所属カウンセラーの水野です。
皆さまには、清々しく新しい年をお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
年末年始は、昨年の疲れを癒すべくゆっくりお休みいただけましたでしょうか?
日常に戻られていくと思いますが、寒い日々やコロナ禍での生活が続いております。ゆっくり身体や心を慣らし、ペースを調整しながら、日常に戻られて下さい。
さて、私のコラムでは「関係性と心の発達」をテーマに、様々な関係性にお使いいただける「考え方」や「スキル」について、日々の相談対応の中で感じていることや、自身の体験を振り返りながら、一緒に考えさせていただいています。
本年も「大切な人との関係性をどのように築いていくか」について、ご一緒に考えていかせていただきたいと思っております。
人は、関係性の中で、様々な心の発達を遂げていきます。
大切な人を大切にすること、大切にできることは、「自分自身を大切にすること」にも繋がる大事な作業です。
「自分はここにいて良いのだ」「もっと頑張ろう!」など、安心感や、モチベーションにもつながる大事なことです。
皆さまが、穏やかな関係性の中で日々を送れるよう、その考え方やスキルを、引き続きお伝えて参りますので、どうぞよろしくお願い致します!
今までのコラムはこちらです⬇︎
【関係性の相互性からみる心の発達】水野コラム
前回のコラムでは、
「関係性における考え方を理解することの大切さ」について書かせていただきました。
「考え方」を理解した上でスキルを学習すると、
・自分にあった形を自ら導き出すこと
・他の関係性にも応用すること
ができるなど、スキルをより深く身につけることができるようになることをお伝えしました。
スキルに至る「考え方」を理解することは、自分、相手、関係性、状況等に合わせた形へとスキルを「カスタマイズ」することに繋がっていくのです。
前回のコラムはこちらです⬇︎
【関係性と心の発達】大切な人を大切にできるために:考え方を理解すること-より深くスキルを身につけるために-
そして、スキルを身につけるためには、
・スキルに至る考え方を理解すること
・スキルを実践すること
・スキルによってうまくいった効果をご自身で体感すること
が大切です。
今回のコラムでは、その理由についてご説明したいと思います。
今の関係性にあったスキル、そのスキルに至る考え方を理解すること
第一に、前回お伝えした「今の関係性にあったスキルを理解すること」「スキルに至る考え方を理解すること」について、おさらいしてみましょう。
出かける場所にあわせて洋服やメイクを変えるように、
描きたい絵にあわせて絵の具や筆の種類を変えるように、
それぞれの目的に合ったツールがあります。
それは関係性も同じです。関係性を創りあげるためにも、ツールがあります。それが、「スキル」なのです。それぞれの関係性や状況にあう「スキル」があるのです。
関係性が良好な時は、その「スキル」を無意識に使っている場合も多くあります。
「スキル」とは、
・関係性においては褒めることが必要であること
・思春期への子どもとは適切な距離を置いて付き合う
・要望や気持ちを伝える時は、「私は〇〇」といったように自分を主語とした「アイメッセージを用いる」
などです。
そして、どうしてその洋服やメイクがその場所に合っているのか、
どうしてその絵の具や筆がその紙質に合っているのか、
を理解することで、自分にあった形を自ら導き出すこと、他の関係性にも応用すること
ができるなど、「ツール」を使いこなすことができるようになります。
「アイメッセージを用いる」理由は、<相手が責められていると感じないようにするため>です。
そのことを理解すると、その他の場面でも、<相手が責められていると感じないようにする>ようスキルを応用することができる場合があります。
つまり、「どうしてそのスキルを使うのか」その考え方を理解することで、「スキル」をより深く身につけることができるようになるのです。
関係性にあわせてスキルをカスタマイズすること
第二に、自分にあった「オーダーメイド」の洋服や筆を作るのと同じように、カウンセラーはクライエントの話を傾聴し、ニーズを汲み取り、スキルをカスタマイズし、それぞれにあった「オーダーメイド」のスキルを作っています。
なぜなら、人(お子さん)の特性、関係性は人それぞれだからです。
今はインターネットで「スキルを知ること」(そのスキルが大切な理由を知ること)自体は容易にできます。インターネットが「スキル」を教えてくれるのです。
しかし、<思春期は、親との分離を図っていく時期なので、「適切な距離を置いて付き合うこと」が必要>と書いてあっても、具体的に、どのような場面で、どんな風に、どの位距離を置いて付き合えば良いかわかりませんね。
一概に思春期と言っても幅広く、現在は小学3年生くらいから思春期的な反抗期を迎えるお子さんもいらっしゃいます。
小学生の思春期の対応と、高校生への対応は、主体性をどの程度尊重するか、保護者の判断でどの程度決めていくかなどの度合いは勿論異なります。そして、保護者の困り感の度合い、兄弟の有無、学校への適応状況などによって、保護者の声がけの仕方、関与の度合いが異なって来るのです。
多角的な視点から課題を考えていく必要があるため、一般的な「スキル」だけでは、解決できないことも多々あるのです。
従って、一般的な「スキル」を自分たちにあった形へとカスタマイズし、「オーダーメイド」の品を作ることで、自分が使いやすい形にしていく必要があるのです。
オーダーメイドのスキルを使ってみること
スキルを身につけるためには・・・
そのスキルを使うことです。使ってこそ、その効果を体感することができるのです。
確かに、「スキルを知ること」自体で課題解決の第一歩になっているのかもしれません。
しかし、それを<やってみる!>ことなしには、課題は解決しないのです。
「宝くじは買わなきゃ当たらない!」のと同じことです。
使ってみるためには、「自分にあっていること」に加え、「使いやすいものである」必要があります。
「オーダメイド」の品を作ることが有用な点は、
「自分にあっていること」「使いやすいものであること」です。
「オーダーメイド」の品とは、生活洋式、使いたい場所、自分の好みやタイプ、そして、自分の良い特徴を活かし、ウィークポイントを補うような「自分のために作られた逸品」です。
従って、オーダーメイドであるという点で、使ってみるモチベーションは高まっています。
使いやすければ、使ってみようと思います。
使ってうまくいけば、そのスキル繰り返されます。
そして、自然とそのスキルが身についていくのです。
一方、その効果が体感できない場合は、
カスタマイズがうまくいっていない、或いは使い方が間違っていることが予測されます。
その際は、仕立て直しや、使い方が正しいか再度確認していくことで、より良いオーダーメイドの品を作っていくことができるようになるのです。
まとめ
今回のコラムでは、スキルを身につけるためには、
スキルに至る考え方を理解すること
スキルを実践すること
スキルによってうまくいった効果をご自身で体感すること
が大切であることをご説明しました。
もちろん、1回で、カスタマイズができ、完璧なオーダーメイドの品ができることが望ましいのもしれません。しかし、仕立てが1回でうまくいかない場合もあります。また、人や関係性も、変容したり、成長したりしています。従って、今まで使えていたツールが使えなくなる場合もあるのです。
つまり、スキルは、自分にあった形に、カスタマイズされ続けながら使われていくことが望ましいのです。
私たちカウンセラーは、
・クライエントそれぞれにあったスキルをカスタマイズすること
・そのスキルを「使ってみよう」と思うモチベーションを一緒に形成していくこと
を目指し、相談対応を行っています。
カウンセリングにおいて大切なのは、クライエントの主体性です。
クライエント自身がご自分の抱えている難しさに向き合い、解決する、或いは受け入れていくことがカウンセリングにおいて大切なのです。
そのプロセスに寄り添い、「伴走すること」がカウンセラーの主な役割です。
従って、基本的には、「アドバイス」をカウンセラーがすることはありません。
一方で、今回のケースのように、カウンセラーはクライエントの課題を見極め、課題の解決を目指す「コンサルタント」的な役割を担う場合もあります。
その際は、
① どうしてそのスキルが有効と心理学的に考えられているのかの説明を行うこと
② 現実的にそのスキルをクライエントが実践可能であるかを検討すること
③ スキルを実践してみてのどうだったかのフィードバックを後にしてもらうことを提示すること
を心がけ、対応するようにしています。
これらのプロセスをおひとりで行うこともできますが、
おひとりでは、なかなか難しいこともあるかと思います。その際は、ぜひ、お気軽にカウンセラーをお役立てお使いください。
本年も、皆さまのご多幸とご健勝をお祈り申し上げます。
では、また2月にお会いしましょう!
*今回のコラムで少し触れさせていただいた「思春期の子どもへの関わり方」については、弊社の安澤(カウンセラー)が詳しくお伝えしております。ご興味がございましたら、こちらも合わせてご覧ください。⬇︎
【学童期の子どもの心理】思春期
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