皆様、こんにちは
メンタルヘルスケア&マネジメントサロン代表・公認心理師の小高千枝です。
先日、4日間にわたりFMラジオ J-WAVE『JAM THE WORLD』にてインポスター症候群について
お話をさせて頂きました。(コーナーでのコメント出演です)
https://odakachie.com/info/media/8648/
お伝えさせて頂きました内容の詳細をブログ記事としてご紹介をさせて頂いております。
【インポスター症候群-①自己肯定感の弱さ・自分の能力を信じられない心の状態】
https://odakachie.com/chie_blog/8694/
2回目の今回は【インポスター症候群になる要因】についてお伝えさせて頂きます。
______________________________________________
インポスター症候群の講演や講義を行うと「私かも。。。」と仰る方が大半です。
皆様へ恐怖心を抱かせたり、脅かしている訳ではなく、それだけ身近なことであり
要因となる得ることが、何気ない日常の中で繰り広げられているということをまずは、お伝えさせて頂きます。
【インポスター症候群になる要因】
<心理的背景>
成長・進化することへの抵抗感 ⇒ 変わらない自分の受け入れをすることでの防衛機制
▽周囲からのねたみや嫉妬を受けること、ハラスメントを受けること、孤独になることへの恐怖(SNSなどの影響など)
▽失敗したことを想定しての強迫観念(ラベリング)
▽仕事量の増加やスキルアップへの期待と不安、高度な業務が与えられることへの抵抗感
(ワークライフバランス、結婚、妊娠、出産、子育てなど生活とのバランス、ロールモデルがいないことへの抵抗感)
など
<文化的背景>
幼少期の教育環境・社会制度による要因
▽幼少期から周囲との比較や同じように振舞うことを教育されてきた(同一視、比較)
▽自分よりも他者を尊重すること。他者の成功、チームや組織を優先する意識の強さ(自己犠牲的)
▽女性性の強要。奥ゆかしさ、謙虚さのはき違い(性役割)
▽女性活躍を推進する社会的風潮により周囲からの期待が増すことへの負荷。パフォーマンス的に扱われる。
⇒ハラスメントを受けることによる自尊心の低下
(ハラスメント問題、失敗回避動機、成功回避動機※成功不安)
皆さんはいかがでしょうか?
何か当てはまるものはあったかと思います。
ただ、前述通りビクビクと怖がる必要はなく、ゆっくりとご自身を俯瞰し受容して頂きたいと思います。
私自身のお話になりますが
2010年に離婚とビジネスパートナーとの別れと「別れ」を2つ同時期に経験しました
生活環境に大きな変化が訪れるとともに、仕事が急成長したことへ
自分自身が一瞬ついていけなくなったことがありました。
周囲からは「成功している」と思って頂けるありがたさと、期待に応えたい気持ちでいっぱいでしたが
「成功」の概念がわからなくなり、マスコミ出ているから?本を出版したから?
一見華やかで順風満帆に見えている状況とは裏腹に、私自身素直に喜べていない自分もいました。
比較的環境への順応性はあるタイプです。
気力、体力ともにある方ではあるかと思いますが
「本当の自分」「在りたい自分」をその都度確認作業しながらの日々でした。
インポスター症候群の入口もしくは、すでに両足は入っていたのかもしれません。
全身すっぽりと浸かる前に、そのスパイラルから脱出しては心身の整理整頓と浄化を繰り返し
2016年までに、少しずつ自分の世界観を取り戻し(成長とともに変化し)
ぶれない軸、確固たる自分の在り方を築き上げることができたと思います。
この6年間は多くの経験と知識を得ることができた大変ありがたい時期でもあり、
自分との戦いの中でインポスターにならないための方法を導き出した
貴重な時間でもございました。
弊社のクライエント様は女性が8割です。
キャリア女性だけではなく、主婦や子育てをされているママ、独身の女性
様々な立場の方がクライエント様にいらっしゃいますが
皆さん個々の環境における日々の変化や周囲の期待に翻弄し
情報主義社会ともいわれている多くの情報から自分にあった選択に戸惑いを感じ
居場所感を感じることができずにいらっしゃる方が多いです。
そういった現代人の傾向から
インポスター症候群の入口に迷い込んでしまっている方が増えてきているようにも感じます。
選択肢が多いからこその悩み。
それでは、日常生活にどのような影響が出てしまうのかについてお伝えします。
【インポスター症候群になると日常生活にどんな支障が出るのか?】
普段、自信の有無や自己否定に陥っていない方でありましても
何かをきっかけに自己評価が低くなることもあるかと思います。
また、幼少期からの影響などもあり元々自己肯定感が弱い方もいらっしゃるでしょう。
そういった方がインポスター症候群になってしまうと
自己評価の低さ(自分自身には能力や魅力がないという思い込み)から
仕事に成果を出したとしても、その「成果」「成功」の事実を認めるのではなく
過程・プロセスにおいて発生した小さな欠点などマイナス面に執着し
「私は本当ダメなんだ」「自分の成功とは思えない」と、自己承認ができなくなります。
また、失敗をしてしまうと、自己嫌悪に陥り、負のスパイラルに巻き込まれてしまうのです。
抑うつ的自己意識(自分自身を抑えつけた精神状態)の状態になるため
成功しても失敗をしてもマイナス面へ意識を向け、更に自己評価を下げてしまいます。
実力があり、他者に認められていたとしましても
この過小評価してしまう傾向が、仕事・プライベートともに影響が出てくることもあり
パートナーや子どもとの家族関係や恋愛・友人関係などの人間関係
趣味など好きなことへ楽しく取り組んでいたことへも
「できないかもしれない」「私にはやる価値がない」とネガティブな気持ちを抱き
閉鎖的になってしまうとも言われています。
反省することや理由があって自分を戒めることなどは決して悪いことではございませんが
あまり追い詰め過ぎてしまうことは、ご自身が苦しくなるだけです。
次回は【インポスター症候群だと思ったらどうすればいいのか? 】についてお伝えさせて頂きます。
「私。。。インポスター症候群かも」と思われても怖がらずに解決策を見出していきましょうね。