランを実行するのみです。

ポイントはやるべきことを決めたら、その決断に意識を集中させることです!

不安やプレッシャーが大きくなって緊張してきた時は、
試験直前に闇雲に教科書を読んだり、単語を覚えたりするのではなく、
自分の感情と向き合い、今すべき行動や思考に意識を向けることで自然と緊張がほぐれていきます。

大切なのは結果よりも、自分の今までの努力の成果を十分に発揮すること!
みなさんの健闘をお祈りしています!


 

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Writing by 森下

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