みなさま、こんにちは。メンタルトレーナーの森下です。
先日、イチロー選手が日本人として初のメジャーリーグ殿堂入りを果たしましたね。メンタルトレーニングの講義をする際に、よくイチロー選手を例に出したりしていることもあり、僕自身もこの快挙はとても嬉しく感じています!
最近はネガティブなニュースだったりが多い中で、こうした明るいニュースは素晴らしいですよね。
もっとそういうニュースを流せばいいのになぁ。
イチロー選手が殿堂入りをした際の記者会見で、素晴らしい(イチロー選手らしい)コメントだなと感じた部分がありました。
「不完全であるというのはいいなって。生きていくうえで、不完全だから進もうとできるわけでね」
なぜそのような発言に至ったのか、イチロー選手だからそういう発言ができるのか、その考え方を一般の方へ落とし込んでいけるのか、メンタルトレーニング的に解説していきたいと思います。
どうぞご覧ください!
足りなかった一票
「メジャーリーグ殿堂入り」は日本人初の快挙。(日本のプロ野球でも殿堂入りしています)
イチロー選手の今までの努力と輝かしい功績がアメリカでも評価されたことは1ファンとしても素直に嬉しいです。
ちなみに全米野球記者協会に在籍10年以上の記者が成績、品格、チームへの貢献度などを考慮して投票し、75%以上の得票で殿堂入りとなるそうです。
今までの功績からの事前予想では、”満票”での殿堂入りが有力視されていましたが、開票をしてみると満票まで一票足りない投票率99.7%での殿堂入りとなりました。
満票でなくても基準を満たしているので、当然ながら「殿堂入り」にはなるのですが、みんなが「満票での殿堂入り」期待していたからこそ、「投票しなかった記者は誰なんだ問題」や、「殿堂入りの選考基準を明らかにしろ問題」などの声が上がります。
(そういう問題が起こること自体、イチロー選手の凄さを物語っているのではないでしょうか)
そこで、イチロー選手の殿堂入りの記者会見が注目を集めます。
殿堂入りしたことについてはもちろん、世間の気になっていることとしては”満票”ではなかったことに対して、イチロー選手がどう思っているのかです。
そんな中、さすがはイチロー選手。まさに”イチロー節”の素晴らしい記者会見を見せてくれました。
「1票足りないというのはすごく良かったと思います。不完全であるというのはいいなって。生きていくうえで、不完全だから進もうとできるわけでね」
普通だったら完璧、完全の方が良いと思うかもしれません。
でもイチロー選手は強がりではなく、きっと本心から「不完全でよかった」と思ってるはずです。それはなんででしょうか。
不完全の美学
イチロー選手の話からは少し逸れますが、スペインにはサグラダファミリアという未完成の建造物があります。
なんと1882年から作り始めてまだ建築中という。そして予定通りに行けば来年完成するそうです。
未完成が故に「いったいこれはいつ出来るんだろう」「出来上がったらどんな感じになるんだろう」という、観る人の好奇心とワクワク感をくすぐるわけです。
もしこれが完成したらどうなるでしょう。
「うわぁ、すごいなぁ!」と感動はするでしょうけど、未完成の頃にあった、想像力を掻き立てられるワクワクするものはなくなってしまうのではないでしょうか。
他にも僕の大好きなONE PIECEもおなじです。(ちなみに毎週、少年ジャンプを買って読む派です。心は少年!)
まだまだ回収されない伏線がたくさんあって、今後の展開がどうなるかわからないからこそ、「おれはこうなると思う」「どうなるのかな」と考察談義やワクワクが止まらないわけです。
それがONE PIECE人気の大きな部分を占めているのは確かで、話が完結してしまったら考察の話は終わってしまいますから、
僕はストーリーの結論を知りたい気持ちと、終わらないでほしい気持ちが混在しています。
もちろんサグラダファミリアやONE PIECEと、人生やスポーツでは少し意味合いが違うのかもしれませんが、「目標達成に向かっていくもの」という点ではおなじですよね。
その中で、「完成すること、完結すること、目標を達成することだけが目的になってしまうと、それが成し遂げられた時に一気に気力がなくなってしまう(バーンアウト)」も想定できます。
例えば、テレビゲームが好きな人は共感してもらえるかもしれませんが、全クリしたりアイテムを全部集めたりするまでが楽しいじゃないですか。
それを全部達成した後にもその楽しさや興奮が続くのかと言われたらちょっと微妙です。
それとおんなじで、完成すること、完結すること、目標を達成することだけが目的になっている場合、目標(ゴール)を達成した瞬間が「よっしゃー!」「楽しい〜!」という感情はピークとなり、その感情は次第に下がっていく傾向がある人もいます。
完成に向かうプロセスが楽しい
つまり、楽しさを継続していくためには「完成に向かうまでのプロセスに楽しみを見出すこと」が大切な要素のひとつになります。
「1票足りないというのはすごく良かったと思います。不完全であるというのはいいなって。生きていくうえで、不完全だから進もうとできるわけでね」
まさにイチロー選手はプロセスを楽しむマインドですよね。
プロセスを楽しむマインドセットになれているということは、ゴールに向かうための努力やチャレンジを楽しめているということです。
「努力=苦しいもの、何かを犠牲にすること」であったり、「チャレンジ=失敗するかもしれない」と感じたり思ったりしてしまう人もいるかもしれません。
決してそう思ってしまうことが悪いということではなく、人間なんだから苦しいと思うことも不安に思うことも当然あるでしょう。
完璧な人間なんていません。僕の知る限りオリラジのあっちゃん(パーフェクトヒューマン)くらいです。
だからこそ「不完全」だっていいんです。というより不完全で当然なのです。
不完全を認めて受け入れた先に、より良くなるためにはどうしたら良いのかを考えていく中で、
その過程(努力やチャレンジ)すらも楽しめるのであればさらに成長できるし、結果も自然と出てくるものです。
もし何かを達成したのであれば、自分の成長とともに目標も成長させて、満足することなく常にハングリー精神を持っていくこと。人生を楽しんでいくためには、ある意味「不完全」である(と思っていた方が)よいのかもしれませんね。
おまけ
ということで、不完全な僕は年末年始の不摂生でなんとも言えないワガママボディになってしまったので、
先月(正月が終わってから)からトレーニングを再開いたしました。(頑張るぞ!)
今回から、コラムの最後に森下のダイエットの経過と体重の推移を晒していきたいと思います。
ダイエットといっても特にこれといって変わったことをするでもなく、適度な運動と栄養バランスを見直すために「マイルール」を作りました。
マイルール
①1日最低30分は運動する時間を確保する(ジョギング、水泳、筋トレ、ストレッチなど)
②甘いものは午前中に限りOK(菓子パンは禁止)
③コーヒーはブラックのみ
④毎日体重計に乗る
⑤なるべくタンパク質を取れるものを食べる(小腹が空いたらゆで卵)
まずは意識すれば守れるマイルールを続けて経過を観察、習慣化を目指していきます。
と、この1ヶ月で早速数値にも変化が出てきました。
1月4日→80.1kg
2月4日→76.6kg
体重はあくまで指標ではありますが、どことなく走っていて体も軽くなったような気が。
これを今年1年続けたらどうなるのか。しばしお付き合いいただければと思います!!
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