COLUMNコラム

勉強に取り組まない子どもにイライラしない方法

こんにちは。所属カウンセラーの船山です。

今年も受験生にとってはラストスパートに差し掛かってきましたね。
どのように対応したらお子様が勉強するのか考え、ついつい怒ったりイライラしたりすることにお悩みの親御さんもいらっしゃることと思います。
受験に関係のないお子様でも、学校の宿題が進まなかったり、自ら勉強しようという姿勢が低いお子様にお困りの親御さんがいるということもお聞きします。

「勉強しなさい!」と言って、反発された経験はありませんか?
言いたい気持ちは痛いほどわかりますが、言えば言うほど勉強してくれないのが現実ですよね・・・

この現象を心理学用語で、「心理的リアクタンス」と呼びます。
「心理的リアクタンス」とは、何かを選択する自由が外部から脅かされた時に生じる、自由を回復しようとする反発作用のことを意味します。
そのため、「勉強しなさい」と外部から言われる度に、自ら勉強する選択肢を脅かされ「勉強したくない」という反発心が自然と生まれるのです。

何度声を掛けても勉強しない・声を掛けずに見守っていても一向にやる気を出さない、そのようなお子様を見ていると段々イライラしてくることも時にはありますよね。

今回はこの「心理的リアタンス」を起こさないような声掛けのポイントを3つ紹介させていただきます。

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子どもに選択肢を与える声掛け

先程説明した通り、「心理的リアクタンス」は、選択する自由が外部から脅かされた時に発生します。

そのため、
・勉強する時間や場所を子どもに決めさせる
・勉強と自分がやりたいことのどちらを先にやりたいか選択させる

等、何かを子どもが自分で選択できるように声を掛けることで、勉強に対するやる気が変わることがあります。

私自身、子どもの頃に「家事をするか勉強するか」と選択肢を与えられ、家事よりは勉強したい・・・という思いから、勉強を優先するようになりました。
そのうち「また家事を手伝ってと言われそうだから言われる前に勉強しておこう」と思うようになり、何も言われなくても勉強するようになりました。

こうして選択肢を与えると、反発心を抱くことなく、自分で選択して勉強するようになることがあります。
今回ご紹介した選択肢以外でも、ご家庭で実践できそうなことがあれば、工夫して声を掛けてみてくださいね。

プレッシャーを与えすぎない声掛け

どうしても勉強を始めない子には
「(そろそろ勉強するだろうから)あっちの部屋にいるね」
「テーブル片付けたから自由に使ってね」等
プレッシャーを与えすぎない声掛けをしてあげられると、勉強に対して反発心を抱かせず、意識を向けることが可能です。

何度も怒ったり注意をしたりすると親御さんも疲れますよね。
人へ常に意識を向けたり、注意の仕方を考えたりすると、気苦労が絶えません。
声掛けが必要なときもありますが、お互いにとって、マイナスではなくプラスになるような声の掛け方を意識してみてくださいね。

勉強に対してマイナスワードを口にしない

お子様が勉強している際に、このような声掛けをしたことはありませんか?

「なんでこんな簡単なところ間違えるの?」

そう思う気持ちはとてもわかります。
悪気なく言ってしまうこともありますよね。
私も宿題の丸付けの際や、どうやってこの問題を解くか聞かれた際に、意識はしていても、つい言ってしまいそうになることがあります。

しかし、次のような声掛けに変えると、子どもの勉強への取り組み意欲が変わります。

「学校のテストの時間ではないから今間違えても大丈夫だよ」

こうして声を掛けられると、間違えても大丈夫なんだと安心して勉強の時間を過ごせるようになります。
勉強の時間が少しでもお子様にとってプラスの時間になるように声掛けを工夫してみてくださいね。
お子様にプラスの声掛けをする際、親御さんも「テストではあるまいし間違えても仕方ない」と思えるようになると、余裕を持ってお子様の勉強に付き合えるようになっていきます。

勉強を始めたら褒めることも大切です。
そうすることで、「勉強を始めたから褒められた」とポジティブな印象が残りやすくなります。
注意して動かすよりも、動いたら褒める方法にフォーカスしてみましょう!

勉強関係で子どもの自己肯定感が下がることがよくあると言われています。
ある塾の先生は「子どもの自己肯定感を下げるくらいなら勉強はさせなくていい」
と仰っていました。
そのくらい、子どもはミスを指摘されたり、勉強をしないことを責められることで、自分を責めてしまいます。
親御さんもお子様の自己肯定感が下がってしまうことを望んでいるわけではないと思います。
責めて学ばせるのではなく、褒めて伸ばすように意識してみてくださいね。

親子

上記のように、声掛けを少し工夫して「心理的リアクタンス」を減らすことで、親子間の衝突が減っていきます。
そうすると親御さんがお子様にイライラする回数が減ったり、お子様が自ら選択して勉強する回数が増えていきます。

お子様が勉強に根気強く向き合うことと一緒に、時には息抜きをしつつ、親御さんも諦めずに向き合ってあげてくださいね。

よく「相手を変えたい」「相手にこうなってほしい」というお話を聞きますが、基本的に他人はコントロールすることができません。
親といえども子どもをコントロールする(勉強させる)ことは難しく、本人のやる気や意志が大切になってきます。
大事な受験が近づき、勉強させたいというお気持ちがいつもより強くなるかもしれませんが、あくまで「支える」スタンス勉強にいいイメージを育みながら一緒に乗り越えていきましょう!

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ただいま弊社メンタルトレーナーの森下が、
『受験生のためのメンタルトレーニング』をシリーズ化して更新しております。
今回ご紹介したカウンセリングの要素とメンタルトレーニングの要素を組み合わると、より効果的な方法でお子様を支えられるので、ぜひ実践してみてください。

【勉強の質を高めよう】受験生のためのメンタルトレーニング①前編
【勉強の質を高めよう】受験生のためのメンタルトレーニング①後編
【本番で緊張しないために】受験生のためのメンタルトレーニング②前編
【本番で緊張しないために】受験生のためのメンタルトレーニング②後編

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Writing by 船山

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