COLUMNコラム

【メンタルトレーニングコラム】”困難を受け止めより良い未来へと進む力”レジリエンスとは -後編-

みなさまこんにちは。メンタルトレーナーの森下です。

暑い夏が続いてますね。このコラムが公開される頃はお盆直前でしょうか?
森下家では毎年夏休みの時期は、子どもたちと夏休みにやりたいことリストを作っています。

あと何年こうして夏休みを過ごせるのかと考えるとちょっぴりセンチメンタルになったりもしますが、
ともかく今年の夏も最大限楽しんでいきたいと思っています。
(夏休み限定のナイトサファリがちょっと楽しみです…笑)

さて…前回の記事に引き続き”心の回復力”である「レジリエンス」についてです。
前編では「レジリエンスとは」「レジリエンスが高い人の特徴」についてお伝えさせていただきました。

【メンタルトレーニングコラム】”困難を受け止めより良い未来へと進む力”レジリエンスとは -前編-

後編となる今回は「レジリエンスを高めるためのトレーニング」をご紹介します!

<レジリエンスとは…>
心理的逆境・ストレス・困難・トラウマなどに直面した際に、適応的に対処し、回復・成長する力のこと。
①落ち込んだ状態から元に戻る「回復力」と、状況に応じて行動を柔軟に変える「適応力」の両面を含む。
②レジリエンスは生まれつきの性格だけで決まるものではなく、経験や学習、周囲の支援によって高めることができる。
③安定した家庭環境、信頼できる他者との関係、自尊心、問題解決能力などがレジリエンスを支える。
④脳科学的にも裏付けがある
⑤PTSDやうつ病などの発症リスクを軽減する

どうぞご覧ください!


レジリエンスを鍛える

レジリエンスは「メンタルが強い人だけが持ってるもの」と思われがちですが、誰でも鍛えられますし、コツコツ積み上げていくことができます。

そのためのトレーニングとしてオススメしたいのが、「ACTマトリクス」というワークです。

ACTマトリクスのACTは、Acceptance Commitment Therapyの略で、直訳すると「現状を”受け入れて”理想の未来へ何をするのかを”決断”するための方法(療法)」となります。

画像

※ぜひ印刷してご使用ください

 

このワークシートの横軸では右側が「理想の自分」で、左側が「理想から遠ざかっている自分」を指し、縦軸では上側が「行動」で下側が「思考」を指します。

この横軸と縦軸で4つのエリアに分けていきます。

①のエリアは「理想の思考」
②のエリアは「理想ではない思考(実際陥ってる思考)」
③のエリアは「理想ではない行動(理想ではない思考の影響から行動に移ること)」
④のエリアは「理想の行動(理想の思考に近づくために何ができるか)」

ということになります。

これを①→②→③→④の順番で書いていきます。
理想ではない状態(現状)を受け止めた上で、理想に向かっていくためにどうするのかを明確化するワークです。

仕事での局面で例えるとするならば…

①の「理想の思考」ところでは、
「自分の得意を活かして仕事をしたい」
「クライアントのために何ができるかを考える」
「ミスを恐れずにチャレンジをする」
「ユーモアを持って仕事をする」
といったような仕事に対して理想の取り組む姿勢を書いていきます。

②の「理想ではない思考(実際陥ってる思考)」では、理想とは違い現状起こってしまっていることを書いていきます。
「ミスをして自信をなくしている」
「自分のことを優先してしまい自分勝手になっている」
「型にハマってしまっている」
というようなことです。

③の「理想ではない行動(理想ではない思考の影響から行動に移ること)」では、②の「理想ではない思考(実際陥ってる思考)」影響を受けてどんな行動になってしまったかを書きます。
「ミスが嫌なので新しい仕事を引き受けなかった」
「自分が楽をした結果、周りの負担が増えた」
「言われたことしかやらない」
というような感じです。

④の「理想の行動(理想の思考に近づくために何ができるか)」は、このままでは良くないので①理想の思考(自分)へと近づいていくためにどうすればいいのかを書きます。

例えば、
「自分の得意なことをピックアップする」
「ミスから学べることを探す」
「心の余裕を持つために時間にも余裕を持って過ごす」
といったようなことを書きます。

あまり良いパフォーマンスではない状況は②「理想ではない思考(実際陥ってる思考)」と、③「理想ではない行動(理想ではない思考の影響から行動に移ること)」を行ったり来たりしている状況のはずです。

この左側(理想ではない自分)から右側(理想の自分)へと移動するためには、まずは自分の現状がどのようになっているのかを、客観的に見つめて理解し、受け止めなければなりません。

僕自身、現役時代(競泳選手時代)を振り返ると、緊張しやすく自分の実力があまり発揮できない日々が続いていた経験があります。

このACTマトリックスに当てはめると、リラックスして自分の良い泳ぎに集中することであったり、今までの練習でやってきたことを振り返って自信を持ってレースに臨むことが理想なのですが、

実際は、タイムが出るかどうかだったり、順位のことが気になってしまい、不安になって焦ったり、動きが硬くなったり、呼吸が苦しく感じてしまいパフォーマンスが低下してしまっていました。

当時の僕は、緊張していることや不安になっていることを「悪いこと」と思っていましたから、周りに弱気になっている姿なんて見せられないので、無理をして虚勢を張っていたように思います。

現状の自分を受け入れられずに、弱気、ネガティブになっている自分を跳ね除けようとしていたんです。
その結果、左側(理想ではない自分)からいつまでたっても抜け出せずにいたんですね。

もし、僕が当時の自分にアドバイス(心理面のサポート)ができるのであれば、
まずは「不安を感じたり、緊張することは悪いことではない」ということを伝えたいです。

そして、「なぜ不安を感じているのか、弱気になってしまっているのか」を一緒に考えていきます。
それが現状を受け入れることができるようになるキッカケになるからです。

もし皆さんの中で、何かうまくいかないことがあったり、壁にぶつかって悩んでいることがあるようでしたら、
うまくいかないことや、悩むことは誰でもあることと受け止めてあげましょう。

その上で、それの問題はなぜ起きているのかを理解し、自分自身でコントロールできる改善点に意識を向けてみてください!

前編・後編まとめ

レジリエンスを高めていくということは、現状を我慢して無理することでもありませんし、単に「ポジティブに考えよう!」ということではありません。
今の現状を理解し受け止めて前に進んでいくことです。

そのためにはまずは現状を受け止めること。

自分を心の声に耳を傾け、正直に受け止めることができたなら、本来の自分はどうしたいのかを見つめていくためにACTマトリクスのワークをしていきましょう!

最初はうまく書けないですし、なかなか書くまで時間がかかるかもしれません。書けたとしてもその通りうまくいかないことだってあります。(むしろその通りにできないことの方が多いです)

トレーニングですから、むしろできなくて当然です。すぐできるのならトレーニングなんていらないですからね。
繰り返しこのワークシート書いたり、見返すことによってだんだんと理想の自分へと近づいていく行動ができるようになってきますよ!

おまけ

今月もメントレコラム恒例(今年度から!)の森下のダイエットの経過報告です!
※ダイエットといっても特にこれといって変わったことをするでもなく、適度な運動と栄養バランスを見直すために「マイルール」を作って実施しています。

<マイルール>
①1日最低30分は運動する時間を確保する(ジョギング、水泳、筋トレ、ストレッチなど)
②甘いものは午前中に限りOK(菓子パンは禁止)
③コーヒーはブラックのみ
④毎日体重計に乗る
⑤なるべくタンパク質を取れるものを食べる(小腹が空いたらゆで卵)

今月は暑かったですが、しっかりとトレーニングをすることができました。
暑い中で走って思い切り汗をかくのは気持ちいい。そしてその後の冷たいシャワーはもっと気持ちいいのです。

そのおかげで達成感や充実感を感じることができて、モチベーションも上がっていたように思います。
なので、食事もカロリーの低いものやタンパク質も意識して摂取することができました。

小腹が空いた時に最近ハマっているのが、セブンイレブンに売っている「豆腐バー(スイートポテト味)」です。
罪悪感なく甘いもの食べれるのでとても助かってます。

それに伴い体重の推移です。(体重が全てではないですが、あくまでも目安として)

1月4日→80.1kg
2月4日→76.6kg
4月1日時点→77.2kg
6月1日時点→76.2kg
7月1日時点→75.8kg
8月1日時点→75.2kg

 


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