こんにちは。
公認心理師・保育士の岡﨑太一です。
心地よい秋が過ぎ去り、気づけば一気に寒さが増してきましたね。我が家ではそんな短い秋を存分に活用すべく先日、キャンプに行ってきました。とはいえ別に誰かがキャンプに凝っているわけではありません。道具は全部レンタルで、テントはすでに張ってあるという、本当のキャンプ好きには鼻で笑われそうなプランでゆるーく楽しんでまいりました。
最近気づいたのですが旅行やイベントって、当日そのものよりも、実は当日までのワクワクのためにあるのではないかと思っています。
「炭火で夕飯は何作ろうかな」「寝袋で寝るの楽しみだな」「星は見えるかな」「最寄りの道の駅はどこだ・・」といった感じで、YouTubeで予習をしている時間がいちばん楽しい!当日はもうその答え合わせなのです。
もちろん、思っていた答えと違うという楽しさは当日にしか味わえませんが。私が一番楽しみにしていたのは焚火!家族で楽しくマシュマロを焼き、のんびりとウイスキーを傾ける。子どもは花火。
焚火というのは不思議なもので、ただ炎を見つめているだけで心が落ち着いたり、家族の会話が自然と深まったりしませんか?心理学的にも「炎を囲む」という行為は安心感やつながりをもたらす効果があると言われています。
穏やかな夜の自然を楽しんでいたところ、焚火から「パチン」とひのこが上がり、まさにマシュマロを焼いていた娘はやけどをしてしまい、さめざめと泣いておりました。寝る前にテントの中でトランプもしようと張り切っていたのに、しおしおと寝てしまいました。
やけどって確かに、「地味に痛いよな、かわいそうに。でもこれも、なかなかキャンプでしかできない痛みの味わい方かな。」などと考えていた私です。
今回のコラムでは、「親も失敗していい~キャンプから学んだ子育て~」と題し、子育てにおける「失敗」の大切さについてお話していこうと思います。一見ネガティブにとらえられがちな「失敗」ですが、実はそんなことないですよ!ということが伝わると嬉しいなと思います。

子どもが失敗するチャンスを奪わない
心理や子どもの支援に携わる者として、そしてひとりの親として大切にしているのは、子どもから“失敗する機会”を奪わないということです。
・命にかかわること
・大怪我しそうなこと
・他人に迷惑をかけること
でなければ、なるべく子どものチャレンジを見守ることにして、「子どもが失敗するチャンスを奪わない」ようにしています。
学校や保育の現場で働いていると、大切なお子さまをお預かりしている以上、どうしても見守りには限界があると感じることがあります。だからこそ、家庭ではもう少し大胆にチャレンジさせてあげたいと思うのです。
たとえばちょっと危ないなと思うこと・・・幼児期であれば、はさみを使ったり、ほそい花壇やブロックのふちを渡ってみたり、ジャングルジムや鉄棒に挑戦してみたり、自転車に乗ってみたり・・・
親としては大切な我が子、とってもハラハラします。「あぶないからやめな」の言葉をグッと飲みこんで見守ります。それで達成できた時のうれしそうな顔!あるいは痛い目にあって泣きべそをかく。でもそれでOK!「ほらもう!やると思った!」こう言いたくなる気持ちも飲み込んで、挑戦してみたことを認め共感してあげます。
そうすることで、子どもがどう感じるかというと
・失敗しても自分は大丈夫
・人は助けてくれる
・またやってみたい
と感じます。こういった思いが、自己肯定感や自己効力感の種となっていくのです。この種をお守りに、子どもはさらにいろいろなことに挑戦し、親や周りの人への信頼を安全基地としながら冒険していけるようになっていきます。親としては寂しいながらも、喜んでその背中を押してあげたいものだと思っています。
子どもが失敗して痛がったり、悲しんだりしている姿は、大人も心が痛みます。自分の大切な我が子であればなおさらです。私自身もついつい口や手を出してしまうこともあります。親としてのかかわりも、うまくいってもいかなくても、楽しく子どもと関わっていけるといいですよね!

親も失敗していこう
ちなみに我が子は、翌日には手の痛みはすっかり気にせず、楽しくアスレチックで豪快に遊んでいました。
そして、そんな子どもの姿に勇気をもらうのは、実は親のほうなのかもしれません。子どもが小さな失敗から立ち直る様子を見て、「大丈夫なんだ」「ナイスチャレンジ!」と改めて感じさせられます。
子どもが失敗から学ぶように、自分自身もまた「失敗を見守る経験」を重ねながら成長していく勇気を持たなければと感じました。
子どもと一緒にこれからもたくさん失敗して、そこからまた立ち上がっていくぞとパワーをもらいました。
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。ではまた来月お会いしましょう。
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