COLUMNコラム

【子どもから大人までみられるこころの現象】『受診先の選び方』について思い巡らしてみる④(手続き・予約のあり方)

🔶はじめに🔶

みなさん、こんにちは。所属カウンセラーの安澤です。
またまたまた…2か月ぶりくらいになりますm(__)m

暑い日が続きますね。
みなさま、日射病、熱中症、脱水症状…などに気を付けながらお過ごしでしょうか。

日本の西の方から段々と梅雨が明け、直近で関東地方や東北地方で梅雨明けが宣言されました。
とはいえ、温暖化の影響が大きいようですが、もはや亜熱帯地域のような、酷暑続きの日々と突然のスコールのようなどしゃ降りの雨。

これらは、日本の気候や「春夏秋冬」という季節の流れが失われつつある象徴的な現象の1つなのだろうと、素人ながらに感じています。そして、いずれは暑いか寒いかの二極化の天気になるのだろうなと思い巡らしています。

ここ2~3年は、私のコラムでも感染症や自然災害への危惧についても触れてきましたが、いずれの問題も毎年あらゆる地で転々と繰り返されていることを案じるばかりでいます。
この酷暑の日々に対しても、ご自身なりの予防や対策で、充分にご自身の心身を大切になさって下さいね。
私も、改めて自分で出来る予防と対策を実践し、日々の生活に支障が出ないよう努めることに集中していくしかないと考えています。

さて、夏休みに突入した子どもたちも多いでしょう。ゆっくりとご自身を休ませたり、大いに遊んだりして心身の充実に充てる人もいれば、部活動や補習・夏期講習といった学業、そして様々な地域活動や家族の手伝い、そしてバイトなど、変わらず多忙な毎日を過ごす人もいることでしょう。

また、不登校の子どもたちの中には、一時的にみんなが登校する期間ではなくなったことで、もしかしたらホッとする人もおられるかもしれません。そして、気分的に外に出やすくなったり、何をするにしても少しだけ意欲的に思えたりすることがあるかもしれません。

大いに、自分らしく、ゆったりと、リラックスして過ごして下さいね。

いつも神経を遣ってきた人もいると思います。その気疲れを、この夏休みでたくさん取り除いて、少しでも「楽しいな」「面白いな」「ホッとした」「楽だな」「疲れた~」「~しよう!」など、遠慮なく気持ちを出して下さいね。

いつも序文で長くなってしまい、大変申し訳ありませんが、最後にもう1つだけ触れておきます。
この7月で安部元首相がお亡くなりになって早3年が経過しました。

安部元首相に対しては、様々な方が、色々な思いを、賛否両論のお考えをお持ちでしょうが、やはり日本のリーダーの突然のご逝去は衝撃的な出来事でした。

当時、このコラムでも「対象喪失」のテーマを急遽取り上げ、喪の作業(モーニングワーク)について触れました。

今一度、弔いの意を込めて、「対象喪失」のコラムを下記に貼り付けます。
【学齢期の子どもの心理:番外編】『対象喪失』と『モーニング』について触れてみる

みなさまの心の中には、様々な喪失体験があるだろうと思います。
季節の変化に伴う喪失、体調不良による喪失、生活の変化による喪失、大切な人を失くす喪失、生き別れでの悲哀…いろいろ。

喪失・悲哀も多様ですが、ご一読されてない方にも、ご自身の中で「対象喪失」について考えてみる機会になれば幸いです。

「失った現実」を「共にした過去」という感覚に…。

しっとりと序文が終了致しましたm(__)m

 

さて、本題にようやく突入しますm(__)m

今回もシリーズの続きとなる「受診先の選び方④」です。「大前提」の部分は、毎回確認していただきたいことですので、念押しさせていただきます。

前回のコラムを含め、これまでの本シリーズのコラムは下記からも御覧いただけます。本シリーズ初回のコラムには、「大前提」がより詳しく書かれておりますので、宜しかったらご覧下さい。

➡『受診先の選び方』について思い巡らしてみる①(受診先を選ぶ時のポイント/立地条件)

➡『受診先の選び方』について思い巡らしてみる②(受診先を選ぶ時のポイント/受診時間)

➡『受診先の選び方』について思い巡らしてみる③(受診先を選ぶ時のポイント/受診先の規模)

 

なお、再三再四の宣伝で恐縮ですが、昨年、弊社より私が監修させていただいた「不登校・ひきこもり支援アドバイザー講座」が刊行されています。一人でも多くの方々に対応の一助、エッセンスをお伝え出来ていれば幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。

「不登校・ひきこもり支援アドバイザー講座」

 

 

大前提

今回も大前提の内容は、繰り返しになりますが、記載致します。

ここで扱う「受診先」というのは、「精神科」や「心療内科」、そして「小児科」といった、こころの問題や発達の問題、そしてこころから影響を受けた身体症状などを扱う診療科となります。

また、「どこの受診先がいいか」、「どこの病院が良くないか」、「どこのクリニックならすぐに診てくれるか」、「どこのクリニックは診察まで遅いか」などで考える方も多数いらっしゃると思います。

しかし、ここで扱う内容は、良いとか悪いとか二極化して考えることではなく、私たち自身が診察を受けるに当たり、「どのようなポイントを考慮すると良いか」、ということです。

受診先を選ぶ時に大切なことは、「私たち自身が何となく思っている、望んでいる、自身に見合った条件を明確化(見える化)すること」です。

どんなに素晴らしいと言われている病院でも、どんなにすぐ診てもらえるというクリニックでも、
「自分に合っているかどうか」、即ち、「自分の求めているポイントに当てはまるかどうか」が凄く大切でしょう。

その観点を明確化して、少しでも私たち自身の時間を効果的に用いるために、以下に「受診先の選び方」について、引き続き述べていきます。

受診先を選ぶ時のポイント

下記の図(図―1)のように、多くの条件があるとは思いますが、主に6つに絞って、説明していきます。その6つは「立地」、「受診時間」、「受診先の規模」、「手続き」、「主訴」、「条件」にしていきます。他にも多数あります。しかし、その中でも「これは!」というポイントを見える化して、選ぶ時にすぐ浮かべられるようにしていきましょう。

図-1 受診先を選ぶ時のポイント

 

手続き・予約のあり方

今回は、「手続き・予約のあり方」について取り上げます。

この観点も、あまり考えない方もおられるかもしれません。楽な予約方法などを「受診先の選び方」として決める場合もありますが、どちらかというと、“受診予約する際のポイント”となります。頭の片隅に入れていただければと思います。

風邪をひいた時やインフルエンザに罹った時などには、私たちには近隣にかかりつけ医がいることが多いのではないでしょうか。子どもが罹患した場合には、保護者がかかりつけの小児科に連れていくでしょう。

では、精神科や心療内科についてはどうでしょうか。「かかりつけ医」という存在が近隣にいるという人の方が少ないのではないでしょうか。
「精神科」や「心療内科」というと、良し悪し問わず、どうしても“構え”が出来てしまい、一歩踏み込めず、予約までに時間を要した人もいらっしゃるのではないでしょうか。

まず、念頭に置いていただきたいのは、診療科が違うだけであり、「気になる症状があるから受診する」ということは、他の診療科での受診と概念的には全く同じだということです。

心情的に受診予約までに時間がかかるのは、こころの問題と向き合うため、普段とは違う受診先であるため、「ためらい」が生まれ、「間」が出来ることも理由の一つに挙げられるでしょう。

ただ、そうかといって、風邪やインフルエンザと同じように、放っておく訳にはいきません。それだけ辛い時間帯が続きますし、軽快するのも遅れるからです。

こころの問題は、身体の問題と違って、見えないものも多いので、問題を見出すまでにも時間がかかります。

そして、内科的なものなのか、外科的なものなのか、器質的なものなのか、環境的なものなのか、それ以外なのか…など、除外診断をしていくことも大切であり、「こころ」の問題かどうかの判断に辿り着くまでに時間を要することもあります。

これらのことからも、受診予約・手続きについては、以下の3点を踏まえて、ご判断していただくことが大切と考えます。

🔷精神科・心療内科は混雑していること

予約してから受診までに、中には数カ月かかる病院・クリニックもあります(予約が取りにくい飲食店と同じ感覚と捉えていただいてOKです)。どれくらいの間隔で受診が出来るかどうかは、受診を考えている病院やクリニックのHPを確認したり直接連絡して聞いてみたりするのが最も正しい情報が得られます。

病院やクリニックによっては、「混雑」という意味が、実際に待合室での混雑に繋がる場合もあれば、あくまで初診枠や予約枠が決まっておりその枠を予約するのに時間が掛かることを意味する場合もあります。診察時間帯を確認しておくことも大切でしょう。

🔷複数の予約方法があること

もともとは電話予約や直接訪ねるだけでしたが、現在では電話予約の他に、受診先指定のメールアドレスやSNSを通じたオンライン予約も出来るようになりました。ご自身でやりやすい予約方法が可能な受診先を選ぶことも大切でしょう。それぞれにメリットとデメリットがあると思われます。

話すのが苦手な人にとっては、電話は苦手でしょうし、とりわけこころについて直接伝えることに抵抗があるでしょうから、メールやSNSの方が気持ちが楽かもしれません。他方、メールやSNSの操作が苦手な方にとっては、電話や直接訪ねることが手っ取り早いでしょう。

最近は問診票も来院してからではなく、HP上にある指定されたページに進み問診票を記入したり、ダウンロードして書き込んだり、SNSで操作しながら問診票を作成したりするパターンもよく見かけます。

こういう予約の手続きの特徴から、ご自身に合っているかどうかを見極めていくことも一案となります。

別の視点では、紹介状があれば、大学病院や総合病院のような大きな病院にスムーズに繋がることも出来ますが、セカンドオピニオンとして予約される方もおられるでしょう。ただ、受診先によっては、事前から通院していた受診先の紹介状が必要とする病院・クリニックもなくはないです。

これらの手続きのあり方についても良く考えた上で、受診先をお決めになるのも良いでしょう。

🔷予約はしておくに超したことはないこと

受診予定先が混雑している可能性があるため、複数のクリニックなどを予約しておくことが良いでしょう。仮に、複数予約が取れたとしても、先約のクリニックに行ってみてのご自身の感覚と印象で、他の受診先への受診を決めることも一案です。

最初の受診先で決まれば、以後の受診先はキャンセルすることも視野に入ります。その際には、キャンセルをしなくても大丈夫なところと、キャンセルをしなければいけないところもあります。

また、予約料の事前徴収やキャンセル料がかかるなどのルールを定めている病院・クリニックもあるので、細かいこともかもしれませんが、予約時にHPや直接の連絡を通じて、しっかりと確認しておくことをお勧めします。

私がここで最も申し上げたいのは、「受診先の確保」です。

確保をしておかないと、いつまた予約出来るか分からない状況が続きます。それは、ご本人、そしてご家族にとって、しんどい状況が続くことを意味します。もしかしたら希望の受診先ではないかもしれませんが、それでも予約をして抑えておくことが大切です。受診して見たら「ここで良かった!」と思う場合もありますから。

その間に、また様々なところで情報収集して受診先をそのままにするか変更するかは、受診されるご本人やご家族の意思で決められるものです。

予約したのに申し訳ない、失礼だとか言っている場合ではありません。何よりも、ご自身のこころとくらしを第一に考えるための、ご本人やご家族にとっての最善の策を取っていただきたいと思います。

ためらい、戸惑いはあるかもしれませんが、一生のものではありません。しかし、心身の崩れは、一生のものになってしまうリスクがあるのです。ぜひ受診をお考えの方には、何が一番大事かをお考えのもとで、ご判断されて下さいね。

🔶さいごに🔶

今回は、「手続き・予約のあり方」というテーマを取り上げました。

あまりに実務的な内容で、心理コラムかと言われると微妙だったかもしれません。
ただよく話題として上がる実利的なテーマでもあるため、手続き・予約のあり方についても触れました。

子ども自身が予約する場合については、ここでは取り上げませんでしたが、基本的には保護者同伴が原則です。ただ、高校生のみでの通院、あるいは子どもだけでも受診することをOKとする受診先がまれにあります。また、第三者と子どもでの受診をOKする病院・クリニックもあります。

とはいえ、様々な事情や状況を鑑みると、保護者と話し合い、受診予約について決めていただくことが望ましいでしょう。

以上、今回の内容を念頭に置いていただきながら、受診の手続き・予約をしていただければ幸いです。

それでは、また次回にお会いしましょう!!

🔶補遺🔶

今回も補遺として戯言を綴ります。

私は根っからのGLAYファンです。ファン歴は28年になります。

先日、GLAY結成30周年の最後を締めくくる東京ドームでのLIVEに参戦しました。
色々と予定やら作業はありながらも、これだけは譲れないと思い、久しぶりにGLAYの生の歌を聴き、共に歌い、身体を動かしてきました。

GLAYを語りだすと、他のファンにも負けない位に語り出してしまうため、割愛致しますが、とにかくスッキリしました。

たまには、こういう場にも足を運ばないといけないなと思いました。

もはや30周年でもあり、GLAYファンの年齢層も私を含めて上がるのは必然です。しかし、若者のファンも多くいながらも、私も周囲の年配の方も、みんなノリノリになって全身を動かしながら、声出しながら、郷愁に浸りながら、歌い続けていた訳です。その姿は、若者を凌駕しているように見えました。リアルに。

他方、ドームLIVEに参戦する度に、いつも心の中で、「集団凝集性」と「帰属意識」の意義を考えています。1つのカリスマと、それを取り巻く似通った志向を持つ人々が結集することで、固い結束が生まれ、全体で1つの大きな力と空気感が醸成されます。

あの感覚は、1人では絶対に作れない現象な訳ですが、その「集団凝集性」によるパワフルさと、「所属感」による安心感が、個々の気持ちを昂らせ、見えない何かに向かって、あるいは一体感を得て、その場全体の空気を支配する訳です。

改めて、凄いなと感じました。

LIVEの時間、これらのことを思い巡らしながら、聴き入る、沁み入る感覚を久しぶりに体験出来ました。

GLAYの歌を聴いて郷愁性を感じ、時にゲストのHYDEさんの圧倒的なカリスマ性に傾倒しながら、精神が満たされた時間を過ごすことが出来ました。

私は、しょうもないほどの簡素な内容でしたが、卒論で「集団力動」について取り上げました。このグループダイナミクスの効果が凄まじいことは、理論的にも、体験的にも感じているところです。

こういう「場」があること。
帰属感を抱けること。
「自分にはこれがあるんだ」と思い続けられること。

これらの感覚を改めて振り返れた機会ともなりました。

みなさまにとっては、どんな「場」がそれに当てはまるでしょうか。

「ちょっと疲れた」、「辛かった」、「苦しかった」、「重くなった」、「嫌だ」…などなど、
何かしんどくなった時に「戻れる場」を今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

「場」にせよ、「個人」にせよ、こころの中に宿っている安心する対象を、ふと思い浮かべ、ホッとするようなことを思い出してみて、気持ちを浄化してみて下さいね。

これで、今回のコラムは、「はじめに」から「補遺」まで、一定程度「一貫性」を設けられたでしょうか(笑)

それでは、ここまでご一読していただいた方、お付き合い下さり、ありがとうございましたm(__)m

🔶お知らせ🔶

親子関係の問題、お子様とのかかわり方、育児、DVのほか、発達段階(幼児期、児童期、思春期、青年期、壮年期)、発達面の課題、非行、ひきこもり、ストレス・不安・躁うつ・強迫・依存など様々な精神症状に関すること、自己理解、対人スキルといった個人や関係性に関わる内容、不登校、いじめ、特別支援、高校への進路支援など学校と関連する内容など、様々なご相談に対応させていただきます。

昨今、ポスト・コロナの時期において、閉鎖的な風潮も依然ある中で、お1人に悩まれ続け、辛い思いをされている方も多くおられると思いますが、1人で抱え込まず、誰かに吐きだして、少し軽くなったり、気持ちに余裕が生まれたりしていくことも時には必要かもしれません。

人それぞれ必ずご自身で考える力は備えられています。しかし、精神的に余裕がない時には、その力を発揮することが難しくなります。ちょっとだけ、ゆっくり、じっくり、のんびりと、呟いたり、ご自身と見つめ合ったり、共有したりすると、ほっこりと、リラックス出来て、ご自身の感じる力や考える力が身についてくれれば何よりです。

何か思うところがありましたら、いつでもご相談をお受け致します。

🔶「強迫」について考え続けてみるシリーズ(中断中)🔶

【子どもから大人までみられるこころの現象】「強迫」について考え続けてみる①(「強迫」とは…)

【子どもから大人までみられるこころの現象】「強迫」について考え続けてみる②(強迫観念①)

【子どもから大人までみられるこころの現象】「強迫」について考え続けてみる③(強迫観念②)

【子どもから大人までみられるこころの現象】「強迫」について考え続けてみる④(強迫観念③)

【子どもから大人までみられるこころの現象】「強迫」について考え続けてみる⑤強迫行為①)

🔶過去の記事🔶

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過去の【学齢期の子どもと心理】コラム by 安澤 好秀

Writing by 安澤 好秀


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