こんにちは。所属カウンセラーの船山です。
今回は、前回の記事で予告しておりました通り、「がんばり表」を使いこなすポイントについてお伝えさせていただきます。
「がんばり表」についての説明は、前回の記事に記載しているので、そちらをご参照くださいませ。
「がんばり表」を取り入れて、楽しく子どもの課題を解決しましょう
私が実際に現場で使用する際に、まず悩んだことが「目標設定」です。
保護者側が困っていることは沢山あるけれど、どれもお子様にとってはハードルが高いと感じる目標設定が多かったです。
例えば、
・不登校のお子様に、学校に行ってほしいと願う保護者側の希望が強く【学校に行けたらシールをあげる】
・ご飯を食べるのに1時間かかってしまうお子様に【30分でご飯を食べきる】
などの【目標設定】は、お子様が出来るようになったら保護者側の困り感は減りますが、学校に行けない理由が解決していないお子様や、ご飯を食べるのに時間がかかる理由があるお子様にとっては、これらをいきなり解決するのはハードルが高すぎます。
「がんばり表」を紹介すると、「できないことができるようになる魔法の道具」と勘違いされてしまうことが多いですが、
実際には「今3割くらいできていること」が「8割くらいできるようになる」感覚です。
また、あまりにハードルの高いものを選んでしまうと、お子様の自己肯定感を下げてしまうこともあるので、注意が必要です。
具体的にどのように目標を設定したら効果的か、説明させていただきます。
目標となる事柄には、生活・学習・対人関係・感情コントロールなどが考えられます。
お子様によって課題は様々なので、まずは目標にしたいことを思い描いてみてくださいね。
ポイントとなるのは、以下の3点になります。
①子供が困っていること、子どもにとって必要なこと
②行動を観察して、どのくらい頻繁に起こっているか
③取り組みやすいことから
※お子様と話し合って、あとから目標を変えることも可能ですので、まずはお子様が取り組みやすいことから始めることが大切です。
ポイント①と②に関しては、『課題分析』というスキルを使うと有効的です。
『課題分析』とは、大きく困っている行動を細分化し、その行動を構成している要素を探ることです。
例えば、「朝起きるのが遅い」という行動を細分化すると、
「寝るのが遅い」
「寝るまでに時間がかかる」
「起床してからすぐに行動ができない(ベッドからなかなか出てこれない)」
「夜に考え事をしている」
「ストレスがかかると眠りが浅くなる」
など、さまざまな要素が考えられます。
課題を分析し、その子にとっては何が一番必要かを探ります。
「行動がすぐにできない」なら、時間を決めて寝るまでの準備を何時までに終わらせるか共有してみることも一つです。
「がんばり表」を現場で使用する際、私自身一番時間をかけて考えていることが、今回お話した「目標設定」です。
・その子にはどんな課題があるのか
・その子自身の困り感はどのくらいか(本人が自覚してないと導入しづらいからです)
・その中で自己肯定感を下げてしまわない目標はどれか
など、様々な要素を考え客観的に分析しております。
日頃からよくお子様を観察しておくのもポイントですね。
ご家庭で試しに使用してみるのであれば、親子で楽しく会話をしながら「ラスボス」を決める感覚でいいと思います。
今回の記事を覚えていらっしゃれば、ポイントを念頭に置きながら少しお子様をリードしてみてください。
次回は、「目標設定の個数と具体的な決め方」についてお伝えさせていただく予定です。
お子様とどのように相談して決めたらいいか、目標の書き方で気を付ける点などについてお話させていただきます。
「なかなかいい目標設定が思いつかない」「やってみたけど全然シールをあげられなかった」など、お困りのことがありましたらメールカウンセリングにて、ご相談に乗ることもできます。
目標設定を変更することは悪いことではないので、ご家族で話し合って解決できれば構いません。
ご興味がある方は、弊社ホームページをご覧くださいませ。
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