COLUMNコラム

【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<⑤実践編〜反省ポイント〜>

こんにちは!所属精神科医のT.Sです。

このコラムでは、

私が精神科医として患者さんと接する中で手に入れ、磨き上げてきた様々な武器
つまりは「幸せになるコツ」

を紹介しています。

 

さて、現在「目標達成や習慣化のために」シリーズを連載しておりますが、本日はいよいよその最終回です。
(本シリーズのこれまでの記事は↓こちらから読めます!)

【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<①まずは自分を知る>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<②目標設定とメンタルヘルスの関係性>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<③実践編〜目標設定〜>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<④実践編〜成功ポイント〜> ←前回の記事

前回の記事では、達成率の高かった項目を中心に振り返り、成功した理由について考察しました。

具体的にあげると、

1. 周囲の人の協力を得られる
2. それを避けては一日が進まないし、言い訳が通用しない
3. 他の習慣を組み合わせることが出来る
4. 成功したのか失敗したのかが分かりやすい
5. 始めるハードルを下げる

です。

この世のいかなる習慣も、身につけるために必要なのは、「①始める」→「②続ける」の2ステップだけ。

そしてこれら5つのポイントは、いずれもこの2ステップのどちらかを助けるものです。

・始めるハードルを下げ、それを避けては通れない仕組みを作ることができれば、①始めやすくなります。
・周囲の協力が得られたり、他の習慣を組み合わせることができると、②続けやすくなります。
・成功失敗が分かりやすければ、達成チェックが容易になり振り返りもしやすいだけでなく、モチベーション維持にも繋がるため、②続けやすくなります。

このように、成功にはそれ相応の理由が隠れているものです。やはり定期的に達成度を振り返り、成功や失敗の理由を考察するのは重要ですね。

…とは言いつつも、前回は成功ポイントについてしか振り返りが出来ていなかったので、今回は反省ポイントについてお話していきます。

達成率の低かった項目

ここで改めて、私が目標として設定した習慣と、その達成率を再掲しておきます。

休日や当直明けのことも考えると、「英語のハノン」や「体重計測」は、この数字で見るよりもしっかり定着していると考えられました。

そのため、達成率の低かった項目は、

・筋トレ
・歯磨き中のワイドスクワット
・レポート1行でも書く
・早起きする
・試験の過去問解く

の5つになります。

そしてこれらの項目については、前述の「成功した理由5つ」をもとに考えてみると、ある程度説明がつきました。

失敗ポイント

まず、「早起き」。
これが今、私の中で究極の課題です…無理すぎる…

たとえば、「歩いて通勤するついでに英語の勉強をする」のように、習慣を組み合わせることが有効であるというのは前に述べました。

しかし、当然ですが「朝目を覚ます」前には何もしていないので、「目を覚ましたついでに◯◯する」という習慣は作れても、「◯◯したついでに目を覚ます」というのは、自分の意志では不可能…

そういう意味でも、他の習慣に比べると達成しにくいと言えます。

とはいえ、改善方法は分かってるんですけどね…それは、「◯時までに寝る」という習慣を身につけることです。
「◯時までに寝る」という習慣は、時差はあれど「早起きする」という習慣に組み合わせることが可能(というか必須)です。
しかしこれがまだ実装できていないので、今後具体的に修正していこうと思っています。

次は「筋トレ」。
器具も使わず、ただ腕立て伏せ・腹筋・背筋をするだけの簡単な作業なのに、実は1月の最初しか継続できず、最近はほとんど達成できていません…

筋トレはもともと朝食後、家でやってから出勤するという計画でした。そうすれば身体を温めてから外に出られるし、一石二鳥だと考えていたんです。

しかし、早起きが出来ないので当然朝に時間を捻出できず、結局やらずに出勤します。
そうなると、夜帰宅後もなし崩し的に「まぁ今日は良いか…もう風呂入っちゃったしな…」となってしまうんですね。

つまり、私の中で筋トレが習慣化しない理由は、まず「それを避けても一日は進んでいくし、出来なかった言い訳を考えられてしまう」から。
また、身体が引き締まるまでに時間がかかることから、「成功報酬をその場ではすぐに受け取れない」というデメリットも関与しているように思います。

そして悲しいことに、「レポート」「過去問を解く」についても、同様の理由で全然手を付けられていません…
試験に受かるまで継続してコツコツ続けないといけないし(←当たり前)、かといって資格が無くても仕事は出来てしまうし、他の事で忙しいからと自分に言い訳しちゃうんですよね…

これらに関しては、ハードルを下げる方法や取り組みやすいタイミングなどを、まだ全然熟考出来ていません。
なので逆に言うと、まだまだ改善の余地はあります。また改善したらコラムで報告しようと思います。

習慣の組み合わせが失敗した理由

それと、これは意外だったのですが、「歯磨き中のワイドスクワット」も結構できなかったんです。
既にある習慣にくっつけるだけだし、こんなに簡単なのになぜ…?と自分でも思ったんですけど…理由わかりました。

歯磨きという習慣が、あまりに無意識にできすぎてしまうので、気づいたら終わってるんです…笑
なので、習慣を紐付けるというところまでも進めない…

皆さんはどうか分かりませんが、私の場合、入浴ももはや「考えずに身体を動かす」という作業になっています。
「頭を洗う→顔を洗う→身体を洗う」という一連の流れが既に身体に刻み込まれているので、何も考えず無意識に洗っていると「あれ?トリートメントってもうしたんだっけ…?」となることがあります。

それと同様、歯磨きも無意識に進んでしまうため、「そう言えばスクワットやらなきゃ!」という思考が挟まる余地がないんですね。

既に身についているけれど「無意識に出来てしまう」「気づいたら終わっている」という習慣に関しては、組み合わせに少し工夫が必要だと感じました。

習慣継続のために辞めたこと

それと、以下のことも辞めるようにしました。

事細かくリマインダー通知を設定する

自分で設定した習慣を忘れず行うよう、当初は事細かにリマインダーを設定していました。

「◯時と◯時と◯時になったら、姿勢を正すようにリマインド」
「◯時と◯時に◯時になったら、筋トレするようにリマインド」
……などなど

しかし、次第に通知が多すぎて溜まりに溜まり、逆に一切読まなくなってしまいました
情けない話ですが、割と想像できるあるあるではないでしょうか?

なので、リマインダーは最低限のものだけとしました。

記録を忘れたときの分を、振り返って後に記録する

達成度を管理するためには当然、「出来たものは”完了”」「出来なかったものは”失敗”」と、アプリで入力する必要があります。
しかしこれまでの私は、「今日から頑張って毎日入力するぞ!」→「ここ最近入力できてないなぁ…」→「もうやめるかぁ…」となり、定着しないことが大半でした。

入力を忘れた過去の分を後でチェックするのも面倒で、この「面倒だ」という気持ちが、継続する上で大きな敵となります。

完璧主義すぎると継続しないので、実際に入力を忘れてしまうこともあるのですが、忘れた分はそのまま放置し、気長に継続することを最優先としました。

目標をたくさん増やす

これ以上習慣化する項目を増やしてしまうと、全部チェックするのが面倒になり、記録自体がそもそも続かなくなる可能性が高いと考えました。
極端な話、目標を100個設定したとすると、それを毎日達成できたのかチェックするだけで相当な手間と時間がかかることは、容易に想像がつきますよね。

それと、項目を増やすほど達成できない項目も増えますので、振り返ったときに自分のモチベーションが下がってしまうことも懸念されます。

まずは現状立てた目標をしっかり習慣化し、わざわざ管理せずとも無意識に行えるレベルにまで定着したら、次の目標を追加していくこととしました。

このように、「面倒だ」「出来なさそう」といった、習慣継続の足を引っ張りがちな人間の弱い心理に要注意です!

自分にフィットしたPDCAサイクルを回そう

目標達成や習慣化のために私がこれまでに辿った足跡を、くどいほど具体的に説明してみましたが、いかがだったでしょうか。

振り返ってみると、やっているのは結局「PDCAサイクル」なんですね。

PDCAサイクルとは、問題を解決したり、何かを改善したりするために使われるシンプルな4つのステップを繰り返す方法です。
繰り返すことで少しずつ改善が進み、最終的に目標に近づくことができるというものです。

1. プラン(Plan: まず、何を改善したいのか、どんな目標を達成したいのか考えます。そしてどのようにしてその目標に近づけるか、具体的な計画を立てます。
2. ドゥ(Do): 次に、Planで立てた計画に従って行動に移します。
3. チェック(Check): 行動した結果を見て、計画通りに進んでいるか、目標にどれくらい近づいたかを確認します。うまくいかなかったり、予想外の問題が出てきたりしたら、それを見つけ出すことが大切です。
4. アクト(Act): 最後に、チェックで得られた情報をもとに、計画や行動を改善します。次のサイクルでは、その改善点を取り入れてさらに効果的なプランを立てます。

そして実際にPDCAサイクルを回すとなると、そのやり方は千差万別。
ある人にとっては上手くいくサイクルが、他の人でも必ず上手くいくわけではありませんので、自分にぴったりのPDCAサイクルを作り上げる必要があります。

そしてそのためにも、私の成功や失敗、そこに至るプロセスを(恥を忍んで)公開した、今回の連載を参考にしていただけたらと思います。

まずは自分という人間を知り、自身の強みや弱み、考え方の癖を理解した上で、目標達成や習慣化のために日々精進していきましょう…!

それでは、また来月のコラムで!

 

今回のシリーズはこちらで読めます↓

【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<①まずは自分を知る>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<②目標設定とメンタルヘルスの関係性>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<③実践編〜目標設定〜>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<④実践編〜成功ポイント〜>
【メンタルヘルス】目標達成や習慣化のために<⑤実践編〜反省ポイント〜>
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