COLUMNコラム

【学齢期の子どもの心理】『インターネット依存』という状態について考えてみる⑦ 《ネット依存の特徴に応じた心づもりと対応⑤・⑥》

はじめに

みなさま、こんにちは。

この夏は、酷暑の日が続いて「しんどいなあ」と思うこともあれば、急に天気が悪くなり気温が下がって30℃前後なのに「涼しいなあ」と感じたりするような、天候の極端な変動が続いていたという印象があります。

線状降水帯による豪雨と洪水・土砂災害に遭われた地域も増えていますが、いつどこで急にバケツ水のような雨が降ってくるのか、それはどの地域にも言えることですし、常に避難の準備と覚悟は必要だと感じています。

他方、社会全体では、8月も変わらず新型コロナウイルスの勢いは止まず、コロナ不安は拡がっています。ウクライナ情勢も報道の勢いは停滞していますが、激戦の場を変えて争いは続いています。

そのような心配の多い夏、そして8月も間もなく終わりますが、子どもたちも大人たちも、ゆっくりと夏休みに心身を休めることが出来たでしょうか?

久しぶりの大規模な行動規制の無い夏休み、お盆休みに帰省や旅行をされる方々もいれば、引き続きおうちでのんびり、テレビで夏の風物詩である甲子園野球などを観たり、ゲームをしたり、ゴロゴロしたりされた方々もおられたと思います。

子どもたちは部活動や夏休みの宿題で忙しかったでしょうか。読書感想文や自由研究は最後まで残りやすいですが、何とか乗り切って欲しいです。

ちなみに、私の読書感想文や自由研究の想い出と言えば、とにかく「出せばいい」との一心で、最後1週間でほぼ毎年仕上げていました。自由研究では、割りばしで迷路を作ったり、ビンと串でやじろべえを作ったり…(笑)、笑われるような、簡単なものばかりでしたが、最後は「出せばいい」と言い聞かせていました。

この時期、「あ~夏が終わる」、「2学期が始まる…」など、何となくゆううつな気分になりがちです。特に子どもたちにとっては、学校生活が半分を占める日々になりますので、生活リズム、心と身体のリズムの切り替えを求められます。
中には「学校に行きたくないなあ」、「あ~嫌だ」、「無理」、「もう何もかもなくなってしまえばいい」などなど、ネガティブな気持ちが高まっている方々、『不登校』で悩まれている方々もいると思います。
昨年も申し上げましたが、私も毎回この時期には、特に「地球なんかなくなってしまえばいい」と思っていた部類です。本当に重たい気分になっていました。

そのような気持ちは抱いてもOKだと思います。ただ、思っているだけでいると、マグマのように心にたまっていくだけで、いつかどこかで噴火します。

だから、ちょっとずつどこかで、吐き出すことが大切となります。周りにいる話しやすい人でもいいですし、いなければ紙に書いたり、スマホに書き込んだりでもOKです。とにかく自分という固体から外に出すようにして欲しいです。
地震で例えるなら、「震度7」だと自他共に救えませんが、「震度2」の小出しならば自他共に救えます。

ちょっとずつで良いですから、吐き出して発散するようにして下さいね。

昨年度に取り上げたコラム『不登校という現象について考えてみる』のコラムのエッセンスも何か足しになれば幸いですので、良かったらご覧下さいm(__)m
<『不登校』についてのコラム URL>
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる① ≪不登校とは/不登校の考え方》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる② ≪子どもが求める居場所/不登校への向き合い方①》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる③ ≪不登校への向き合い方②》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる④ ≪不登校への向き合い方③》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑤ ≪子どもが成長する段階的な歩み》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑥  ≪不登校の子どもたちの心のエネルギー/2学期の心構え》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑦ ≪登校刺激》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑧ ≪子どもが抱く不安・不安対象の移行プロセス》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑨ ≪不登校生徒の進路選択》
【学齢期の子どもの心理】『不登校』という現象について考えてみる⑩ ≪不登校についてふと思うこと/2冊の本》

さて、前回は、急遽対象喪失』をテーマに取り上げました。ある意味、「夏休み」の喪失感に浸る時期ではありますが、そのテーマで考えれば、最後に受け止められる時が必ずやってきますから。改めて、「夏の終わり」をイメージしつつ、その気持ちの流れを確認してみて下さい。
<『対象喪失』についてのコラム URL>
【学齢期の子どもの心理:番外編】『対象喪失』と『モーニング』について触れてみる

そして、今回のテーマは再び連載していたコラムに戻り、『インターネット依存という状態について考えてみる』第7弾です(以下、ネット依存と表記)。前回同様に、「ネット依存の特徴に応じた心づもりと対応策」について述べていきます。

夏休中はネット依存度が上がります。自由な時間が増え、ネットやゲームに夢中になる時間が増えるからです。
自覚しないうちに依存度は上がっていきますので、もうすぐ切り替えの時期でもありますから、時々休んだり違うことしたりして過ごして下さいね。

ネット依存の特徴に応じた心づもりと対応策⑤・⑥

「インターネット・ゲーム障害で子どもに見られるサイン」(図-1、再掲)から、よく対応場面で話題に出るものとして、「子ども側の6つの特徴」と「周囲の大人の10つの困り感」について、改めて確認してみましょう。

図-1 『インターネット・ゲーム障害で子どもに見られるサイン』

↓↓↓↓↓

《子ども側の6つの特徴》
精神面・生活面・行動面
●ネットやゲームを止められない(依存の増強)
身体面・生活面・行動面
●昼夜逆転、不眠、食欲低下、ひきこもりの時間増加(生活リズムの乱れ)
身体面・精神面・行動面
●精神症状(不安の高さ、抑うつ、「死にたい…」等の言動)が頻発(精神症状の発現)
精神面・行動面・対人関係面
●キレやすく、暴言暴力の増加(易怒化、行動化)
生活面・行動面・対人関係面
●登校や学習に結びつかない(本業の停滞)
生活面・行動面・対人関係面
●家族や友人との会話の減少(コミュニケーションの減少)

そして、今回も便宜上、『インターネット・ゲームへの段階的な没入度の目安』の図を再掲致します(図―2、再掲)。

図―2 『インターネット・ゲームへの段階的な没入度の目安』

今回は、「子ども側の6つの特徴」の残りの、⑤「登校や学習に結びつかない(本業の停滞)」と⑥「家族や友人との会話の減少(コミュニケーションの減少)」について触れます。

この2つの特徴は、ネット依存の程度が増えれば増えるほど、見受けられるようになります。最初に取り上げた①「ネットやゲームを止められない(依存の増強)」と次の②「昼夜逆転、不眠、食欲低下、ひきこもりの時間増加(生活リズムの乱れ)」の内容とリンクします。

ネットに没入すればするほど、登校を含む外出をしなくなり、家に、そして自室にこもる時間が増えていきますし、本業である学習、その他の活動を行う時間が次第に減っていきます。

そして、リアルな人間関係である家族や友人、教職員など自分自身の周りの人たちとの直接的なコミュニケーションがなくなっていき、ネットやゲーム、そしてネットを介した人間関係との繋がりが優先されていきます。

そのため、⑤と⑥についての段階的な対応の判断基準については、①と②の内容に準じますので、前述した『インターネット依存について考えてみる』①と②のURLでご確認いただけます。

これまでのネット依存に関するコラムについて、以下に再掲致しますので、ご覧下さい。
<『インターネット依存について考えてみる』 URL>
【学齢期の子どもの心理】『インターネット依存』という状態について考えてみる①《ネット依存とは?/ネット依存の原因》
【学齢期の子どもの心理】『インターネット依存』という状態について考えてみる②《ネット依存のメカニズム》
【学齢期の子どもの心理】『インターネット依存』という状態について考えてみる③《ネット依存の症状とサイン/ネット依存対処法》
【学齢期の子どもの心理】『インターネット依存』という状態について考えてみる④《ネット依存の特徴に応じた心づもりと対応①》
【学齢期の子どもの心理】『インターネット依存』という状態について考えてみる⑤《ネット依存の特徴に応じた心づもりと対応②》
【学齢期の子どもの心理】『インターネット依存』という状態について考えてみる⑥《ネット依存の特徴に応じた心づもりと対応③・④》

むしろ、ここで申し上げたいのは、その時のネット・ゲーム依存によって、子どもの心の状態が、私が第1回コラムで申し上げたような、心の逆三角形の状態になっているということを意識していただければと考えています(図―3)。

図-3 ネット依存状態にある子どもの心の状態

『子どもの心の三角形』については、詳細は、第1回のコラムでご覧下さい。
<『子どもの心の』 URL>
【学齢期の子どもの心理】『子どもの心を三角形で考えてみる』

ネットやゲームを止められない状態(①)が続いていくと、昼夜逆転するほどネットやゲームをするようになり、睡眠時間やご飯を食べる時間も削られていき、ネットやゲームに没入している状態(②)になります。

すなわち、図-3の右側の図ように、土台となる「生活習慣」の面積が少なくなり、ネットやゲームの世界の交流はありますが、日常生活でのリアルな「対人関係」も減っていきます。そして、「勉強」など本来やらないといけないと言われていることについて、頭ではもちろん分かっているのですが、周りからも指摘され続け、どんどん頭の中でプレッシャーに感じていきます。

当然、頭の中は「ネット・ゲーム」で支配されていますが、それに伴い、安定していた心の状態にも悪影響が及ぼされ、図-3の左側の三角形の状態から、右側の逆三角形の状態に変化していきます。

しかし、図―3には「⇔」があるように、逆三角形の状態から三角形の状態に戻ることは可能です。重要なことは、何度も申し上げていることですが、早期の段階、軽度の段階から、ネット依存のサインを掴み、子ども自身も、大人も、みんなで自覚して対応していくことに尽きます。

 

大人・周辺環境の困り感

これまで『ネット依存の特徴とその対応』ということで、「子ども側の6つの特徴」について取り上げてきました。
最後に、「大人・周辺環境の困り感」について述べます。これも今までの内容と被る部分が多いですが、リアルに振りかかる問題かと思いますので、簡潔ではありますが、取り上げていきます。

なお、子どもたちに伝えたいのは、以下の内容は、本当に保護者が困った時の対応となります。依存は程度が強くなればなるほど、子ども自身だけではコントロール出来ません。

その姿を保護者も傍で見ていくことは、本当に、辛く、悲しい気持ちです。それは子どもたちのせいではなく、ネット・ゲーム依存が子どもたちを飲み込もうとしているからです。

内容的には、「え、そんなことするの」と思う内容も含まれますが、以下の内容を子ども自身も、保護者も、周囲の大人もみんな望んではいません。だからこそ、早い段階から、みんなで対応していこうということを、子どもたちには改めてお伝えしておきたいと思います。

●体調が崩れてきているがこの後どうしたらいいのか(心身の不調)
●医療機関等に連れて行くにはどうしたらいいのか(治療について)

この2つの困り感は医療機関にどのタイミングで、どうやって繋いでいけば良いかだと思います。

子ども自身で体調不良の自覚があるかどうか確認はしたいですが、心身の不調が周りから見て確実な場合、子どもは自覚の有無を問わず、ネットとゲームが第一で、体調は二の次になっているでしょう。

保護者は、相談出来る第三者がいるならば、一緒に考えて、子どもを医療に繋ぐタイミングやその方法について一緒に考えると良いと思います。

主な方法は以下の3点が挙げられます。

①子どもが困っている症状を診てもらうこと
子どもが、「眠れていない」、「食欲がない」、「頭痛がする」、「視力が低下している」、「身体が痛い」など、子ども自身が、ネットやゲームをする上でも支障のあるような、子どもが実際に「辛い」と感じている症状に焦点を充てた呼び掛けです。
「ひとまず体調を診てもらおうよ。検査して何でもないなら、またゲーム出来るんだから」、「悪くなり過ぎて、後でずっとゲーム出来ないよりは今の方が良くない?」といった言葉が具体例でしょう。

②子どもの希望するもの、ことを与えていくこと
子どもは、ネット・ゲーム依存の治療のために、病院には「行きたくない」はずです。そのため、「あなたの好きな物を買うから」とか、「このお店に行って~食べようよ」など、子どもが反応しそうなもの・ことを第一の目的、通院を“ついでに”の感覚で連れていきます。

③第三者の力を借りること
①も②も通用せず、もうどうにもならず、このままだと子どもの心身の状態が家庭では対応出来ない場合、親族の力や第三者、民間救急といった力を借りつつ、説得しながら、連れていくことになるでしょう。この段階は出来る限り避けたいですから、早め早めに動くことが望ましいです。

①~③全てにおいて、周囲の大人は、子どもに対して、「あなたが心配なんだ」「あなたが大切なんだ」というメッセージを伝え続けることが非常に重要です。

●ネット・ゲーム依存はいつまで続くのか、果たして治るのか

子どものネット・ゲーム依存の程度次第だと思います。後手になればなるほど、延々とネット・ゲーム依存は続きますし、ネットやゲームの出来る環境がある限り、なかなか子ども自身や周囲の大人でもスムーズに依存を回復していくことは至難の業でしょう。

これまで述べてきた通り、段階的な対応を述べてきましたが、早期段階での気づきと対応が重要になりますし、回復していく見込みが高まると思います。もし程度が大きい場合には、入院などを通じて、ネットやゲームから一時的に離れる環境を設けることが依存の回復に必要なことでしょう。

●いつまで放っておけばいいのか、学校はどうしたらいいのか

ネットやゲームをやり続けている姿を見ると、勉強やその他の活動、家の手伝いなどもしないので、周りの人も苛立ちや心配が生じてくると思います。
「放っておく」のではなく、子どもの心身の状態について、常に周囲の大人側でアンテナを張って、「変化に気づく」ように意識していくことが大切です。

学校については、遅刻であれ、早退であれ登校出来ていれば「OK」として欲しいです。その代わり、その状態を維持出来るように、子どもと周囲の大人で早めに話し合って下さい。
「学校に行くこと」も大切ですが、それよりも「外に出ること」を続けていけるようにすることが重要です。
学校に行けない場合、不登校対応と同じになりますが、生活リズムを整えること、自宅での学習、家の手伝いといった、ルーティンをしっかりとルール化することが必要です。

●親子のコミュニケーションはどの程度すればいいのか
●同居する家族が巻き込まれているが、どのように考えればいいのか

基本的には、依存の程度が軽度までであれば、積極的に話し掛けて下さい。ネット世界やゲームの世界以外での、リアルなコミュニケーションを続けないと、リアルな世界にいることが少なくなっていきます。

中等度以降は、子どもの心身の状態を見ながらの対応となります。とりわけネットやゲーム以外のことに時間を割く際に、情緒面の浮き沈みはどうか確認しながら、声掛けをするようにして欲しいです。

また、保護者や家族は、依存の程度が増せば増すほど、巻き込まれてしまいます。次第に、周囲の人たちが生活リズムに乱れが生じ、心身の不調も訴えるリスクがあります。そのレベルまでいかないように、これまでに述べた早期対応を心掛けることが重要です。

可能なのであれば、ネット・ゲーム依存の子どもとは別の睡眠スペースがあると良いです。あまりに振り回されて、家族が苛立つような状況ならば、家族の心身の健康を守ることに重点を置いて下さい。それが結果として、子ども自身を守ることにも繋がります。

●いままでの家庭でのルールが通用しないがどうしたらいいか

ネット・ゲーム依存の程度が増して行けば、子どもがこれまでのルールを聞くことはなくなっていきます。第三者と相談しながら、子どもの心身の状態、そして家族が出来る範囲のことを踏まえて、その都度対応に柔軟性を持たせて欲しいです。
ただし、子どもと家族の命と生活は守らねばなりません。生活リズム、子どもや家族の心身の健康に関わる絶対的な譲れないライン・ルールは決めておくことが重要です。

●室内環境、ネット環境はどうしたらいいか

表層レベルならば、室内環境やネット環境を、子どもと相談しながら、整え直していくことが望ましいでしょう。ただ、軽度以降の段階では、子どもも抵抗を示す場合があるので、子どもの情緒面に配慮しながら、判断することになります。

一つ申し上げるならば、「取り上げ」だけは止めるようにして下さい。子どもの心を取り上げてしまうことを意味します。結果として情緒面の不安定さを増強することになるでしょう。やらせないのであれば、最初の段階から行わないと、改善の効果は見込めないでしょう。
重度の場合には、緊急の対応として、ネット・ゲーム環境から分離する手立ても必要になると思います。

●子どもの要求についてはどこまでOKすればいいのか

要求全てに従う必要はありませんが、ひとまず子ども側の意見は、コミュニケーションの一環として、聴いて上げる姿勢が大切です。「聴いてくれない」と思ってしまった場合には、リアルな世界に話す人はいないという解釈になりがちです。よりネットやゲームの世界に没入します。

まずは、良し悪し問わず、話を聴いて上げて、その後に大人側の意見、特に子どもの体調面が心配というメッセージを込めた形で、要求に応えられること、応えられないことを伝えていくことが重要です。

また、子どもが、第三者と繋がりある場合には、第三者に子どもとのコミュニケーションについて聴き取ってもらうことが良いでしょう。

●その他、保護者が気を付けることはあるのか

保護者やきょうだいも、ずっとネットやゲーム依存の子どもと関わることは、時に苛立つこともあると思います。また、依存の酷い場合には、視界に入るだけで辛くなる場合もあるでしょう。
その場合には、「なぜ、周りが?」と思うかもしれませんが、家族側が、視界に入れないように、可能な範囲で外出したり、別のことをしたりして、気を紛らわせながら、少しでも忘れられる時間を作ることが大切でしょう。

あくまで参考として受け止めていただければと思います。他にも考え方、取り組み方は専門家の方々によって様々な視点をお持ちかもしれません。

以上のような困り感が大きく膨らまないように、周りの大人たち、専門家の方たちと相談しながら、気持ちを落ち着けながら、考えていくことが大切だということを、保護者の方々にはご留意いただければと思っています。

最後に、ネット依存の個人的な”思い”です。

ネットのつながりだけではなく、リアルなつながりを。

対”機械”によるつながりよりも、対”人”とのつながりを。

こころないつながりではなく、こころあるつながりを。

まとめ

●⑤「登校や学習に結びつかない(本業の停滞)」と⑥「家族や友人との会話の減少(コミュニケーションの減少)」の2つの特徴は、①「ネットやゲームを止められない(依存の増強)」と次の②「昼夜逆転、不眠、食欲低下、ひきこもりの時間増加(生活リズムの乱れ)」の内容とリンクする。⑤と⑥についての段階的な対応の判断基準については、①と②の内容に準ずる。

ネット・ゲーム依存によって、子どもの心の状態が心の逆三角形の状態になっている。図-3の右側の図ように、土台となる「生活習慣」の面積が少なくなり、日常生活でのリアルな「対人関係」も減る。そして、「勉強」など本来やらないといけないと言われていることについて頭の中でプレッシャーに感じていく。

●図―3に「⇔」があるように、逆三角形の状態から三角形の状態に戻ることは可能である。重要なことは、早期の段階、軽度の段階から、ネット依存のサインを掴み、子ども自身も、大人も、みんなで自覚して対応していくことである。

「大人・周辺環境の困り感」の10項目について具体的に説明している。特に、『体調が崩れてきているがこの後どうしたらいいのか(心身の不調)』、『医療機関等に連れて行くにはどうしたらいいのか(治療について)』は、保護者が子どもを医療に繋ぐタイミングやその方法が重要となる。

子どもを医療に繋ぐ方法については、以下の3点が方法に挙げられる。①子どもが困っている症状を診てもらうこと、②子どもの希望するもの・ことを与えていくこと、③第三者の力を借りることである。①~③全てにおいて、周囲の大人は、子どもに対して、「あなたが心配なんだ」「あなたが大切なんだ」というメッセージを伝え続けることが非常に重要である。

おわりに

以上、『インターネット依存について考えてみる⑦』を取り上げました。ここまで「ネット依存の特徴とその対応」について、具体的に、実際の場面でどうするかという視点で述べてきたつもりです。全てが参考になるかは分かりませんが、少しでもみなさまにとっての実利的なエッセンスになっていれば幸いです。

ここで一度、『インターネット依存について考えてみる』のコラムは終わりにします。
約半年間、毎月取り上げましたが、今年の後半は違うテーマも取り上げたいなあと思ったのが一因です。
「マンネリ」でしょうか・・・。
でも、依存度が増すのではなく、『マンネリ』と考えらえる段階で止めておくことも大切ですよねと自分に言い聞かせて、自己完結しています(笑)

『自己完結』って、何て都合の良い言葉でしょうか(笑)

みなさま、この言葉は、使うことはありますでしょうか?
そんなに使用しない言葉かもしれませんね・・・。
使用しなくても全く問題ございませんが(笑)

真面目に申し上げるならば、心の苦しみを、悩みを、葛藤を、『自己完結』させてないで、
必ず誰か近くにいる人でも、専門家でも、話せる人、話しやすい人に、ご相談下さいね。

次回からは、また新しいコラムを綴っていきますので、宜しくお願い致します。

それでは、また次回!!

 


 

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Writing by 安澤 好秀

 

 

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