こんにちは!所属精神科医のT.Sです(実名非公開)。
このコラムでは、
僕が精神科医として患者さんと接する中で手に入れ、磨き上げてきた様々な武器
つまりは「幸せになるコツ」
を紹介していきます。
読んでいただいた皆さんにとって少しでもタメになる記事をお届け出来るように、僕自身も勉強を深めながら楽しんで更新していきます!
どうぞよろしくお願いします!
さて、今日のテーマはズバリ、「心の健康と身体の健康の関係」についてです。
心の健康は、身体の健康あってこそ。うんうん、それは間違いない。
じゃあ、逆はどうだろう?
つまり、身体の方から心に働きかけることはできないだろうか?
これは僕が少し前から考えていたテーマでもあり、いつか記事にまとめたいなぁと思っていました。
そんな矢先…!
実は弊社メンタルトレーナー主導のもと、ダイエットメンタルトレーニングプログラムが近々始動することになりました!!
(詳しくはこちらのページを御覧ください)
このプログラムでは、ダイエットの目的を「ただ体重を減らすこと」に設定していません。
ダイエットを「自分の内面と向き合う手段」と位置づけ、外見の美しさとともに、「内面から溢れる美しさ」の獲得を目指します。
僕はこのプログラムの趣旨に全面的に賛同し、推薦文も書かせていただきました。今後どのように発展していくのか、とても楽しみにしております。
皆様も随時チェックしてみてくださいね!
では、少し話を戻して、心と身体の健康についてお話していきます。
心と身体は両輪である
僕の尊敬する上司は常日頃、「心と身体は両輪である」と口癖のように言っています。
心だけではダメ。身体だけでも駄目。
心と身体、両方の健康が備わってこそ、人は幸せになれる。
これは患者さんの経過を見ていても、当てはまるケースが多いように思います。
たとえば、疲れやすさ・頭痛・腹痛などの身体的な訴えが多かった患者さんが、筋トレの習慣が身についてくるにつれ、徐々にそういった訴えが減ってきて、次第に気持ちも前向きになってきたとか。
そして、僕自身のことを振り返ってみても、やっぱり「身体の疲れに心が引っ張られている」という経験は数多くありますし、なんなら当直業務が続いたつい最近こそ、特に実感していたりします。ちょっと僕の身の上話をしますね。
当直というのは、なにかあったときにすぐ対応できるよう病院に泊まる、いわゆる医師の夜勤を指します。
(ちなみに夜勤明けは休みにはならず、そのまま平常通りの日勤が始まるのです…)
一般的に、精神科は身体科と違って、頻繁に呼ばれるなんてことはまずありません。
下手すると朝まで一回も呼ばれず、「病院で寝ただけ」という日もあります。
だから僕、ちょっと過信していたんです。
“大して呼ばれないし、まぁ寝る場所が家から病院に変わっただけ、みたいな感じでしょ!
まだまだ若いし、お金もちょうど必要だし、入れるだけ入っといたほうがいいな!行ける行ける!”
その結果、週3とか週4とかで色々な病院の当直に入ったのですが、全然大丈夫じゃありませんでした。
たとえ仕事自体がそこまで大変じゃなくても、自分でも気づかないうちにやっぱり少しずつ疲れは溜まっていて、心もすり減っていたんです。
週に何度も家以外のベッドを転々として眠り、時には深夜に起こされたりなどして睡眠も不規則になれば、冷静に考えて疲れないはずがないんですけどね。
次第に身体の疲れが表面化してきたタイミングで、家族など近しい人たちと言い合いになるようなことが増えてきました。身体だけではなく、心にも余裕が無くなってきたのです。精神科医なのにお恥ずかしい話で、猛省している今日このごろです。。
身体を鍛えて得た自信は、心の健康に直結する
さて、僕が「メンタルとフィジカルの関係」「身体から心に働きかけること」について考えるにあたり、とある人物から非常に大きな影響を受けました。ここでは仮にAさんとします。
Aさんは、「放課後デイサービス」という、障害・発達の問題を持った子供たちのための福祉サービスを経営されています。
そしてそこでの指導・教育方針に、「フィジカルを鍛えることでメンタルを鍛える」を掲げているのです。
ちなみにAさんご自身、フィジカルの化け物です。
趣味はトライアスロンやサーフィン。オーストラリアと日本の二重生活を送りながら事業を展開していて、会う約束をすると大体「あぁ!そこなら近いんで走っていきますよ!」と、己の肉体のみでやってきます。笑
僕より一回り歳上なのですが、とっても礼儀正しく常に快活で、本当に尊敬できる人生の先輩です。
さて、Aさんの信念は「健全な身体が健全な心を作る」だそうです。
放課後デイサービスには、発達障害だったり、精神的に不安定だったり、様々な子どもたちがいます。もちろん、得意なことや苦手なことも違うし、やりたいことも人それぞれ。
でもAさんは、こう言います。
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そういうの関係なく、とにかく全員、走らせちゃいますね笑
凄いですよ、慣れてくると子供たち、5kmも6kmも平気で走るようになりますから…!
これは子供だけじゃなくて大人にも言えるけど、「◯◯なら負けない」っていう自信って、メンタルを強く持つ上で大切なんじゃないかな。
走ってるうちに自然と体力がついて、気づけば学校のスポーツテストなんかで驚かれるくらいにまで成長した子が、うちには沢山います。
何か一つの努力を継続して、その結果が自分にちゃんと返ってくる。
そのプロセスを一番身を持って体感しやすいのは、やっぱり身体を鍛えることだと思うんですよ。
たとえば勉強して成績を上げるとか、なにか新しい技術を身につけるのって、やり方の良し悪しで行き着く先が違ってきたりしますよね。
でも身体を動かすって、すごく単純なことなんです。動かせば動かすだけ、身体はそれに応えてくれる。みんな同じように成長できるんです。
その積み重ねは必ず自信に繋がるし、その自信はメンタル強化を絶対に助けてくれるんじゃないでしょうか。
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当時駆け出しの精神科医(今もひよっこですが…)だった僕は、どうしても「精神が!心が!」という思考に陥りがちでした。
だからこそ、この考え方には結構な衝撃を受けたと同時に、「あぁ本当にその通りだな…」と感銘を受けたのです。
コロナストレスに負けないために、フィジカルを鍛えよう
とある研究によると、運動をする習慣がまったくない人は、週に1〜2時間の運動をしている人に比べ、うつ病発症のリスクが40%以上増加するという報告もあります。
そしてこのコロナ禍で、これまで続けてきた運動習慣を奪われて抑うつになってしまったという人が、僕の患者さんの中にも大勢います。
改めて、まずは「心と身体は両輪である」ことを意識してください。
身体が疲れているならしっかりと休めなければいけませんが、本当は疲れを自覚する前に自分で休息を設定するのが理想です。
無理に仕事や予定を入れずに、ぼーっと時間を過ごす日を敢えて作ってみてください。
好きなコーヒーを飲み、趣味の時間を楽しみ、好きな食べ物を食べ、湯船にゆっくり浸かり、夜は早めに寝てしっかり睡眠時間を確保する。
そんな1日を定期的に挟むだけで、心と身体の調子は格段に良くなるでしょう。
そして身体を休めるだけでなく、身体を鍛えるという習慣も、多くの人のメンタルヘルスにとってプラスに働くかもしれません。
なぜならAさんも言っていたように、「努力を継続して、その結果が自分にちゃんと返ってくる」というプロセスを最も実感しやすい方法の1つが、体力づくりであり、身体を鍛えることです。(全員がボディビルダーを目指す必要はありませんが)
ただ、「その運動習慣が身につかないんだよ!」というお悩みを抱えている人も多いかと思うので、習慣を身につける方法は今後の記事でも触れていきますね。引き続きチェックしてみてください。
また、冒頭にもご紹介した弊社のダイエットメンタルトレーニングプログラムも存分にご活用いただければと思います。
自分の身体と向き合いながら内面も磨ける、とても良いきっかけになるはずです。
ワクチンが広まってきたとはいえ、まだまだコロナに苦しめられる日々が続きそうです。
出来る限り、無理のない範囲で構いません。身体のコンディションを整えて、心の健康を維持していきましょうね!
それでは、また次回のコラムで!
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