みなさま、こんにちは。
所属メンタルトレーナーの森下です。
みなさんは「やる気を出して」と言われたらどのようにやる気を高めますか?
例えば、
・大声を出す
・いつもより作業スピードを上げる
・姿勢を良くする
・自分にご褒美をあげる
といったやる気の高め方をされてる方もいらっしゃると思います。
私自身は学生時代に競泳の選手をしていましたが、
よく身体を手のひらでパンパンと叩いてやる気を高めようとしていました。
中には、子供の頃に「テストで◯点取れなかったらおこづかいなし!」
というような罰を避けるためにやる気を高めさせられていた人も多いかと思います。
今でもよくありがちな、ご褒美をあげてやる気を高める方法と罰を避けるためにやる気を高める方法、
いわゆる「飴と鞭」は本当にやる気を高める効果はあるのでしょうか?
やる気には「外発的動機付け」と呼ばれる「やらされている」やる気と、
「内発的動機付け」と呼ばれる「自ら進んでやっている」やる気の2種類に分けられます。
外発的動機付けは、自分以外の何かから刺激を与えられ高まったり下がったりするやる気のことを言います。
例えば、
▼外発的動機付け
「怒られるからやる」「褒められたからやる」「お金のためにやる」「罰を避けるためにやる」
「周りからの評価のためにやる」「親の期待に応えるためにやる」といったようなことは外発的動機付けになります。
逆に、
▼内発的動機付け
内発的動機付けは自分の内面から湧き出てくるやる気のことで、
「楽しいからやる」「もっと上手になりたいからやる」といったものになります。
飴と鞭というのは、外発的動機付けの典型的な例です。
飴というご褒美が欲しいために頑張る、鞭という罰を避けるために頑張る、
といった外発的なアプローチでは、やる気は一瞬は高まりますが長くは続きません。
ご褒美や罰があれば高まるのですが、それがなくなった途端に一気にやる気が下がってしまうのです。
また外発的動機付けには「エスカレート性」という特徴があり、
だんだんと報酬や罰といった刺激を増やしていかないと成立しなくなってしまいます。
例えば、「この試合に勝ったらお寿司をご馳走してあげる」と言われたとします。
その時は「やった!お寿司だ!」とやる気が高まりますが、
それが何度も続くと「またお寿司かよ」となってしまいますよね。
罰にしても同様で、最初は怒鳴られて怖くてやらされていたことも、
だんだんとその刺激に慣れてしまい「また怒鳴ってる、はいはい」と、
怒鳴られたくらいではビクともしなくなってきます。
すると次は、ビンタをするとか殴る蹴るといった具合に刺激を高めなければいけなくなってしまいます。
(これが体罰問題の1つの原因として考えられています)
「飴と鞭」という外発的な動機付けは、その場はやる気が高まりますが、
長くは続きませんし刺激を与え続けないと高まらないということがわかってます。
ご褒美や罰でやらせるアプローチは手っ取り早い方法かもしれませんが、
なるべく「好き、楽しい、上手くなりたい」という内発的動機付けが高まるような
アプローチをしていった方がやる気の質は高まっていくのです。
次回は、「どんな時に内発的なやる気が高まるのか」をご紹介したいと思います。
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