
取材記事掲載
※1月27日(月)朝刊・日本経済新聞WEB版へ掲載
日本経済新聞
公式HP
https://www.nikkei.com/
取材記事掲載
※1月27日(月)朝刊・日本経済新聞WEB版へ掲載
日本経済新聞
公式HP
https://www.nikkei.com/
日本経済新聞1月27日(月)朝刊・日本経済新聞WEB版へ『インポスター症候群』に関する取材記事を掲載していただきました。
【記事より抜粋】
「私なんて……」と自己評価が低い社員に対し、自信を持ってもらう取り組みに力を入れる企業が出てきた。成功を実力とは思えず、自分を過小評価する「インポスター(詐欺師)症候群」の克服が狙いだ。同症候群は少数派が陥りやすく、女性登用を阻む課題として知られる。チームのために強みを発信するよう、発想の変革を求める研修などを実施する。
▼「私は素晴らしい」と思う点 できるだけ書き出す
▼インポスター症候群、世界で多くの女性が直面
▼自信のなさは経験や機会の差
▼自信を持てない…若手男性の問題にも
【取材を受けて】
企業様での『インポスター症候群』に関する研修等は10年程前から実施しておりますが、このような形で取材をしていただけますことは、『インポスター症候群』の未然予防にも繋がり、また、早期ケアの意識が当事者だけではなく、周囲の環境においても意識化されるため、大変ありがたく思います。
なぜ、いま、自分の実力を過小評価する『インポスター症候群』が問題であるのか?という問いをよくいただきます。SNSの普及等で『インポスター症候群』が身近になったという理解でよろしいでしょうか。質問されることも増えてきました。
SNS等の自己表現の場における「承認欲求」を世間ではマイナスイメージを持っている傾向がありますが「いいね」をもらうことでの喜びや幸福感から自尊感情の高まり、そして、その「いいね」が自己承認へ繋がることもあります。そのため、自身のパフォーマンス向上や心の安定へ繋がっていれば大変喜ばしいこともあります。
ただ、心のバランスが崩れ、表面的な承認欲求が加速することによって、「いいね」「フォロワー」の数で自分の価値をはかり、他者と比べ、自分自身の本質に目を向けていない傾向は心の問題にも直結するため、気を付けていただきたいところです。
表面的には自信や自尊心(自己肯定感)が高そうに見えますが、常に「いいね」の数(クオンティティ)を求めすぎてしまい、本質や質(クオリティ)を高めることを置き去りにしてしまっています。
今日の常識が明日は非常識になっているような時代の流れの速さに振り回され、自分を見失ってしまうことも『インポスター症候群』を引き出してしまうきっかけにもなり兼ねません。
自分を俯瞰し、みつめる時間を設けることができず、他者の大多数の意見が情報として自然と入って来てしまう世の中のため、「本来の自分は?」と意識する間もなく、振り回されてしまいがちな現代社会です。
20・30代の皆さんはネット社会の中で生まれ育っているため、ネットから情報を得ることが日常的でありますので(全ての方がというわけではありませんが)、不必要な情報も自然な流れでアイデンティティにしみわたってしまっているかもしれません。選択肢が多い分、自分にとって重要な情報の選別も難しくなってきているとも感じます。
自己理解や自分にとって大切なことを知る、みつめる、向き合う時間を持つ前に、情報が常にアップデートされており、表面的な価値観や感覚で物事を判断することが日常化し、どこか空虚感を抱いていても、要因や原因に気付かないまま時間が経過していくことの繰り返しです。
実際にカウンセリングの現場では、20~40代の男女ともにインポスター症候群の方や予備軍の方とご一緒しておりますが、SNSなどを客観視していると、50歳以上の方もSNSに翻弄され、承認欲求や執着心の強さから、本質を見失っていると感じる傾向もみられ、依存的になり“他者評価依存+もっともっとの欲求”が止まらなくなっていると、残念に思うことも多くなってまいりました。
インポスター症候群は今回の記事にもありますように、自分を過小評価してしまう方に見える心理傾向ではございますが、過小評価を隠すもしくは受容することへの抵抗感があり、他者評価や他者からの承認欲求を満たすことで、自信のなさを隠す時代にもなってきていることを感じており、問題が複雑化していることも否めません。
日経新聞社様の取材記事をはじめ、インポスター症候群へのご理解が深まるような場を通し、皆様が自己承認をし、他者との心地よい距離感のとれた関係性の構築を大切にされながら、ご自身の人生を豊かにされる方が増えていきますよう、私も慎重に情報発信をし続けて参りたいと思います。
この度は貴重な機会に感謝申し上げます。