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目標を立てたのに続かない原因と対策について
みなさま、こんにちは。
所属メンタルトレーナーの森下です。
前回の記事では、
目標設定をする際の抑えておくべきポイント
についてご紹介させていただきました。
<前回の記事はこちら>
「目標設定の質を高めるポイント」
今回は、目標を継続できない原因と対策についてご紹介させていただきます。
◆目標を立てたのに継続できない
目標を立てたのに気づけば諦めてしまっていたなんてことはありませんか?
お正月に立てた1年の目標も今くらいの時期になり、忘れがちになってはいませんでしょうか?
目標設定の失敗例としてよくあるのが「三日坊主」です。
目標を立てた当初はいいけれど、なかなか継続できないということをよく耳にします。
では、なぜ三日坊主になってしまうのでしょうか?
それは第一歩目の目標の設定に問題がある可能性があります。
第一歩目の目標の設定が適切にできていないと、
目標を継続できなかったり、立てて満足して終わりになってしまうのです。
◆目標の最適な高さ
第一歩目の目標の高さとして適切なものは、
自分の能力と課題の難易度のバランスが取れている高さになります。
チクセントミハイという心理学者が提唱した「フロー理論」では
目標に対してモチベーション高く取り組めるのは「フロー」と
呼ばれる高さに設定することだと言われています。
チクセントミハイはフロー理論において心理状態を8つの領域に分けました。(下記図)
参照:“Finding Flow” Mihaly Csikszentmihalyi(1997)
縦軸が課題の難易度、横軸が自分の能力です。
自分の能力が低いのに、能力以上の難しい難易度の課題が与えられると不安(Anxiety)を感じてしまいます。
例えば、前回のテストで50点だったにもかかわらず「次は100点を取りなさい」と言われたら
「そんなの出来るわけがない」と感じて、取り組む前から諦めてしまうことでしょう。
逆に、自分の能力以下の課題が与えられる状況では、リラックス(Relaxation)、もしくは制御(Control)となり、
自分の成長には繋がらない、物足りない気持ちや、マンネリさを感じてしまいます。
モチベーション高く取り組めると言われているのが、課題の難易度と自分の能力のバランスの取れている
フロー(Flow)、次いで覚醒(Arousal)となります。
一方で、課題も難しくない、自分の能力も高くない時には退屈(Boredom)、
もしくは無気力(Apathy)となりやすいです。
◆小さな目標達成を増やす
フロー理論では、課題の難易度と自分の能力のバランスがちょうど良いところ、
「フロー」、もしくは「覚醒」の領域で設定することが良いということがわかっています。
ですが、そのフローや覚醒の領域に入るためには
具体的にどのくらいの高さで設定すればいいのかという疑問が出てくるかと思います。
目標をどのくらいの高さで設定すると成績が良かったかを調べるために、
目標の高さを変えた5つのグループに分かれて試験を行い、
どのグループが一番成績が向上したかを調べた実験をご紹介します。
①目標を何も持たせなかったグループ
②100%の目標を持たせたグループ
③110%の目標を持たせたグループ
④120%の目標を持たせたグループ
⑤130%の目標を持たせたグループ
この目標の高さを変えた5グループに分かれて、試験に取り組んでもらいました。
ではこの5グループの中でどのグループが成績一番向上したと思いますか?
結果は「110%の目標を持たせたグループ」が一番成績の向上が見られた
かつ、一番モチベーション高く取り組んでいたということがわかりました。
例えば、前回のテスト50点の人が100点を目標にすると、不安を感じ諦めやすくなるというのは先ほど説明しました。
110%の目標ですと50点だった人は55点が目標の設定値になります。
55点なら「いけるかもしれない」「出来そうだぞ」という気持ちになりませんか?
この気持ち(自己効力感)がモチベーションの向上には欠かせないのです。
私自身は今ではほぼ毎朝20kmのランニングが日課となっているのですが、走り始めた当初は2kmも走るのがやっとでした。
当時の自分に、いきなり今走っているような距離を毎日走れと言われたら、目標が高すぎて続きません。
ですが、少しづつ2kmから3kmへ、3kmから5kmへというように距離を伸ばしていき、
少しづつ小さな目標を達成していくことで、気がつけば今のように20kmを楽に走れるようになっていました。
目標を立てたのになかなか続けられない、行動ができないという人は
目標の設定値が高すぎたり、低すぎたりしていませんか?
一歩目の目標は110%の目標、つまりちょっと頑張れば手の届きそうな高さで設定することが大切になります。
ぜひ、今掲げている目標の高さを一度見直してみてください。
その目標は「できそうだ」「いけそうだ」と思える目標ですか??
次回は、目標設定の質をさらに高めるための最先端のプログラムをご紹介します。
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